インタビュー

製造コストは2万5000分の1に、フラッシュメモリの歴史をサンディスクが語る


先ほどメモリカードの世界シェアNo.1のサンディスクに、同社のメモリカードが高耐久性を実現している理由やメモリカードの未来、「スマートフォンに最適化されたmicroSDカード」などについて、いろいろと聞いてみましたが、今度はフラッシュメモリの製造コストの下落などについて話してもらいました。

他にも世界シェアNo.1であるが故にさまざまなメリットが生まれてくるという「世界No.1のポジティブスパイラル」の存在など、グローバル企業ならではの非常に興味深い内容を語ってくれています。

詳細は以下から。
G:
日本のメモリカード市場でサンディスクが1位となっていますが、世界市場のシェアはどうなっているのでしょうか。

スーザン:
サンディスクは世界各国でNo.1の座を確固たるものにしておりまして、アメリカでのSDメモリカードのシェアは約40~45%、ヨーロッパは国によって違いますが大体40%で、ヨーロッパ全体で見てもNo.1ですね。特にSDメモリカードやコンパクトフラッシュが強いという結果になっています。

大木:
日本での2010年の実績はGfKマーケティングの調査ベースで約25%です。

G:
実際にGIGAZINE編集部でもコンパクトフラッシュやSDメモリカードはサンディスクのものを使っていますね。

スーザン:
ありがとうございます(笑)


大木:
先ほどサンディスクがメモリカードシェアNo.1のスケールメリットを活用することで高耐久性を実現する「システム・イン・パッケージ」を低いコストで導入できている点を挙げましたが、もう1つ私たちには「世界No.1のポジティブスパイラル」というものがあります。例えばアメリカでのシェアは45%ですが、2位は20%よりももっと低い数字であるため、私たちは断トツの1位です。

そして断トツの1位だと何が起こるのかと言うと、カメラメーカーは最も大きな商圏である北米やヨーロッパでビジネスをしなければいけないのですが、彼らは(シェアトップである)サンディスクのメモリカードとのコンビネーションを最も重要視していますね。カメラメーカーはサンディスクとやり取りをすることでビジネスが成立するわけですが、これがNo.1のポジティブスパイラルです。ほかにもいろいろなポジティブスパイラルがあります。

G:
サンディスクは東芝と協業してフラッシュメモリの生産を行っており、2011年第3四半期ごろに「第5製造棟」がオープンする予定だと聞いていますが、これによりフラッシュメモリの生産量はどれだけ増えるのでしょうか。

スーザン:
第5製造棟につきましてですが、2011年はトータルの製造量の5%未満にとどまる見通しです。今後詳細な情報が判明次第、お知らせする予定です。

G:
また、昨年8月から24nmの製造プロセスを採用したフラッシュメモリの生産に乗り出していますが、これによりメモリカードの単価は下がるのかをお聞かせ下さい。

スーザン:
すでに去年から今年にかけて値段は下がっていますね。


G:
実際に技術の進歩によって、フラッシュメモリの単価はどれくらい下がっているのでしょうか。

スーザン:
大体年ごとに20~24%くらい下がってきていると思いますが、アナリストのレポートでは20年間で製造コストが2万5000分の1になっていますね。価格が下がることで、フラッシュメモリを搭載した製品が増えるという側面もありました。実際のところ、技術が進歩してフラッシュメモリの価格が下がらなければ、16GBや32GBモデルのiPhoneなども出てこなかったと思います。


これがそのグラフ。2003年から2009年にかけての部分を見ても、製造コストは驚くほど低減されていることが分かります。


G:
今後のサンディスクのビジョンをお聞かせ下さい。

スーザン:
私たちの前CEO、エリ・ハラリはいつも「フラッシュというものはみんなが考えるよりも大きい」と言っています。これはフラッシュメモリを採用した製品がこれからも増えていくため、フラッシュメモリに対する需要はまだまだ伸びると考えられるからです。

例えばスマートフォンでもフラッシュメモリが内蔵されている製品がありますし、大きな規模となっているパソコン向けSSDや、流行となり始めているタブレット端末、電子ブックリーダーなど、フラッシュメモリを使う製品はこれからもどんどん増えていきます。

G:
日本市場のユーザーに対してメッセージはありますか?

スーザン:
日本のユーザーは技術的なことに非常に詳しく、洗練されていると思います。そして「高いパフォーマンスのカードが持つメリット」を理解しているということに感謝しています。というのも、高いパフォーマンスを持ったカードの売上率が世界で一番高いのは日本なんですよ。


大木:
この場合の「高いパフォーマンスのカード」というのは「エクストリーム」や「ウルトラ」シリーズのことで、アメリカやヨーロッパ、アジアと比較すると、割合が最も高いのは日本です。

スーザン:
そして世界のほかの国の人々も日本人のように豊かな知識を持って欲しいと願っています。

G:
ありがとうございました。

フラッシュメモリーカードで世界をリードするサンディスク

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in 取材,   インタビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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