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知っておいて損はない「小売りとレジの歴史」がよくわかるまとめ画像

By Paresh Gajria

そろばん片手に筆で帳面に売上を書き入れて……というのは時代劇だけの光景で、現代の店舗での売上管理には「レジ(レジスター)」が広く使われています。そんなレジと小売業の進化の歴史を一枚のインフォグラフィックにまとめたのが「小売りとレジの歴史」です。

消費社会の変遷にみる、日本の小売とレジの歴史 | 「小売×IT」の未来を考えるブログ
http://ec-cube.ec-orange.jp/blogs/?p=3426


retail_infographics (PDFファイル)
https://ec-cube.ec-orange.jp/download/data/retail_infographics.pdf

まずレジそのものの歴史ですが、この資料よりも約20年前ほどさかのぼる1878年に米国のジェームズ・リティ氏によって最初のモデルが発明されました。開発の理由は「従業員が売上をごまかすのを防止するため」だったそうです。

世界最初のレジスター誕生 | レジスターの歴史1878-1901:日本NCR
http://www.ncr.co.jp/library/register/reg01.html


そして1904年、三越呉服店(現:三越伊勢丹ホールディングス)が「デパートメント宣言」をおこなったことをきっかけに、日本にも本格的なデパートが普及し始めました。この当時使用されていたのは、機械式のレジでした。


第二次世界大戦後が終わり、復興から好景気の時代に出現してきたのが「スーパーマーケット」です。アメリカに広く普及していたスーパーが日本で広まるきっかけになったのは、1953年に東京・青山にオープンした「紀ノ国屋」でした。ここから1970年代にかけ、好景気に沸く日本の大量消費時代の小売りを支える業態として、スーパーマーケットは著しく発展していきました。このころのデータ管理には「紙テープ」が使用されており、その紙テープを媒体にしてコンピューターへデータを転送し、管理をおこなうことが可能でした。


1980年代を前にして、時代はスーパー全盛期からコンビニ専門店の時代へと移っていきます。この頃から広く普及し始めたのが、「POSシステム」です。「Point of Sales」の短縮形で、日本語では「販売時点情報管理」とも呼ばれるこのPOSシステムは、同じころ普及したバーコードを使って商品を細かく管理するための手法で、独自のオンライン網で店舗と本部をつないでデータを管理することで各店舗や商品の特性を把握できるようになり、売り上げ管理の近代化が進みました。


1991年にバブル経済が崩壊し、日本は「失われた20年」と呼ばれる長期低迷時代に突入します。このころ、小売りではディスカウントアウトレットモールという業態が広がりを見せました。コンピューターの世界では、Windowsが爆発的な広がりを果たしたころで、レジの世界にもその影響は及びました。それまでは独自のOSを搭載していたレジですが、コスト面・運用面のメリットによってWindows OSを採用するようになっていきました。


2000年に入り、世界的にブロードバンド化・インターネットの整備が進んできたころ、ネット上での取引「eコマース」が普及してネットショップの時代が到来し、Amazonや楽天といった小売り形態が勢いを増してきました。ブロードバンド化は、レジの仕組みにもメリットをもたらします。それまでは専用のオンライン回線を使っていたPOSシステムを、より安価で実現することができるようになったため、小規模なビジネスへもPOSシステムが普及していきました。


そして小売業はオムニチャネル化が進み、実店舗とネット上の取引が融合していきます。この「オムニチャネル」とはIT、特にスマホなどの携帯端末を活用した、消費者と小売側の新しい関係と呼べるもので、たとえば「その消費者ひとり一人に合った商品をネットで提案し、消費者はスマホで購入・決済をおこない、商品は店舗で受け取る」という、これまでには想像もつかなかったような形態のことです。


これまでのような小売店舗がすぐに無くなるということは考えにくいことですが、世界と経済の発展とともに変化してきた小売りとレジの概念がどのような進化を続けていくのか、興味深いところです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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