取材

大型恐竜の骨格標本など全24種28点の化石を水族館の生き物たちと比較可能な「京都水族館に『恐竜』がやって来る!」


約2mのトリケラトプス頭骨や全長約5mの大型恐竜の全身骨格標本など、福井県立恐竜博物館収蔵の生き物の化石をペンギンやオオサンショウウオなど水辺の生き物たちと比較する形で展示することで、今はもう見ることができない生き物たちの生前の姿を想像することができるのが京都水族館の「京都水族館に『恐竜』がやって来る!」です。7月19日(土)の公開に先立って先行プレス発表会が行われたので、どんな感じなのか見てきました。

福井県立恐竜博物館×京都水族館7/19~イベント開催 | 京都水族館
http://www.kyoto-aquarium.com/news/2014/06/kyoryu2014.html

京都水族館に到着。


入り口に向かうと……


ベンチに福井県立恐竜博物館の恐竜博士が座っていました。


手には頭骨。


ということで、恐竜博士に見送られつつ館内に入っていきます。


館内に入ると先行プレス発表会の看板が立っており、その後ろに……


後期白亜紀に存在したトリケラトプス・ホリダスの頭骨の複製がありました。


これはアメリカで見つかったトリケラトプスの複製。植物食なので、歯は小さめです。


頭骨だけで2mもあり、全長は12mほどだと考えられています。


ということで、ツアーがスタート。


「京都水族館に『恐竜』がやって来る!」は全部で5つの展示ゾーンに分かれています。京の川ゾーンでは、最古の両生類であるイクチオステガ複製とチャンプソサウルスの実物標本が展示されていました。


これが脊椎動物としてはじめて陸に上がったイクチオステガの複製標本。後期デボン紀のもので、グリーンランドで発見されました。


足はこんな感じ。


そして、標本展示の隣には現存で最大の両生類であるオオサンショウウオが展示されており、イクチオステガの骨と比較することで、イクチオステガの当時の姿が想像できるというわけです。


骨格標本の上にはイラストも描いてあり、どんな生き物だったのか、というのがすごくよく分かるようになっています。


後期白亜紀に存在したチャンプソサウルスはイクチオステガが爬虫類へと進化したもの。


陸地で生活するので足があります。


そして次は1階ペンギンゾーンの展示。ペンギンは鳥類ですが、恐竜時代の原始的な鳥類であるイクチオルニスや、ペンギンと同様に海に潜って魚を食べたと言われるヘスペロルニスの骨格標本を泳ぐペンギンやペンギンの化石と比較しながら見ることができます。


上が始祖鳥、下がペンギンの化石。



始祖鳥のベルリン標本複製はこんな感じ。羽根がきれいな状態で保存されています。


そしてこれがペンギンの化石。実物です。


これがヘスペロルニスの3D骨格標本。



イクチオルニスの3D標本。


標本の横ではペンギンが気持ちよさそうに泳いでいます。


訪れた子どもたちはペンギンと化石を見比べて興奮気味でした。


3つ目の展示ゾーンは1階大水槽前。


大水槽から振り向くと、そこには硬骨魚類の化石などの展示が。


クラドキクルス・フェルスなど、恐竜時代に生きていた硬骨魚類の化石を現在の魚たちが泳ぐ空間に展示されています。


翼竜、ランフォセファルスの複製もありました。


このランフォセファルスはイギリスでジュラ紀の地層から発見されたもの。


鳥と翼竜は似ているが別モノとのこと。


アップで見るとこんな顔です。


19日の公開に向けて現在は準備中のため、イラストレーターさんが黒板にチョークで絵を描いている最中でした。


1階大水槽出口には、魚を食べた大恐竜と古代魚の展示。


これが古代魚「ポリプテルス」の水槽。


ポリプテルスはナポレオン軍将校のエティエンヌ・ジョフロワ・サン・ティレールが発見したもので、水底を這うように泳ぐポリプテルスは魚類から両生類の進化を裏付ける極めて重要な魚と考えられていました。


また、スピノサウルスの胴椎も展示してありました。


全長13~14mもあったスピノサウルスは細長い口先とワニのようにとがった歯で魚を捕まえていたと考えられています。


5つ目の展示ゾーンは海洋ゾーン出口。アンモナイト実物の化石が展示されています。


アンモナイトは貝っぽいですが、貝ではなくイカやタコなどの頭足類の仲間。


これは現在も存在するオウムガイ。オウムガイもアンモナイトの仲間だと考えられていますが、カタツムリなどの貝と違って内部に仕切りがあるのが特徴。


後期白亜紀に存在したプゾシアも貝内部に仕切りがあります。


その他アンモナイトの化石いろいろ。オウムガイとどう違うのか?ということをしっかり観察できます。


どんどん進んでいくと、何やら見えてきました。


交流プラザには新感覚「キネティックサンド」の砂場が設置。国内最大級の7m×2.5mの大きさです。


キネティックサンドは98%の砂と2%の秘密でできており、ぎゅっと握るとすぐに固まって形になるのですが……


手に付かず、力を緩めるとサラサラ……と落ちていくので、汚れず、室内遊びにもピッタリとのこと。


砂場には生き物たちが作られており……


プロジェクターで骨が投写されます。


そして砂場の隣の恐竜プラザには大型恐竜の全身骨格標本を展示。これはトゥオジャンゴサウルス・マルチスピナスで、全長は約5mです。


前から見るとこんな感じ。


体や頭は大きいのですが、植物食なので歯は小さめ。


背中にはトゲトゲ。「マルチスピナス」は「多数のトゲ」を意味しているとのこと。


前肢が短いことから低い位置の植物を食べていたと考えられています。


ライトアップによって背後に大きな影が写っていました。


ステゴザウルス大たい骨も展示してあります。


これは触ってもOK。


トゥオジャンゴサウルス・マルチスピナスの前にはやや小柄なドロマエオサウルス・アルバーテンシスの複製が飾ってあります。


トゥオジャンゴサウルスよりもずっと小さいのですが、鋭くやや大きな歯を持っています。


羽毛が保存された化石が発見されており、鳥類と近縁だと考えられています。羽根のように前肢が長いのが特徴。


そしてフクイサウルス・テトリエンシス複製。


前から見るとこんな感じです。


名前の由来は「福井のトカゲ」ということで、福井県で見つかった日本で初めて全身骨格が復元された恐竜です。


また19日からは夏の新メニューとして、カラフルなマドラーの先にクラゲやペンギンなどのフィギュアがついた「スーベニアマドラー付きドリンク(税込450円)」や「恐竜パン(税込290円)」も発売されます。


「京都水族館に『恐竜』がやって来る!」はただ化石や標本が見られるだけでなく、実際の生き物たちの隣に展示し、さらに分かりやすいイラスト付き解説をつけることで、非常に見る人の想像力をかき立てるようになっていました。なお、展示は9月24日(水)までとなっています。

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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