道路横断中のナマケモノを発見し「無防備すぎて襲われてしまう」ことに納得
そのナマケモノは死にかけたように、這いつくばっていました。とはいっても、ただ単に動作が遅いだけで、傷一つない健康体。近付いても逃げるどころか、逆に笑顔で返されました。その無防備な姿はあまりに隙だらけで、自分ですら襲いたくなるレベル。実際にオウギワシの格好の餌となっているそうです。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。ペルーで偶然にもナマケモノの姿を捕らえることができました。見つめあうナマケモノと“怠けもの”。まったく期待もしていなかったのですが、こうした発見があるので自転車旅行は止められません。
◆ペルーのアマゾン
エクアドルからアンデスルートでペルーに入国して、最初の都市ハエン(Jaen)に到着。ここからアンデスを飛び越えてアマゾンに向かうことにしました。この機会を逃したらアマゾンを走ることなんてなさそうですし、上手く道が繋がっているのも魅力でした。一緒に走っていた「自転車でゆく!地球一周旅日記@」の染谷裕太君はチャチャポヤス(Chachapoyas)、カハマルカ(Cajamarca)とアンデス山中を突き進むのでペアランは解消。ハエンからペルー内陸のタラポト(Tarapoto)を目指します。
距離標識が出現。ハエンからタラポトまで約450kmを走りました。
同じ標高が上がるにしても、川沿いの道は傾斜が緩くて助かります。
標高700mのハエンから約2350mの峠までアップ。高原には湖もありました。
約30km位高原をうろうろとして、ようやくのダウンヒル。
大きな峠は新しい世界への入り口でした。セルバと呼ばれるアマゾン地域に入ります。
距離があったので、夕暮れ時にタラポトに到着しました。
タラポトの中心プラサデアルマス。
タラポトからはワヤガ川(Rio Huallaga)を遡ってアンデス山中のワヌコ(Huanuco)まで道が続いています。椰子の木、バナナ、パパイヤ、サトウキビといった熱帯の景色。
標高250m付近のワヤガ川の水は茶色く濁っています。ここからアマゾン川に合流して大西洋に注ぐのって凄いですよね。
全部アスファルトではなく二箇所で工事があり、約50kmがオフロードでした。タラポト~ワヌコの約600kmが全舗装になる日も近そうです。
カンパニージャ(Campanilla)という小さな村で1泊。
自転車も荷物も十分に入る1泊10ソル(約370円)の部屋。
標高を500m付近まで上げて、ワヤガ川の水もだいぶ綺麗です。
◆ナマケモノを発見
トカチェ(Tocache)という町を出て、いつも通り走っていると前方のアスファルトの上で、何かゴソゴソしてました。野生動物ならもっと素早い動きをするはず……。だとしたら、野良犬が車に轢かれでもして、息絶え絶えで移動しているのか。それとも、宇宙人でも現れたのか。見たことの無い動作に、恐怖心を煽られましたが、近づいてみるとひと安心。ナマケモノが道路を横断しているだけでした。
うずくまった姿でゴソゴソとしていたナマケモノ。
本人はきっと一生懸命。
動きがゆっくりなので、発見してからムービー撮影を開始してもじゅうぶん間に合いました。
道路を横断するナマケモノは隙だらけ - YouTube
匍匐前進でもしているようです。
正面に回りこんで。
斜めからのアングルで。こっちを気にしています。
ハラハラしたけれど、無事に道路を横断しました。
モフモフしていてあら可愛い。
道路を渡り終えたナマケモノは森へと帰っていきました。
森に帰っていくナマケモノ - YouTube
すぐに木登りを始めたナマケモノ。
地面での姿は頼りながったですが、森の中では貫禄がありますね。ただ、森でも基本はのんびりとしていますが。
次の枝を物色中。
爪でしっかりと枝をはさんで、飄々と上っていってました。
拡大。
ノンビリとしたナマケモノを見ていると、生きるってもっと自由でいい気がしました。「怠け者」から名前を付けられたって、命を繋いで生きてきたのですから。生涯のほとんどを木の上で過ごすというナマケモノを、これ程までに近くで観察できた偶然に感謝です。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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