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HTML5のWeb Audio APIと超音波を使った音による通信技術

by mikael altemark

PCやスマートフォンをネットに接続したり、他のデバイスと接続したりするときに使われる規格はWi-FiだったりBluetoothだったりといろいろありますが、最初に接続の設定をきっちり終えるまでがかなり面倒で、また、規格違いに悩まされることもあります。こういった悩みを一掃できるのではないか、ということで従来と異なる方向からアプローチしたのがBoris Smusさんによる「Web Audio APIを使った超音波通信」です。

Ultrasonic Networking on the Web | Boris Smus
http://smus.com/ultrasonic-networking/

いきなり「超音波」といわれてもどういうことなのか分かりづらいですが、以下のムービーで簡潔にまとめられています。

Ultrasonic Networking using the Web Audio API - YouTube


Wi-Fiはオフ


手前のスマートフォンでアイコンをタップすると、奥のディスプレイに表示されているアイコンが変化します。これはデータを音に変換して通信している状態。


しかし、通信のたびに音が鳴るというのはあまり実用的とはいえません。


そこで考えられたのが超音波を使うということ。


超音波であれば、音が出ていても人間の耳では聞き取ることができないので、データ通信中も静かなままで作業が可能。ムービーでも、音は聞こえていないのに、スマートフォンを操作すると先ほどと同様にディスプレイに表示されているアイコンが変わっています。


多少距離が離れていても問題なし。


Bluetoothだとアダプタを搭載した機器同士でペアリングを行いますが、超音波+Web Audio APIの場合はHTML5対応ブラウザとオーディオハードウェアさえあれば特別なアダプタなどはなくてもペアリングが可能なので、ハードルがかなり下がります。


ブラウザ側でメッセージを入力


「hey」と呼びかけたところ。


すぐに手元のスマートフォンに反映されました。一度ペアリングすれば、ネット越しにメッセージをやりとりすることが可能だそうです。


ちなみに現時点ではMacintosh版のChromeとAndroid版のChromeを利用して通信しており、Android版Chromeがライブ入力に対応していないため、データの送信はAndroidからMacintoshへの一方通行となっています。


目に見えず音もしないということで現状のWi-FiやBluetoothでの通信と特に変わる点はありませんが、デバイス間通信の新しい選択肢となっていくのでしょうか。

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in サイエンス,   動画, Posted by logc_nt

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