試食

Soup Stock Tokyoの「オマール海老のビスク」を家庭で再現することはできるのか?


うま味調味料や保存料を使わずに手間隙かけることで素材の味を生かしたおいしいスープを提供するSoup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)は、全国にお店を展開していますが、レシピ集「Soup Stock Tokyoのスープの作り方」を使えば家庭でもお店の味が再現できるとのことなので、実際に本を買って人気メニューである「オマール海老のビスク」を編集部で作ってみました。

Amazon.co.jp: Soup Stock Tokyoのスープの作り方: Soup Stock Tokyo: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4163751807

これが「Soup Stock Tokyoのスープの作り方」。白地のシンプルなデザインのレシピ集です。


全96ページで、厚さはこれくらい。


目次はこんな感じ。Chapter1:素材を食べるスープ、Chapter2:だしにこだわったスープ、Chapter3:手間隙がおいしくするスープ、Chapter4:世界の食文化を味わうスープ、Chapter5:身体をいたわるスープ、Chapter6:ストーリーから生まれたスープ、Chapter7:Soup Stock Tokyoのカレー、Chapter8:Soup Stock Tokyoのデザートとなっており、全8章に分かれていました。その他、調味料や調理道具の解説、季節別さくいんもついています。


目次の下には表記のルールが記されており、「適宜は『あればお好みで』の意」「茹で水は分量外」「水、牛乳、ブイヨンなどの分量については気温、蒸発量によって変化するので幅を持たせた分量を記してあります」など、細かなところまで書いてありました。レシピ集によっては材料一覧には入っていなかった食材が工程の途中でいきなり登場して慌てて買いに走る、ということが起こることもあるので、かなり初心者にも優しい印象です。


「素材を食べるスープ」には安納芋やとうもろこし、カボチャなどを使った、シンプルなレシピが載っています。


手順は写真付きで解説してあるので分かりやすいです。


「だしにこだわったスープ」にはチキンストック・干し貝柱だし・昆布だしなど基本的なだしの取り方、そしてそのだしを使ったレシピが5種類。


切り方や炒める時間、加熱のタイミング、火加減の調整など、細かな部分まで丁寧に解説してあります。こういう部分もレシピ集によって差があり、「どのタイミングで火から下ろすか分からない!」と混乱してしまう本もあるので、レシピとしてはすごく分かりやすい部類です。


「手間隙がおいしくするスープ」では人気メニューの「東京ボルシチ」の作り方を公開。


「世界の食文化を味わうスープ」にはスペインのアホスープや……


トルコの赤レンズ豆のスープ。


「身体をいたわるスープ」には豆乳のポタージュやショウガ入り7種野菜の和風スープ、八宝粥など、体によさそうなメニューが並びます。


また「ストーリーから生まれたスープ」には「ルージュの伝言」をイメージした「ユーミンスープ」や、「ゴッホの玉葱スープ」など、ちょっと変わった名前のスープ。


「Soup Stock Tokyoのカレー」ではスープだけではなく、カレーの作り方も解説。


甘味のレシピを解説する「Soup Stock Tokyoのデザート」という章もありました。


ということで、今回は「Chapter3:手間隙がおいしくするスープ」から、人気メニューの「オマール海老のビスク」を再現してみることにします。必要な材料をそろえるとこんな感じで、かなりいろいろ入っていることが分かります。


だしを取るのに必要なオマール海老の頭は近くの魚屋さんで売っていなかったので、百貨店の中に入っている魚屋さんで冷凍のものを取り寄せてもらいました。価格は頭3つで税抜480円。


オマール海老のビスクは作り方が「ジュ」と呼ばれるだしを取るステップと、実際にスープを作るステップの、2つのステップに分かれています。ということで、まずはだしの取り方から。玉ねぎ・セロリ・ニンジンを粗みじんにしていきます。


続いてはオマール海老の処理。


大体3cm四方にカットしていきます。オマール海老の頭は内側からカットしていくと切りやすいです。


サラダ油を引いたフライパンでつぶしたニンニク1かけらを温め、香りが立ってきたらオマール海老の頭を投入。


しばらく触らずに放置し、ジワジワとフライパンにこびりつきができてきたら混ぜ始めます。


黒っぽい見た目だったオマール海老ですが、火を通すと赤く変色。ニンニクと海老のいい匂いが広がります。


オマール海老に火が通ったら再びサラダ油を投入。


ニンジンだけを先に入れます。


しばらくするとニンジンの表面が透明っぽくなってきました。


このタイミングで残りの香味野菜、セロリと玉ねぎをフライパンにザーッと入れます。


しっかり炒めて……


フライパンや鍋についた焦げ付きはシッカリ落とします。これが後に旨みになるとのこと。


ブランデーを加えたあとに、トマトペースト・ダイストマト・タラゴン・白コショウ・パセリ・水を加えます。


これで15分ほどぐつぐつ煮ていきます。


煮終わったらこし器でスープをこしていきます。今回は150×140mmの大きさのものを約2000円で購入しました。


こし器にだし汁「ジュ」のもとを投入。


木べらなどでギューッと力を入れて押していきます。


鍋いっぱいの材料からとれたジュは150ccでした。


これで終わりではなく、こし器の中の具をもう1度フライパンに戻し、今度はお湯を350ccほど加えます。


煮出したものを再びこし器に入れて……


2番だしは1番だしよりも多く取れそうな感じ。


全部で300ccのだしをゲット。


1番だしと2番だしを合わせるとこんな感じ。次のステップではこのうち260ccのジュを使用していくことになります。


試しにこのままの状態で味見をしてみたところ、オマール海老の濃厚さは感じられるのにアッサリとした仕上がりで、家庭で作っているとは思えないほど高級そうな味。塩を入れていないので素材の風味がダイレクトに感じられました。


そして次は、ようやくスープ作りのステップ。玉ねぎ・ニンジン・セロリをみじん切りにしていきます。ジュを作る時は粗みじんでしたが、今回はみじん切りなので、少し細かくします。


同じくみじん切りにしたニンニク半かけをバターを熱した鍋の中に投入。


弱火でジワジワとにんにくを炒め、香りが立ってきたらニンジンを投入。


そしてニンジンに火が通ったらセロリ・玉ねぎを加えます。


はじめはシャキシャキしている野菜


これがオレンジ色っぽく変色し、玉ねぎが透明になるまで炒め続けます。レシピ集には2~3分炒める、とありますが、火力が違うからか、ここまで色が変わるのに弱火で大体15分くらい炒めていました。


赤ワインを投入し、アルコールが蒸発するように強火にします。


そしてトマトペーストを投入。


ローリエ・オマール海老のジュ・水を加えて……


沸騰するまで強火にします。


アクが出てくるので、アク取りを忘れずに。


沸騰したら弱火に戻して15分~20分ほどグツグツ。


煮込んでいるうちに仕上げに使う牛乳・生クリーム・はちみつを合わせておきます。


しっかりスープが煮込めたらブランデーで香り付け。


牛乳・生クリーム・ハチミツを加えます。


最後に塩・白コショウで味を調えて……


完成!


今回は以前購入したスープ専用まほうびんにスープを入れていきます。


スープ専用まほうびんは税込2570円で、お店に持って行くとスープが20円引きになり、店員さんに頼むと食後に洗ってもらうこともできるので、お店によく行く人であれば何かと便利です。


ついでにバゲットも焼いてみました。


スープには黒コショウをトッピング。


オマール海老やさまざまな材料が混ざりあった複雑でいい匂いが部屋に広がります。撮影しながらではあったものの、この時点で作り始めてから3時間はゆうに経過していたため、空腹というスパイスも加わってかなりおいしそうです。


食べてみると、オマール海老の香りと濃厚な味わいと香草や香味野菜が混ざりあって複雑な旨みを生み出しており、牛乳&生クリームが優しい味わいにしつつも、最後にふりかけた黒コショウでキリッと味が引き締まっており、とにかくおいしいです。1からだしを取っただけあって雑味がなく「素材の味ってこういうことか!」と思い、家庭でここまで本格的なスープが作れることに感動すら覚えるレベルでした。


焼いたバゲットをスープに浸してみます。


香ばしく焼いたバゲットが合わないはずがなく、スープとパンというシンプルな組み合わせながら、立派な夕食として食べられます。


思わず「大成功だ!」と声を上げてしまうくらいにはおいしく、やはり家で作るできたては違うなあと思っていたのですが、オマール海老のビスクは自分で1から作らなくとも楽天市場のSoup Stock Tokyo公式ショップで購入できます。価格は180gで税込494円、冷凍です。


これは湯煎するとわずか5分で完成。


お皿に注ぐだけと、簡単調理。


食べてみると、なんということでしょう、濃厚さが全く違います。手作りのビスクもオマール海老の濃厚さをしっかり感じられたのですが、これはさらに濃厚、というかスープのとろみや色もまず違いました。使っているオマール海老が冷凍だったからか、作る量が違うからか、かけている手間が違うのか、時間が違うのか、理由はわかりませんが「同じ材料・手順通りに作っても本家本元のスープは作れない」ということを感じる結果に。


ということで、Soup Stock Tokyoの力をまざまざと見せつけられてしまう結果となったのですが、レシピ集として非常に分かりやすく、作りやすく、かなり優秀で、時間こそかかるものの家庭で素材の味を生かしたおいしいスープを作れるようになっており、初心者でも料理好きな人でも楽しめる本となっていました。なお、Amazonでの価格は税込1512円となっています。

Amazon.co.jp: Soup Stock Tokyoのスープの作り方: Soup Stock Tokyo: 本


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in レビュー,   試食,   , Posted by darkhorse_log

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