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砲弾を音速の約7倍の速さで撃ち出すレールガンの世界初艦上実験の実施をアメリカ海軍が発表


電気機器の動作原理となっている電磁誘導の力を用いて物体を撃ち出す装置「レールガン」の開発がアメリカ海軍によって進められており、バージニア州で行われた大陸実験では音速の6~7倍の速度で砲弾を発射することに成功しています。アメリカ海軍は2016年に世界初となるレールガンの艦上での発射実験を実施することを発表し、レールガンの詳細を説明するムービーが公開されています。

Navy to Deploy Electromagnetic Railgun Aboard JHSV
http://www.navy.mil/submit/display.asp?story_id=80055

アメリカ海軍が実戦配備に向けて準備中であるレールガンがどういった武器であるかは、下記のムービーから確認できます。

U.S. Navy unveils high-speed rail gun - YouTube


火薬ではなく電磁誘導の力を用いて発射されるレールガンの砲弾の速度は音速の約7倍になり、ワシントンから200km離れたフィラデルフィアまで3分以内に到達することが可能で、従来の大砲よりも射程距離が長くなります。


海軍研究施設のMatthew Klunder氏は「レールガンはSF映画に登場するような夢の武器ではなく現実のものになりつつあります。レールガンの砲弾はサイズが小さいため、大量輸送が可能です」と話しており、実現すれば火薬を使用した武器は過去の産物になるとのことです。


威力やサイズだけではなく、砲弾のコストの低さもレールガンの長所の1つ。レールガンの砲弾は1発2万5000ドル(約255万円)で、1発50万ドル(約5100万円)から150万ドル(約1億5300万円)するミサイルと比べると破格の値段です。


レールガンは対空兵器として有効であり、巡航ミサイルや大陸間弾道ミサイルの撃墜に威力を発揮。複数のミサイルを同時に撃墜することも、今までよりも低コストで可能になるわけです。


レールガンの開発目標は砲弾速度マッハ7(秒速2382.03メートル)・射程距離160キロメートルで、Klunder氏によれば、砲弾は大気圏にも到達可能。


アメリカ海軍が公開したムービーには、レールガンによって撃ち出された砲弾が3枚の強化コンクリートを貫通する様子が映っています。


こちらはレールガンから発射された砲弾によって穴が開けられた6枚の鉄板。無残な鉄板からはレールガンの威力がうかがえます。


アメリカ海軍は以前から2台のレールガンのプロトタイプで実験を実施しており、2016年に予定されている艦上発射実験に使用するのはイギリスのBAE Systemsが開発したものになります。


艦上発射実験に使用する艦船はJHSVという統合高速輸送船。ただし、将来的にJHSVにレールガンが搭載されるというわけではなく、JHSVには広大な搭載スペースがあるため実験に選ばれました。


アメリカ当局は防衛予算が削減されたことにより、対艦弾道ミサイルシステムの開発に力を入れる中国やロシアに技術開発の面で遅れをとってしまうことを懸念していましたが、レールガンの実験がうまくいけば、その心配も無用となる可能性があります。

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