「携帯電話の着信音を鳴らすのは著作権侵害で追加料金の支払いが必要」という著作権団体の訴えが棄却される
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好きな楽曲を携帯電話の着信音として利用できる「着信メロディ」や「着うた」といったサービスに対して、ユーザーが公共の場所で着信音を鳴らすことは音楽や映画などを演奏したり上映をする「興行権」を侵害しており、追加の著作権料を支払う必要があるとして権利者団体が7月に訴え出ましたが、その訴えが棄却されたことが明らかになりました。
実現するとユーザーに対して新たな負担を強いることになりそうな訴えですが、いったいどういった理由で棄却されたのでしょうか。
詳細は以下から。
Court Rules That Phones Ringing in Public Don't Infringe Copyright | Electronic Frontier Foundation
インターネットやネットワーク化された社会において市民の自由を守るために1990年に設立されたアメリカの「電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)」が発表したリリースによると、アメリカ作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)が連邦裁判所に対して主張していた「携帯電話のユーザーが公共の場所で着信音を鳴らす度に著作権法に違反している」という訴えが棄却されたそうです。
ASCAPの訴えはユーザーが公共の場所で着信音を鳴らすことは音楽や映画などを演奏したり上映をする「興行権」を侵害しているため、現在携帯電話会社が支払っている着信メロディ1曲あたり24セント(約22円)の著作権料に加えて、さらに追加の著作権料を支払う必要があるというもの。
そして連邦裁判所は「ユーザーは利益を得ることを意図して携帯電話の着信音を鳴らしているわけではないため著作権侵害にあたらず、ユーザーにも携帯電話会社にも責任はない」として、ASCAPの主張を退けたとのこと。
この裁定を受けて電子フロンティア財団は「着信メロディを利用しているユーザーが着信音を鳴らすことが著作権侵害にならない以上、車の窓を開けた状態でカーステレオを聴くことも著作権侵害にあたらない」と主張しており、かつてキャンプファイアの周りで歌う人がいることを想定してキャンプ場に著作権料を支払わせようとしたASCAPが同様の訴えを起こさないように牽制しています。
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