囚人たちが看守の命を救い、塀の中のヒーローに
フロリダ州タンパ郊外のオリエント・ロード刑務所で昼食後にデスクでくつろいでいる看守を囚人の一人が突然襲い、チョークホールドで窒息させようとしたものの、電光石火のようにかけつけたほかの囚人が看守の窮地を救うという事件が起きました。この一部始終を収めた監視カメラの映像がニュースとして全米に流れ、看守を救った囚人たちは一躍ヒーローとなっているようです。
看守を救った受刑者の中には殺人未遂で収容されている凶悪犯もいるのですが、この看守は「いいやつで好きだったから」助けたとのことです。
動画は以下から。Prisoners save their guard's life - Telegraph
CNNによるニュース映像は以下から。
YouTube - Inmates save deputy's life - CNN
月曜日の昼食後にくつろいでいるKen Moon看守(64歳)に突然殴りかかる男。
Douglas Burden(24)はMoon氏にチョークホールドをかけました。この技は脳への血流を止める、殺傷能力のある技です。
そこへ画面左上の方から駆けつけるほかの囚人。
Moon氏に対するリンチが始まるのだろうか、と一瞬不安に思ってしまいますが……
電光一閃とでもいうのか、走ってきた勢いを利用してBurdenを殴り倒しました。
画面下の方からも囚人が助太刀に現れ、緊急無線で助けを呼んでいます。
その後もわらわらと駆けつける囚人たち。
ここだけ見ると暴動のようですが、Burdenを取り押さえてMoon氏を救っているところ。
無線を聞いて駆けつけた看守たちによってBurdenは連行され、独房送りとなりました。
Moon氏を襲ったDouglas Burden容疑者。薬物売買と飲酒運転で収容されていたのですが、さらに今回の暴行の罪も問われることになります。
今回一躍「ヒーロー」となった4人。武装住居侵入で有罪判決を受けたJerry Dieguezは最初にBurdenをパンチし、加重暴行罪に問われているDavid Schofieldは無線で助けを呼びました。殺人未遂罪で収容されているHoang Vuと、強盗と薬物法違反で収容されているTerrell Carswellはこの二人を援護しました。
Ken Moon看守は病院へ収容されましたがその日のうちに退院できたとのことです。Moon氏は囚人たちに感謝の手紙を送り、それらは判事の元へも届けられるとのことで、もしかすると今回の「ヒーロー」たちの刑が少し軽くなったりする、ということもあるかもしれません。
どうしてMoon氏を助けたのか、と聞かれると囚人たちは「Moonはいいやつだから」「あいつはみんなに好かれてる」といった理由を述べたそうです。
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