取材

ペルーでチャリダーマンが出会った数々の思い出まとめ


入国の際に150日の滞在許可をもらって挑んだペルー。日本の3倍の国土を持つ国を、7月17日から10月9日まで84泊かけて約3554.05kmを走りきりました。41か所の安宿に泊まり、4泊は荒野でキャンプ、2泊は店先にテントといった内訳。食堂に出されたスプーンやフォークを紙ナプキンでゴシゴシ、アバンカイやタクナといった街の通りがペルーの都市名、夕暮れ時には必ず放映されているチーム対抗のバラエティ番組と、ペルー生活に理解も深めて、一日に一度は「マサモラ・モラーダ」という紫とうもろこしのゼリーを食べないと落ち着かない程にペルー化してしまいました。

こんにちは、ボリビアに入っている自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。最初はあたふたしたペルーですが、滞在が長くなるにつれて、どこに何があって幾らかが把握できるようになり、出国するときは名残惜しいほどでした。今回は思い出深い国の一つとなったペルーの旅をまとめてみました。ナスカの地上絵やマチュピチュの観光に、ナマケモノやアルパカも道路を横断しました。

ペルーはこのような感じで走りました。

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◆ペルーの旅
エクアドルからペルー国境まで自転車旅行者狙いの強盗を回避するためアンデスの山々を走破」に書いたとおり、海岸地帯のピウラ(Piura)~チクラヨ(Chiclayo)~トルヒーヨ(Trujillo)は物騒なので、アンデス山脈を縦断してペルーに入国。


すぐに内陸に針路を取って緑豊かなセルバ(アマゾン)と呼ばれる地帯を走りました。ペルーの国土はコスタ(海岸)、シエラ(アンデス山脈)、セルバ(アマゾン)と大まかに3つの区分に分けられます。


道路横断中のナマケモノを発見し『無防備すぎて襲われてしまう』ことに納得」、偶然にもナマケモノに遭遇。


バイクタクシーが庶民の足となるペルーの日常は「『ジュースが袋』『バイクが多い』『停電する』といった途上国あるあるをまとめてみた」という記事でも紹介しています。


商店の店先でウトウトしている猫


乾いた渓谷の底にあるワヌコの町。シエラ(アンデス)に入って標高1880mの場所です。


アルパカの群れと出会ったペルー山岳地帯は標高4000m超で寒さが身に染みた」の中で、これまでの旅で最高地点となる標高4818mの峠を越えました。コスタ(海岸)になる首都リマまでは、120kmと長い長いダウンヒル。


華やかな首都リマの中心


日本とも関わりの深いペルーで注意したい格差と治安について」のように、貧富の差から治安が心配な場所もありましたが……。


公園で家族でワイワイと過ごす日常は微笑ましく、日本にあった一昔前の景色と重なりました。


公園に設けられたサッカーコート


大きなチェスの駒で対戦中


リマの中心部で運行されているバス・ラピッド・トランジット(BRT)の路線バスは、専用道路なので渋滞にも捕まらず快適でした。


招き猫とエケコ人形で幸せを呼び込む食堂


リマを出るとナスカまでは海岸沿いですが、乾燥しているので寂しい景色が続きます。


ペルーのナスカの地上絵はセスナからどう見えるのか」、空も飛んで地上絵を拝んできました。


海に近いナスカからアンデスを越えるには約4150mの峠頂上まで98kmも上りが続きます。ペルーの主要道は峠は九十九折で勾配も緩やかとなっていたので、上りといえど楽しくありました。コロンビア、エクアドルは3000m級でしたが、ペルーになると4000m級の峠が普通に出てきます。


登坂中の食堂で飼われていた羊


4000mを越えると高原が広がって、野生のビクーニャが駆け回っていました。


澄み切った青い空


一つ峠を越えた約3200mのプーキオという町のセントロ。ここからもう一度4000mを越えないといけません。


このあたりの牛さんは、お洒落をしていて可愛い。


吸い込まれそうになった神秘的な星空。見上げた宇宙に全てが詰まっているようで、生も死も受け入れられそうでした。


星空を撮った時の寝床は、標高4000mを越えています。


高原の集落で貴重な干草をムシャムシャしていて、子どもたちに追っ払われていたアルパカの一味。


一日走っても高原からは抜け出せず、約4500mの場所にテントを張りました。


米粒のように見える全てがアルパカです


アルパカが道路を横断中


道路を横断するアルパカ - YouTube


ちなみに、毛を刈られたアルパカは、こんな感じになります


標高4000mの高原から一度降りたアバンカイの町。見上げた山の頂上付近に切れ目が見えるのですが……


やっぱり上りました。眼下に広がるアバンカイの町。


雪を被っていたクスコ手前の山群


インカ帝国の首都だったクスコの街に架かった虹


夜景も素敵な街でした


市場で頼んだフルーツパフェ


クスコでは可愛らしいアルパカのキーホルダーもゲット


マチュピチュを十分に楽しむにはお金と時間が必要ということを実感」と苦労しましたが、マチュピチュにも行ってきました。


ペルーでバレーボールの人気は高く、各地で遊ばれていました。調べてみるとバレーボールペルー女子代表が強いようで、南米選手権の優勝回数はブラジルと肩を並べる程です。1960年代には日本人の加藤明氏が監督として、メキシコ五輪4位入賞という結果を残しています。


2009年からダカールラリーが、南米で行われていて、ペルーもコースに含まれている年もあり、車やバイクにこうしたステッカーが張られていました。


汗ばむ男が働いている道路工事中の看板


女性トイレのシンボルマークに爆笑


ペルーの洗車は水着姿の美女の看板がトレードマーク。実際に洗車しているのは、普通のおばちゃんなんですけどね。ペルーでは何かとセクシーな美女が目立っていました。落ち着いたおばぁちゃんが切り盛りする食堂に、おっぱい丸出しのヌードカレンダーが飾ってあったり。


クスコからシアクニという町を過ぎて30km、標高4335mのララヤ峠の手前10kmに、アクアカリエンテス(温泉)が営業していました。20ソル(約730円)で部屋を確保して、温泉に直行。標高4000mの夜は冷え込みましたが、熱い温泉に漬かれば体もポカポカ。日本を出てから1年ぶりの湯船になりました。

何も無い場所にポツンとある温泉施設


グツグツと源泉が湧き出しています


広い湯船は最高でした


クスコから4日かけてボリビアとの国境付近チチカカ湖畔にあるプーノの町に到着。チチカカ湖には「トトラ」と呼ばれる葦で作られたウロス島に人が住んでいて、プーノからツアーも出ていたので参加してきました。

チチカカ湖とプーノの街


プーノは思っていたより大きな街で驚きました


チチカカ湖に浮いているウロス島。大小さまざまな島が浮かんでいます。


自分たちのツアーは、この島に上陸。


ふかふかしていて弾力のあった地面


料理の際には草が燃えてしまわないように、石の上で火を扱うそうです。


太陽光で電気を賄っています


歌って見送ってくれたインディヘナのおばちゃんたち


深い青をしていたチチカカ湖畔にて


そしてボリビアへと向かいます


◆ペルーの人々
昨年末に入ったメキシコから、ここまでずっとスペイン語圏を旅しています。語学学校には通っていませんが、日常生活の中で語彙は増えていきますから、何とか話が続くようになり、陽気なペルー人と何気ない会話を楽しんでいました。特に「自転車でどこから来たの?」とクリクリとした目を輝かせて、話しかけてくれた子どもたちは忘れられません。「日本人だからね」とは伝えたことが、記憶に残ってくれると嬉しいですけどね。

おしゃべりしていた女の子


食堂でチラチラと気のあるふりだったのに、写真にはちゃんと写ってくれません。


他愛無い会話をしながら、少し一緒に走った少年たち。


市場で捕まえた男の子


何をして遊んでいるのでしょうか


小さな手を繋いで。


観光客相手に写真のモデルとなっていた少女は、素敵に微笑んでくれました。


食堂の店先で遊んでいた男の子たちは双子でしょうか。ただでさえ可愛いのに、着込んでいるから更に可愛くなっています。


眩しいほどの笑顔を見せてくれた兄妹


チチカカ湖畔でちょっと追いかけてきたので立ち話


ボリビアとの国境の宿に現れた外国人に、目をキラキラさせながら話しかけてくれた兄弟。


リマの安宿で写真を撮っていたら「俺たちを撮らないか」と促されて。


休憩中の商店で仲良くなったおじさんと息子。おじさんは先生をしているそうで、日本語の単語を聞いてはメモしていました。


商店を切り盛りしていたおじさんの奥さん。


◆旅のまとめ
食事はアルムエルソ(昼食)やセナ(夕食)のセットで5ソル(約180円)前後が目安。僻地の料理やポジェリアの鶏肉なんか10ソル(約365円)前後していました。ペルーの国民食として愛される生の魚をマリネにしたセビチェは食堂だと12~15ソル(約440~550円)、市場や屋台では5~10ソル(約180~365円)で食べていました。

お魚のセビチェからアルパカのステーキまで豊富なレパートリーのペルー料理で幸せに」でも紹介しましたが、ペルー料理はレベルが高い。


安宿は10、15、20、25、30、35ソルと5ソル(約180円)ずつの区分で値段が決まっています。最低レベルの10ソル(約365円)ではトイレシャワー共同。セルバ(アマゾン)では水シャワーであることが多かったです。25ソル(約900円)から部屋にトイレお湯シャワー付きで、ワイファイも付いている宿が出てきます。走行が続くときは10~15ソル(約365~550円)の安宿に泊まり、滞在して作業をする必要があるときは25~30ソル(約900~1095円)を出して、ゆっくりとしていました。

質素な10ソル(約365円)の宿。


84日の滞在で4706.50ソル、日本円に換算すると17万1818円を使いました。1日あたりに直すと56ソル(約2045円)。ナスカの地上絵でセスナに270ソル、マチュピチュの観光に198ソル、リマで歯医者に通ったのに360ソルと、大きな出費もあったのですが、ほぼ予算内で旅をすることができました。偽札の可能性も怖いので国際キャッシュカードを使って、銀行ATMからペルー通貨を引き出しています。1ソルあたり最高で35.6350円、最低で37.3825円というレートでした。ペルー全土にある「Banco de la Nacion」ならATMの使用手数料もかかりません。

長く走ったからこそ、忘れられない国となりました。経済発展が著しい国ですから、これから色々と変わっていくでしょう。日本からは遠いペルーですが、またいつか訪れることができたらと思います。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   生き物,   動画,   , Posted by logc_nt

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