アルゼンチンの大草原に生きるアルマジロがキモかわいい
近づくと茂みに逃げてしまったアルマジロ。しばらく様子を観察していると、餌を探しに出てきました。鼻で地面を掘って一生懸命なのはいいのですが、周りが見えていないようで、足元にまでやって来る始末。野生動物というのに危機感が足りていません。かわいい顔をしているのですが、巨大なダンゴムシのようにも見えてキモい。パタゴニアの大草原に彼らは生活していました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。延々と広がる大草原の中で、ちょこまかと動き回っていたアルマジロを撮ってきました。パタゴニアのアルゼンチンサイド「ルート40(ルタ・クワレンタ)」は聞きしに勝る強風が吹いています。
アルマジロがいたのは、アルゼンチン内のルート40という道
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◆ルート40
チリのプエルト・モンからコジャイケ(Coyhaique)まで走ると、そのままチリを南下するか、アルゼンチンに出るか2つの選択肢が出てきます。チリルートは新しく道ができたことから最近のチャリダーに人気で、オイギンス村(Villa O'Higgins)まで南下して船とトレッキングでアルゼンチンに入国という行程。南北に長いチリですが、南部では道が繋がっていません。ただ自分は憧れのチャリダーの背中を追いかけていたこともあって、アルゼンチンルートを選びました。
アルゼンチンとの国境にあるブエノスアイレス湖(Lago Buenos Aires)を通過。
プエルト・イバニェス(Puerto Ibanez)というマイナーな国境を越えて行きました。
美しいエメラルドグリーンの色に変わったブエノスアイレス湖。
いつにないワイルドな走行。
荒れた道だったので、62kmしか走れなくて、町に到着できなかったり。
チリのコジャイケから4日でアルゼンチンのペリト・モレノ(Perito Moreno)という町に到着します。ここでアルゼンチン西部を南北に貫くルート40に合流。ここは先住民によって無数の手形などが描かれた「手の洞窟」という世界遺産への拠点でしたが、自分は先を急いでいたので、止まらずに買い出しだけして先に進みました。
町の入口。
郊外にある立派なスーパーマーケット。
無人区間を走破するために、たんまりと買い込んだ食料。
ペリト・モレノからはパタゴニアの強風に悩まされました。真っ直ぐな道を走っているのに、車体を傾けていないと、道路の外側に弾き飛ばれたり、そうでなければハンドルをくるりと曲げて、自転車を一回転させられたりします。標識もプルプルと震えるくらいの強風で、自転車も両足を着いていないと倒されそう。向かい風となると40kmに7時間かかったり、終わらないので夜の11時まで走ったり、未舗装とのコンボで押して歩くことも。「明日は明日の風が吹く」と切り替えていきたいのですが「明日も風が吹くのか」と気付いて一人萎えていました。風はたいてい西から東に吹いています。
強風に注意の看板。ただし辺りには草原しかなく、木は生えていません。
分かりにくいですが、吹きすさぶ風で衣服が体に密着しています。
パンパ(大草原)の夕暮れ。雨の多かったチリ走行に比べると、天気が安定していたのには救われました。
ペリト・モレノの南約125kmにあるのが、バホ・カラコレス(Bajo Caracoles)の集落。商店もあるので、食料と水の補給も可能です。
旅行者が貼っていたステッカーが印象的だったガソリンスタンド。
バホ・カラコレスから約340km南のトレス・ラゴス(Tres Lagos)まで集落がありません。間に2軒のホテルはあったのですが、かなり長い無人区間です。
一直線の道に自分しかいない予感。
乾いた景色の中で姿を現したカルディエル湖(Lago Cardiel)は宝石のように輝いていました。
昔と違ってほぼ舗装されているのですが、未だに一部区間は未舗装。積み重なった振動が原因なのか、スポークがゆるゆるになるというトラブルが発生。
道路の下の排水路でドブネズミのように眠ります。ここくらいしか風を防げそうな場所が見つからないのです。
道路工事の人たちから嬉しい差し入れ。ようやく町に到着する日で、昼飯も乏しかったので助かりました。
そうして、たどり着いたトレス・ラゴスの町で文明社会に復帰。
トレス・ラゴスでは、キャンプ場に宿泊。熱々のシャワーで汗を流して、汚れた衣服を全部洗濯し、商店で食料を買い込んで生き返りました。
昔は未舗装が多かったと聞くルート40ですが、ペリト・モレノの町からゴベルナドル・グレゴレス(Gobernador Gregores)の町までは舗装が伸びています。ただしゴベルナドル・グレゴレスは寄り道となるので、まっすぐに南下していたら未舗装区間を走る必要があり。トレス・ラゴスからも舗装工事は進んでいるので、近いうちにゴベルナドル・グレゴレス経由ならルート40は完全舗装となるでしょう。昔に比べると絶対に走りやすいはずなのに、暴君のような強風には心が折れそうでした。ここが未舗装だった時代に走りきったチャリダーたちの偉大さは計り知れません。トレス・ラゴスからペリト・モレノ氷河やフィッツロの拠点となるエル・カラファテ(El Calafate)までも全舗装となっています。
この区間では道路脇のフェンスをジャンプで軽々と乗り越えて、走り去ってしまうグアナコや……
ダチョウを小さくしたようなニャンドゥという美味しそうな飛べない鳥がいました。
◆アルマジロ
こうした走行の中で、道路を横切ろうとするアルマジロを発見。
近づくと逃げ出しました。
斜面を駆け下りて……
茂みに隠れてしまいます。
ぱっちりとしたかわいいお目目。
ムービーで撮影してみました。
茂みに隠れたかわいらしいアルマジロ - YouTube
しばらく観察していると、外に出てきました。
鼻先を地面に付けて、餌となる昆虫などを探している様子。
これが巨大なダンゴムシにも見えるからキモい。
殻から無造作に生えた体毛も不気味です。
でも、ちんちくりんとした姿にはかわいらしさを感じることも。
ちょこまかと動き回っていました。
アルマジロにも種類があるようで、自分が見つけたものは丸まることがありませんでした。もともと南米の生き物らしく、今年開催されるブラジルのワールドカップのマスコットキャラにも採用されています。
正面からの姿。
背後からの姿。
真横からの姿。
斜め角度から。
餌に夢中で周りは見えていないのか、どんどんと近づいてきます。
かなり接近。
すぐ足元にまで。
こんな感じで近づいてきました。
周りが見えていなくて足元にまで近づいてくるアルマジロ - YouTube
近付くだけ近づいたら、自分がいることに気付いて離れていきます。
しばらく観察していたのですが、自分の存在なんてお構いなしに一心不乱に地面を掘って回っていました。人懐っこい生き物と言われていますが、あんまりにも簡単に捕まりそうで心配になるほど。走行中には何度か、こうしたアルマジロの姿を見ることができました。
強風にアルマジロと、パタゴニア走行を十二分に堪能してきました。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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in 取材, 生き物, 動画, Posted by logc_nt
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