インターネットの世界初広域障害発生事件の経緯とは?
By Furtherfield Gallery
1980年10月27日にインターネットで世界初となる広域障害が発生し、世界規模で接続が4時間も遮断されたそうです。当時運用されていたのは「ARPANET」と呼ばれるパケット通信ネットワークで、世界初となった広域障害が発生した経緯をIT系メディアのMotherboardが公開しています。
Happy Anniversary to the Early Internet's First Network-Wide Crash | Motherboard
http://motherboard.vice.com/read/happy-anniversary-to-the-early-internets-first-network-wide-crash
世界初の広域障害が発生した根本的な原因はネットワークのインタフェース・メッセージ・プロセッサ(IMP)にありました。IMPとは、ネットワークトラフィックの処理を切り替えるデバイスで、現代のルータと基本的な仕組みは似ています。要するに、ARPANETのIMPはPCとネットワークで交わされる通信をARPANET基準に書き換える役割があったというわけです。
By Andrew "FastLizard4" Adams
障害が発生した際は、IMPのネットワークの1つである「IMP29」にハードウェアの障害を原因とした問題が起きました。IMP29は別のノードであるIMP50にタイムスタンプ付のステータスメッセージを渡すはずでしたが、障害を起こしたことでIMP50に問題のあるタイムスタンプを含んだ不安定なステータスメッセージが届けられてしまったのです。
IMP29やIMP50を含む全てのノードは1分おきにステータスメッセージを送信する役割があったにも関わらず、IMP50が不安定なステータスメッセージを受け取ったことで、全ノードが最優先でステータスメッセージの処理を開始し、結果的に全ノードが問題のステータスメッセージを繰り返し送受信するという事態を引き起こしてしまいます。
By Brian J. Matis
全ノードはIMP50が受け取った不安定なステータスメッセージの処理のために、他のステータスメッセージの処理に当てる時間がなくなり、ステータスメッセージを格納しまくることになり、ネットワーク全体に障害が引き起こされたとのことです。
世界初の広域ネットワーク障害は、1つの技術的障害を起因として、他の部分に障害が連鎖するように発生しました。復旧するには全てのIMPを1つずつ再起動する必要があり、そのために4時間に渡って広域障害が発生したというわけです。
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