映画「ハリー・ポッター」で使用されたグリフィンドール談話室やホグワーツのセットなどを見学できる「The Making of Harry Potter」
イギリスの作家J・K・ローリングによる小説「ハリー・ポッターシリーズ」は世界中で大ブームを引き起こし、子どもだけでなく大人にも愛読されるほどの社会現象を引き起こしました。ワーナー・ブラザーズが映画化した同作のシリーズも大きなヒットを記録し、2014年後半には大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に「ホグワーツ魔法魔術学校」を再現したアトラクションがオープン予定です。
ハリー・ポッターシリーズの映画が撮影されたイギリスにあるワーナー・ブラザーズのリーブスデン・スタジオでは、実際の撮影セットや大道具や小道具、衣装などを見学できる「Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter」を毎日実施中で、映画に登場したグリフィンドール談話室や大食堂などを見られるとのことなので、実際に行ってきました。
Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter
http://www.wbstudiotour.co.uk/
The Making of Harry Potterを実施しているリーブスデン・スタジオに行くには、ロンドンの中心部にあるEuston駅から鉄道でWatford Junction駅に向かいます。
駅構内に設置された電光掲示板で、Watford Junction駅に向かう電車がどのプラットホームから出発するのか確認。
なお、イギリスでは電車の行き先によってプラットホームが決められておらず、電車がどのプラットホームから出発するのかは、出発時間の少し前に発表されるので、電光掲示板の前で人が待っている、という光景はおなじみになっています。
こちらがWatford Junction駅に向かう電車。
電車とプラットホームの間には、広すぎるほどの隙間が空いているので注意して乗車します。
電車内はこんな感じ。
ロンドンから電車に乗って約20分でWatford Junction駅に到着しました。
駅を出たら左に向かってテクテク。
リーブスデン・スタジオ行き専用のバスを発見。
バスは外観がハリー・ポッターの世界にデザインされた特別仕様。
バスに乗って15分ほどでリーブスデン・スタジオに到着しました。
スタジオの前には、ハリー・ポッターと賢者の石に登場した巨大チェスが展示されています。
実際の映画に使用されたという巨大チェスには返り血の跡。
「Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter」に参加するには公式サイトから予約する必要があり、当日チケットは一切販売されていません。予約の際に受け取ったEメールをプリントアウトし、スタジオ横にある「TICKETS」で入場券に交換できます。なお、チケットは16歳以上が30ポンド(約5000円)、15歳以下が22.50ポンド(約3800円)です。
ヘドウィグがプリントされた入場券。
早速入口から入場します。
入場するとこんな感じで、壁にはハリー・ポッターの出演者のポートレートが展示されています。
左からロン・ウィーズリーを演じたルパート・グリント・ハリー・ポッターを演じたダニエル・ラドクリフ・ハーマイオニー・グレンジャーのエマ・ワトソンの写真。
デジタルガイドや、荷物を預けられるクロークもあります。
クロークの上には、ドラコ・マルフォイを演じたトム・フェルトンの写真と空飛ぶ車のモデルが展示されています。
入口の隣にはカフェもあります。
カフェに展示されていたケンブリッジ公爵夫人のキャサリン妃とウィリアム王子が魔法の杖を掲げている写真。
予約時に指定した時間になったらエントランスからスタジオ内部に入場します。
入場する前にはハリー・ポッターが住んでいたダーズリー家の「階段下の部屋」が展示されていました。
階段下の部屋は、映画で実際に使用されたものとのことです。
スタジオ内に入場すると、まず始めにスタッフからThe Making of Harry Potterについての説明があり、特別ムービーを見てからツアーが開始されるとのこと。
特別ムービーを見終えたらスクリーンが上がって巨大な扉が登場。
この日誕生日を迎えた男性が、ツアー客を代表して扉をオープン。
扉を開けると、ホグワーツ魔法魔術学校の大食堂が現われました。
ホグワーツの生徒が食事をとっていたテーブル。
展示されているポットや食器などの全ては映画のために制作されたものとのことです。
大食堂には各寮の制服も展示されており、こちらはハッフルパフのもの。
レイブンクローの制服。
グリフィンドールの制服。
ホグワーツの先生たちのコスチュームも展示されています。ガイドの男性によると、スネイプ先生の服は映画内では黒色に見えますが、実際のコスチュームは紺色で制作されたとのこと。これは、立体感を出すために黒色ではなく紺色を使用したそうです。
大食堂のセットを出ると、ここから先は自由行動になります。
大きなホールのような場所を歩いていると、まず目に飛び込んできたのが、ハリー・ポッターと炎のゴブレットのクリスマスのダンスパーティーの場面に登場したオブジェです。
こちらは映画で使用されたカツラの数々。
実際に使用された衣装も展示されています。
巨大なホグワーツの門。
人が集まっている円形のセットの中は……
ハリー・ポッターたちが寝泊まりしていた寮の寝室になっていました。
こちらはハリー・ポッターのベッドで、ベッドの下にはHPの名前が入ったトランクがあります。
ハリーやロンが実際に寝泊まりしていたと思うと胸が熱くなります。
「みぞの鏡」と寮の入口を守る「太った婦人」の絵画。
ハリー・ポッターの登場人物の杖。
こちらは談話室のセット。
ハリーやロンが3年生の時に着ていた衣装が談話室内に展示されています。
こちらは6年生の時の衣装で、透明マントをかぶっています。
ダンブルドアの校長室の入口にあるガーゴイル像。
ハリー・ポッターと炎のゴブレットで開催された三大魔法学校対抗試合に登場した金の卵。その後ろにあるのはトロフィーです
映画では何万個もの大道具と小道具が制作されていて、その全てが展示されています。
スニッチや賢者の石など重要なアイテムの数々。
ひときわ大きなセットは……
校長室のセットで、ダンブルドアの衣装も展示されています。
魔法薬学の授業が行われた教室。
授業の風景がよみがえってくるようです。
スネイプ先生もたっていました。
魔法薬学の教室の様子は下記のムービーから確認できます。
魔法薬学の教室の様子 - YouTube
ホグワーツ内に飾られていた多くのポートレートは、映画のように動いてはいませんでした。
ハグリッドが住んでいた小屋。
中はこんな感じで、ハグリッドが飼っていたファングまでいます。
ハリー・ポッターと秘密の部屋に登場した、7匹のヘビがおどろおどろしい巨大な扉。
こちらのスペースでは映画で使用されたVFXの技術を紹介していました。
CG処理される後と前の映像を見ることができます。
杖を使って記念撮影できるスペースもありました。
ウィーズリー家のダイニングルーム。
魔法を使って家事を行っていた映画と同様に、包丁やたわしが動いていました。
ウィーズリー家のダイニングルームのセットは下記のムービーから確認できます。
ウィーズリー家のダイニングルーム - YouTube
ヴォルデモートと、闇の魔法使いたちの衣装。
ヴォルデモート
ルシウス・マルフォイ
ベラトリックス・レストレンジ
こちらはホグワーツ高等尋問官として魔法省からやってきたドローレス・アンブリッジの部屋。
ドローレス・アンブリッジの部屋はピンク色に輝いています。
壁には猫がいっぱい。
ショーケースにズラーッと並べられているのは、映画で使用された小道具。
忍びの地図や……
手紙、新聞などは細部にまで制作者のこだわりが感じられます。総合プロデューサーのデイビッド・ヘイマン氏によると、J・K・ローリング氏の世界をできる限り正確に再現するために、小道具までこだわりぬいたとのこと。
百味ビーンズや……
蛙チョコレートも展示されています。
約1時間ほどで大きなホールの見学を終了。経路に従い外に出てみると……
「夜の騎士バス」などが展示されている広場が出てきます。
夜の騎士バスはこんな感じで、細くなることはありません。
夜の騎士バスの後部は、実際に入って記念撮影をできるようになっています。
広場にはバタービールを販売しているお店もあります。
バタービールはカップの小さいものからそれぞれ2.95ポンド(約500円)・4.95ポンド(約835円)・6.95ポンド(約1170円)。
バタービールを実際に購入して飲んでみると、ビールの味は一切せず、甘いバター風味で子どもでも飲めます。
ヴォルデモートの父親のお墓の下でくつろぐ人たち。
展示されている空飛ぶ車は中に入って記念撮影も可能。
ダーズリー一家の住む家のセット。
ホグワーツの回廊も展示されています。
外の展示物を一通り見学したら、再び屋内に入っていきます。
こちらでは映画で使用された特殊メイクのモデルを見学可能。
今にも話し始めそうなくらいリアルな頭部のモデル。
ダンブルドアが飼っていた不死鳥。
ハリーに魔法をかけられ風船になってしまったマージョリー・ダーズリーが天井からつるされています。
魔法生物飼育学で使用された「怪物的な怪物の本」は実際に動いていました。背表紙をなでることはできません。
「怪物的な怪物の本」が実際に動いている様子は下記のムービーから確認できます。
「怪物的な怪物の本」が実際に動いている様子 - YouTube
眠るように直立しているドビー。
天井からぶら下がっている吸魂鬼。
バジリスクの頭部は迫力満点です。
さらに奥に進んで行くと、何やら街のセットが見えてきました。
こちらはダイアゴン横町のセット。
ハリーが杖を購入したオリバンダーの店や……
いたずら用品専門店のウィーズリー・ウィザード・ウィーズがあり、映画の中にいるような錯覚に陥ります。
ウィーズリー・ウィザード・ウィーズに展示されていたゲーゲー・トローチの置物。
ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店内はこんな感じです。
ダイアゴン横町を抜けると、設計図が壁一面に貼ってある部屋に出ます。
映画内で使用されたセットや大道具、小道具などは綿密にデザインされているとのこと。
大きいモノから小さなモノまで、細かく設計されているのには感心するしかありませんでした。
経路通りに進んでいると、巨大なホグワーツの模型が展示されている部屋に出てきました。
セットが大きすぎるため、周囲をグルッと歩きながら下に向かって見学していきます。
ホグワーツのセットを見ていると、映画内のさまざまなシーンが思い出されます。
見学途中では、ホグワーツのセットが映画内でどのように使用されたかを紹介するムービーを見ることができます。ホグワーツのセットの映像が加工されていく様子は必見。
ホグワーツのセットの映像がVFX技術によって加工されていく様子は下記のムービーから確認出来ます。
ホグワーツのセットの映像がVFX技術によって加工されていく様子 - YouTube
外に展示されていた回廊もありました。
巨大セットの裏側。
記念撮影する人も大勢います。
ツアーの最後には、オリバンダーの杖屋を再現した部屋に、映画制作に関わった全ての人の名前が入った杖の箱が展示されています。
主演のダニエル・ラドクリフの名前もありました。
ツアーが終わるとお土産屋さんに出てきます。
ロンのお母さんが編んだセーターは各69.95ポンド(約1万2000円)
お土産屋さんでは登場人物の杖のモデルも購入できます。
ハリーの杖や……
ヴォルデモートの杖は各24.50ポンド(約4150円)で販売されています。
「Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter」は短くても約2時間、じっくり見て回ると4時間前後かかりますが、映画に使用されたセットや大道具などは世界でもここでしか見ることができないので、満足度はかなり高めです。ハリー・ポッターの映画を一度でも見たことのある人なら誰でも興奮し、感動すること間違いなしです。
◆おまけ
ロンドンの中心部にあるキングス・クロス駅には、ハリー・ポッターの小説や映画に登場した、9と3/4番線の標識と、壁に半分めり込んでいる荷物カートが展示されていて、誰でも自由に記念撮影できるようになっています。
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