取材

ペルーのナスカの地上絵はセスナからどう見えるのか


旅をした人に「小さくて分かりづらい」「線が薄くて見つけにくい」と書かれることがあるナスカの地上絵。セスナによる遊覧飛行だと揺れるので酔うということで、その悲しい事態にお金を払うかもしれない可能性がありました。でも、せっかくここまで来たのですから、ペルーの空を飛んできました。

こんにちは、ペルー滞在も長くなっている自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。マチュピチュと同様な観光名所となるナスカの地上絵。心配ばかりしたフライトでしたが、しっかりと地上絵を拝んできました。

◆ナスカまで
リマを脱出して、海岸沿いの道を南下します。


無人区間


リマから約300km離れたイカの郊外には「ワカチナ」という砂漠のオアシスがあったので、立ち寄ってみました。「湖ではボート」に「砂丘ではサンドバギー」とワカチナは観光客でいっぱい。

湖の周りには緑。中心ではホテルやレストランも営業しています。


砂漠にある不思議な湖


砂丘に登る観光客


イカを離れても、荒涼とした大地が続きます。


地平線まで伸びる真っ直ぐな道


ただ平坦ばかりではなく、岩山によるアップダウンの区間もありました。


ナスカの手前にあるパルパの町


◆ナスカの地上絵
ナスカの地上絵があるエリアに突入。海沿いを走っていたリマ近郊から、約550mまで標高を上げていました。


ナスカ市街から約25kmの場所にミラドール(展望台)があって、2ソル(約75円)を払うと登ることができます。


粗末な造りなので、少し怖いです。


ここでは手と……


木の地上絵が観察できます。ただ分かりづらくて「あれ?」といった感じですが。


それより嬉しいのが、自分の走る道が分かること。


地上絵のあるエリアは殺伐としていました


地面にはゴロゴロとした石が散らばっています


ナスカの町の中心になるプラサデアルマスに到着


ナスカではプラサデアルマスに面した「HOTEL EL MIRADOR」に宿泊しました。


◆セスナによる遊覧飛行
ナスカに到着した日は疲れていたので、翌日のフライトで計画を立てます。インターネットの情報だと「空港で直接フライトチケットが手に入る」という話だったので、ナスカ市街の旅行代理店をのぞくことなく、翌朝に空港まで自転車で行くことにしました。片道4kmもないので、ぶらりと散歩に出る感覚です。

こぢんまりとした空港オフィス


ですが、たくさんの観光客で賑わっていました。


すぐに声をかけられたので、フライトチケットの相談をします。低い高度を飛ぶという説明だったので、パイロット2人と乗客2人の小さなセスナにしました。同乗者が少ない分だけ値段も高いですが、その差は10USドルと大した違いでもありません。航空会社にフライト代金になる90USドル分のペルー通貨で250ソル(約9250円)、別途の窓口に空港使用税の25ソル(約925円)を支払いました。昔は50USドル前後のフライトもあったようですが、墜落事故の影響でパイロットが2人体制になり、近年はこのくらいの値段が普通のようです。

乗客2人、4人、5人のセスナがあるという説明。


フライトまでパンフレットで地上絵の予習


紀元前200年から紀元後800年の間に描かれたナスカの地上絵は、雨もほとんど降らない気候も幸いして現在にまで残っています。大きさはクモ(46m)、宇宙人(32m)から、サル(110m)、オウム(200m)といった形。これほど巨大な地上絵が作られた理由は、雨乞いの儀式や、社会的な公共事業や、面白いものだと宇宙人の滑走路という説まで。世界遺産に登録されたナスカの地上絵も、環境の変化による降雨や、人為的な影響もあったりして、消滅の危機に晒されています。トカゲの地上絵なんて、パンアメリカンハイウェイが横断してますしね。

1時間くらいボーっと座って待っていたら、ついに呼ばれました。説明通りパイロット2人と乗客のスペイン人のおじさんと自分の4名でセスナに乗り込みます。

空港にはたくさんの飛行機


こちらが今回のセスナ


コックピット


セスナの172Cという生産モデルでした


そして、いよいよ飛び立ちます。


離陸からしばらくすると地上絵のあるエリアに。今回撮影に使用したカメラはキヤノンのEOS Kiss X5でレンズは18-55mm。5184×3456ピクセルのサイズで記録した画像を、そのまま縮小しました。撮れた地上絵は、こんな感じになります。分かりにくい写真には、矢印を加えてみました。

クジラ


宇宙人。山に描かれているので発見しやすいです。


サル


犬。これだけは分からなかったので、辺りを適当に撮りました。


ハチドリ。こちらも高台にあるので分かりやすい。


クモ


コンドル


ペリカン


オウム


木と手。この2つは、ミラドール(展望台)からも見たのですが、上空からでないとはっきりと分かりませんね。近くにトカゲもあったみたいですが、パンフレットに載っていなかったので気付きませんでした。






ちなみにサルを切抜きをすると、ここまで拡大できます。


遊覧飛行の時間は30分くらいでしょうか。最初のクジラの地上絵から最後の木と手までは20分。二人のパイロットのうち、一人がガイド役で地上絵の場所を教えてくれました。地上絵が薄かったり、いろんな線が交差していて、分かり辛いのもありましたが、思っていたより写真が撮れています。左右どちらでも確認できるように、機体を旋回させていました。低い高度を飛ぶと聞いても、一度しかフライトしないので比べようがありません。ただ、乗客は2人しかいないのでやり易さは感じていました。

地上絵ばかりでなく、広大なペルーの大地も迫力があります。


走ってきたパンアメリカンハイウェイ


大地に描かれた紋様


フライト中は相当な振動もあってしびれてしまい、シャッターを押すのも大変でした。不安だった乗り物酔いは、しんどかったのですが吐くこと無く。それでも着陸して、地面に足を付けたときはフラフラできつかったです。

一緒だったスペイン人のおじさんと。


最後に今回の記念を10ソル(約370円)で手に入れることにしました。


セスナをバックにしたパイロットとの2ショット写真。初めてのセスナによる遊覧飛行だったのですが、充実した体験ができて良かったです。


実は、このナスカの地上絵はグーグルマップでも見ることができます。


大きな地図で見る


ナスカでの滞在を終えて、再びアンデス山脈に突入。インカ帝国の首都だったクスコ、そして天空の城とも呼ばれるマチュピチュを目指します。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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