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偽物iPhoneから人毛まで販売する中国の「アンダーグラウンド・マーケット」とは?


中国には偽物のスマートフォンから一般消費者向けの商品までを取り扱う「地下卸売市場(アンダーグラウンド・マーケット)」と呼ばれる大規模な市場があります。中国製品の輸入業を営むダニエルさんは、地下卸売市場で販売している製品や店舗などの実態を写真付きでブログに投稿しており、これまでの取引で失敗を重ねた経験から、中国製品の仕入れで利益を出す方法を伝授しています。

The truth behind China’s Underground Wholesale Markets. | Young Money China
http://www.youngmoneychina.com/2014/08/the-truth-behind-chinas-underground-wholesale-markets/

中国にオフィスを構えるFetchChina.comのオーナーであるダニエルさんは、中国製品をイギリス向けに販売するビジネスで、すでに中国国内に2つ目の工場を構えるほどまで軌道に乗せることに成功。中国でビジネスを始めた当初から地下卸売市場を利用していたとのことですが、過去に3回大きな失敗を経験しているとのこと。


中国には外国人バイヤー向けの大規模なショッピングモールが多数存在しており、地下卸売市場もその中の1つ。72年物のプラチナ・人間の毛髪・オフィス什器・家具・電化製品など、思いつくものはなんでもそろっているとのこと。商標登録に違反しているような商品や違法な偽物製品も多く取り扱っているわけですが、「今後中国でのビジネスを考えている人のための助けになれば」ということで、地下卸売市場のいくつかのセクションと、経験談をまとめています。


◆セクション1:偽ブランド品・コピー品エリア
第1セクションでは、偽ブランド品やコピー品の腕時計・PC・携帯電話・ロゴ入りマグ・衣類などを販売しています。店員は「偽物・コピー品」と伝えてきますが、偽物を「本物」として販売していることがあるので注意が必要。ほとんどが低品質の商品なので、よく見ればわかるとのこと。


このフロアにはメモリーカード・USBメモリや……


オーディオアンプの偽ブランド品・コピー品も販売しています。これらの品物はくせ者で、パッケージが本物と見分けがつかなかったり、動作しなかったりするとのこと。特にメモリ関係は「外装だけで内部に記憶装置が入っていないことがある」とダニエルさんは言います。基本的に中国の卸売市場で本物のメーカー品を買うことはできないそうです。


◆セクション2:限りなく本物に近い偽物エリア
第2セクションはグレーな販売エリアで、限りなく正確にコピーされたスマートフォン・タブレットなどの電子機器を購入可能。例えばパッと見て見分けがつかない偽物のiPhoneは、70ポンド(約1万2000円)で販売しています。


特に人気のお店がBeatsショップで、Beatsヘッドホンや、キャリーケースなどがずらりとそろっており、偽物には見えないクオリティとのこと。


◆セクション3:改造品エリア
第3セクションでは、もとは実際にメーカー製品として販売されていた電子機器の、HDD・画面・CPU・カメラレンズ・外装などを全てはぎ取られて、安価なパーツで組み直した改造品が販売されています。


ただし、見た目はまるで新品で、例えばiPhone 5は220ポンド(約3万8000円)ほどで購入可能。詳しくどんなパーツを使っているか分かればお得な買い物ができることもあります。なお、はぎ取られたパーツは中国国外へ売り払われて、海外の電子機器修理ショップなどで最新製品の交換用パーツとして使われます。


デジタル一眼レフカメラのように内部パーツが高価なものは、ほとんどすべてのパーツが交換されてしまっているので、使用されているパーツ単価に見合わないような買い物をすることになってしまう可能性が大です。


◆セクション4:本物エリア
ダニエルさんも驚いたというのが第4セクション。ここではまごう事なき本物の最新製品がメーカーから直々に販売されており、お金さえ出せば望むものは購入できるものの、輸入品であるため非常に高価な価格設定になっています。


◆セクション5:中国一般消費者向け商品エリア
ここは中国製品で利益を出すために最もオススメの場所とのことで、ノーブランドの中国産一般消費者向け商品が販売されています。偽物や法的な抜け穴はなく、リスクをほとんど負わずに仕入れが可能です。


ダニエルさんはここで商標がついていないものを仕入れて、自社のロゴをつけ直して販売しています。偽物・本物問わず、メーカー製の品に自社ロゴを付け直すことはできませんが、カメラ用三脚やiPadケースなど、付属品などのノーブランド製品であれば問題ないとのこと。


世にあふれる製品の付属品を狙うのがすき間産業となり、利益を産むわけですが、ダニエルさんは在庫を抱えすぎて失敗したこともしばしば。その場合は、スマートフォンの液晶ディスプレイを販売する時に余剰在庫となっているツールキットを付けたり、タブレットにキャリーケースをおまけしたりすれば、在庫をさばくことができる上に、売りたい商品の利益率も上げることができるとのことです。


地下卸売市場ではかなり眉唾な商品が多数販売されているため、仕入れには細心の注意が必要です。最後にダニエルさんは、中国の卸業者とビジネスを行うにあたって、以下のようにアドバイスしています。

・中国の販売業者は必ず最初の5分間に「この製品は本物で~」と説明を試みるため、何を言われても聞き流すこと
・頭金を現金で支払うと、価格交渉を優位に運ぶことができる
・簡単な注文でも、通常の取引感覚でいると、「電源ケーブルの長さが足りない」といった商品が届くことがある
・頭金とは別に注文代金の支払いは、注文時/出荷前の2回に分ける。すると支払い時に注文品のチェックを2回実施できる
・配送日間違いなどを起こさせないため、できるだけこまめに業者と連絡をとる。中国のメッセージアプリ「QQ」がオススメ

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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