取材

アルパカの群れと出会ったペルー山岳地帯は標高4000m超で寒さが身に染みた


夜は毛布を4枚重ねて就寝、朝には車に霜が降りていてダウンジャケットを取り出す必要がありました。つい先日までアマゾンで水シャワーを浴びていたのに、山岳地帯に入ると気候が一変します。標高4000mを越える高原の町では、帽子にマフラーで防寒に身を固めて、普通に生活している人たちが居ました。ペルーは広すぎます。これまでの人生で最高となる標高4818mの峠も越えました。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。アフリカより日本の夏の方がジメジメとしていて、昨年の一時帰国中には参っていました。今年も8月後半まで暑さが続くということなので、チャリダーマンから日本の皆様への暑中お見舞いとして、昨年の青海湖富士山の記事に引き続いて、今年も暑い夏を涼しくしてくれる景色をお届けします。ペルーには天国に近い場所がありました。

◆標高4000mを越える高原地帯
ナマケモノが道路を横断したペルーのアマゾン地帯から標高2662mの峠を一つ越えると、気候が一変して乾燥した景色となりました。そのままワヌコ県の県都であるワヌコ(Huanuco)に入ります。渓谷の合間を縫うようにして発展したワヌコの街は迫力満点でした。

緑の多かったペルーのアマゾン


峠を一つ越えたら乾燥地帯


谷間に広がるワヌコの町


変わった形をしたワヌコのカテドラル(大聖堂)


狭い土地にビルが並んでゴチャゴチャとしていた繁華街


標高約1900mのワヌコを出発してから標高4381mの峠まで、上りが115kmほど続きました。峠を越えたあとはダウンヒルを期待していたのに、標高4100mの高原に落ち着いてしまい、「この先は寒くなるぞ」と地元の人が言っていたのに納得です。こんな所にも町があって、高校生が普通に通学していました。長い首を伸ばしてムシャムシャと草を食べるアルパカも、たくさん飼育されています。約70kmの高原地帯を走った後に約35kmのダウンヒルで、約4200mから約3700mのラ・オロヤ(La Oroya)まで標高を落としました。

変な所に町がある!


標高約3400mのカハマルキーヤ(Cajamarquilla)の安宿


アマゾン川に合流するワヤガ川も上流になると、ここまで細くなりました。


子どもたちもしっかり防寒


ペルーアンデスの人たち


グイグイと上っていきます


空へと近づいて。


峠の頂上付近


アルパカの群れ


ペルーの山岳地帯でアルパカの群れに遭遇 - YouTube


こいつはリャマでしょうか、アルパカでしょうか。区別がつきません……。


標高4000mを越えたというのに、平坦な高原が広がっているなんて、全くの想定外でした。


標高約4100mのカルアマヨ(Carhuamayo)の町に宿泊。この寒さはまずいと、帽子と手袋を入手。


朝に降りていた霜


空を飛ぶように、高原を走ります。


高原に広がるフニン(Junin)という町


草原と自転車


雲が近い場所でした


ビクーニャも元気に走り回っています


川に沿っての下り坂


アンデス山脈の活動の活発さが分かる褶曲した地層


青すぎる空に乾いた景色がまぶしかった鉱業都市ラ・オロヤ


◆標高4818mの峠
ラ・オロヤからアンデスを進むとフニン県の県都ワンカヨ(Huancayo)に、海岸へ向かって峠を越えると首都リマ(Lima)に到着します。セルバ(アマゾン)、シエラ(アンデス)と走ってきて、更にペルーを知るためにコスタ(海岸)となるリマに向かうことにしました。この旅で一番となる標高4818mの峠を踏破。チベット鉄道が開通するまでは、この峠を通る鉄道が「世界で一番高い所を走る鉄道」でした。

地図には表示されなかった資源開発の町


標高約4500mのモロコチャ(Morococha)も鉱山の町だそうです


この町にも安宿があったのはいいですが……


平地なら10ソル(約370円)レベルでも、高地だと25ソル(約925円)もする部屋に。


モロコチャのバス停は鉱山ヘルメット


モロコチャを過ぎると、雪山が姿を表しました。


雪山の麓にあるウアクラコチャ湖


水面は鏡張りのよう


透き通るほどの透明度でした


更に標高を上げ、ウアクラコチャ湖を一望。


迫り来る雪山


標高5000mを越える山頂


そして、4818mの峠に到着しました。


見上げた空


別の看板


「Volcan」って、どこかに火山でもあるのでしょうか。


峠の茶屋と立ち止まる大型車


この標高4818mから標高525mまで、120kmの距離を一気に下りました。これほど長いダウンヒルも初めてです。だからといって油断できないのがペルーの路面状況と交通マナー。自転車はトラックに敵いませんので、すぐに追い抜いてもらって、安全第一で下りきりました。

頂上付近は天空の箱庭


雪山を後にして、一気に下ります。


谷間に架かる鉄橋を潜り抜け……


ペルーお馴染みの全面通行止めと思ったら、普通にがけ崩れの復旧工事をしていました。


こんなに細い谷間を下ることも


しばらく下ると緑が豊かに


どこまでもどこまでも、下っていってました。


リマが近づくに連れて乾燥しだして、禿山ばかりに。


そして、無事にリマに到着しました。海岸まで下りてきたのですが、マチュピチュは外せないのでまたアンデスに突入する予定。どこまで上るのかが今から楽しみだったりします。ペルーも暑かったり寒かったりと変化が激しいですが、自分も体調には気をつけて走っていきます。皆さんも熱中症にならないよう、くれぐれも体には気をつけてください。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   生き物, Posted by logc_nt

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