2週間熟成させて食べる「丸寿」の焼き芋を実食レビュー
創業130年を超える京都河原町の老舗焼き芋店「丸寿」は外からは看板すら見えない小さな場所にあるにもかかわらず行列ができるほどの人気店。12時から14時までの2時間しか開いていない上に1年のうちに5ヵ月しか営業していないレアなお店でもあり、ネットではファンが購入の顛末や喜びをつづったブログを多数見つけることができます。このあたりの詳細は以前の記事「購入編」に書いてあるので、今回は実食レビューをお届けします。
なお、お店でも配布されている冊子「東山見聞録」によれば「二週間から三週間保存すれば、落ち着いた黄金色に染まった、まるで芋羊羹のようなしっとり甘みの増した味わいに」という記述があり、店主に聞いたところ確かにおすすめの食べ方だということなので、実際に2週間熟成させた後の味も確かめています。
◆購入当日
包装紙を開けたところ。かなり水分が多いので紙が濡れています。
重さは1本520グラムあります。
大きさはだいたい500ミリリットルのペットボトルと同じくらい。
側面の皮をむいた部分から加熱してあるようで、この部分はかなり焦げています。
皮はこんな感じ。薄手なのでむかずにこのまま食べることができました。
芋の端は切り落とされています。詳細は不明ですが、店主さんによればこのようにしてから蒸し焼きするのがこのお店の味の秘密なんだとか。
割ってみました。水分がほどよく残りしっとりとした質感です。
輪切りにするとこんな感じ。断面を見ると色のムラが少ななく、均等に火が通っていることが分かります。
実際に食べてみると、しっとりとした口当たりでスウィートポテトを食べているのかと思ってしまうほどの強い甘み。焦げた部分からは香ばしい香りがして絶品です。
残りは元の包装紙にくるんで保管しておきます。なお、最初の4~5日は常温で、その後は冷蔵するのが良いそうです。
2~3日すると包み紙に汁が付くので交換が必要。
◆一週間後
外見からは購入当日との違いはわかりません。
割って見るとこんな感じ。
包丁を入れた切り口を見ると皮に近い部分の実の色が濃くなってきていますが、実際に食べてみたところ味の変化はよくわかりませんでした。むしろ、冷えてしまっている分できたてのほうがおいしかったような……。
◆2週間後
外見状からも水分が抜けたのがわかるくらい皮がシナシナとしています。
明らかに中身が黄色っぽくなっています。
切断面はこんな感じ。1週間前のものと比べて、外側の色が濃くなっている部分が広くなっている気がしますが、芋の個体差によるものなのか時間の変化によるものなのかわかりません。なお、皮の水分は抜けていても、中身はそこまで乾燥しておらずパサパサということはありませんでした。
購入日から2週後までの断面を比較してみるとこんな感じ。皮に近い部分の色がだんだんと濃くなっている点は味が濃くなっているように思える感覚と合致しています。
実際に食べてみたところ、初日より甘みがさらに強くなった気がしましたができたての熱々をほうばる方がおいしいような……。
試しに、電子レンジで1分ほど加熱してみました。
温められたことでやわらかくなり、芋の香りも少し強くなっています。できたてよりさらに甘く、それでいて熱々をほおばる感覚もあり全パターンの中で一番おいしい味が楽しめました。
2週間すれば「芋羊羹のようなしっとりとした甘みのある味わい」になる、ということなので羊羹っぽく切ってみました。この形にして食べると、もはや焼き芋とは思えないレベルの甘さと食感です。
完全に邪道ですが、本物の羊羹と一緒に食べると芋の香りに羊羹の強烈な甘みが合わさっておいしかったです。
実際に2週間寝かせて食べてみてわかったことは、できたてでも十分においしいけれども熟成させた後レンジにかけると甘みがましてさらにおいしくなるということ。今回は2週間だけの熟成でしたが、3週間以上寝かせておけば芋全体の色がさらに濃くなり甘みが増すのかもしれません。
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