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Twitterの誕生から数々の友情・権力争い・裏切りなど信じがたい大騒動を描いたノンフィクション「Hatching Twitter」とは?

By Andreas Eldh

2006年にサービスを開始し、その後はSNSサービスの代表格にまで成長したTwitterのカオスな創業ストーリーを描いたノンフィクションの書籍「Hatching Twitter」が本国アメリカでは好評を得ていますが、カナダのLionsgate社がテレビドラマ化に向けての権利を取得したことが判明しました。

LIONSGATE Press Releases
http://www.lionsgate.com/corporate/press-releases/1559/


Nick Bilton Hatching Twitter the TV Show... >> Nick Bilton
http://www.nickbilton.com/2013/12/18/hatching-twitter-tv-show/

今回の製作オプション権を取得したLionsgate社は映画作品やテレビドラマを制作する映画製作会社で、2004年に第1作が公開された「ソウ」シリーズや、シルヴェスター・スタローンが監督・脚本・主演の「エクスペンダブルズ」などをヒットさせています。今回のテレビドラマ化では、脚本とプロデューサーに作品の原作者であるニック・ビルトン氏を、エグゼクティブ・プロデューサーには、12月27日に公開される映画「ハンガー・ゲーム2」には製作総指揮として携わっているアリソン・シェアマー氏を迎える体制がとられています。

シェアマー氏は「テレビドラマ『Hatching Twitter』は、これまでのテレビドラマでは採られてこなかった手法で映像化されることになるでしょう」とし、「Facebookのサクセスストーリーを描いた『ソーシャル・ネットワーク』は映画としてパーフェクトな作品でしたが、ドラマ作品『Hatching Twitter』ではより長い時間をかけて、人々のコミュニケーション方法を変えた企業を作り上げた人たちのワークライフの変化や駆け引き、そして自己犠牲というものを描くことになるでしょう」と作品の魅力を語っています。また、脚本を担当するビルトン氏は「権力や裏切り、そしてシリコンバレーに渦巻く巨額の金のストーリーのドラマ化にあたり、とても興奮しています。『Hatching Twitter』はテクノロジー社会の中で友情を追い求める人たちに、世代を通じて訴えかけることになると思います」と語っています。


エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーン、ジャック・ドーシー、ノア・グラスの4名の友人から始まったTwitterのサクセスストーリーの裏には、数々の友情物語と争い、権力の争奪と裏切りなどが隠されており、原作となった「Hatching Twitter」はニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙などのランキングでも上位に挙げられている作品です。

Amazon.co.jp: Hatching Twitter eBook: Nick Bilton: Kindleストア


Amazonのレビュー欄でも、数々のコメントが寄せられています。

著者は長時間をかけて共同創業者の4人全員や従業員、そして競合相手への取材を行っただけでなく、Twitterに対して事実確認を求めてからこの作品を書き上げている。最初の章ではまず4人の異なる創業者たちについて描き、それに続く彼らの友人や協力者、競争相手についての詳細はどの部分も物語の一部として欠かせないストーリーを物語っています。そして裏切り。皮肉にも、人々を結びつけるというTwitterの趣旨に反して、4人をバラバラにして行く組織や数々の陰謀。

といったものや、

この本はAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏についての書籍「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」に匹敵するものだ。著者は膨大な取材を通じて、影響力を持つ企業の隠されたストーリーを見事に描き出しています。

という賛辞の声が寄せられています。

日本でのレビューとしては以下のブログのエントリーが非常に分かりやすいです。

Hatching Twitter by NickBilton - 基本読書

GoogleもFacebookも、どちらもCEOを安定させるのに苦労している。ただ最終的には舵取りは中心となっていた開発者、発案者がとるようになっていく。いずれひくことになるが、それでも安定化させ、自身もそれ相応の立ち位置に落ち着くパターンだ。Twitter社の場合はこれがひどくて、何度もCEOをすげ替えた挙句、社内で内紛が起き、かつて会社の中心に居た人間が何人も追い出されていく。

そのまま去っていく者がいれば、いつまでも執着し最終的に会社へと復帰し自分を追い出した張本人を逆に叩きだす執念を持ったヤツまでいる。追い出されたCEOがその途端にTwitter社の情報をザッカーバーグに漏らす場面などもあるが、完全に悪役のソレである。本当に現実の話なのか著者を疑いたくなるような物語性だ。最終的に起業者であり資金の出資者であるエヴァン・ウィリアムズ(以下Ev)まで追い出されるんだからこの内紛の激しさもわかろうというものだろう。

仮に能力がずば抜けていて、いなければならない人物であれば追い出されることもなかったのだろうが、自身の知人を何人も採用し重要な役職につけるようなあからさまな縁故採用を続けたことによって、役員会議の決定で追い出されてしまうのだ。まあ、そりゃしょうがねーよと思わないでもない。追い出し追い出され、恨み恨まれの連続で、やっていることはまるで子供だが、物語的な面白さとしては申し分がない。

主役級だけが面白いのではなく、脇役も魅力的だ。途中EvにCEOとしての修行と称して仕えるCampbellという老人が出てくる。彼はエリック・シュミット、ラリーページのGoogleの立役者二人の指導者であり、あのジョブズも彼に師事しているというシリコンバレーの伝説的人物だ。Evも最初はしぶしぶだったのだが最終的には週一のミーティングを受け入れ、彼の指示を受け入れていく(あんまり聞かないんだが)。で、最終的にEvはCampbellにまで裏切られる(これもまたドロドロしていて笑える)。

なお、日本は世界の中でもTwitterユーザーが極めて多い国なのですが、現時点では日本での公開予定は不明であり、原作の書籍も日本語訳版がいつどこから出るのか未定です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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