CDリッピング機能付カーオーディオを作ったフォード・GMを音楽業界が告訴

By Kay Gaensler

アメリカの非営利レコーディング会社Alliance of Artists and Recording Companies(AARC)は、HDDに音楽を取り込む「CDリッピング機能」を持つカーオーディオを自動車に搭載しているフォードとゼネラルモーターズ(GM)が、著作権を侵害しているとして訴えを起こしました。

AARC Files Federal Class Action Lawsuit | AARC | Alliance of Artists and Recording Companies
http://wp.aarcroyalties.com/2014/07/25/aarc-files-federal-class-action-lawsuit/

Recording Industry Willfully Misreads The Law In Order To Sue Ford & GM For Having Built-in CD Rippers | Techdirt
https://www.techdirt.com/articles/20140728/17321728038/recording-industry-files-insane-lawsuit-against-ford-gm-having-built-in-cd-rippers.shtml

AARCはCDリッピング機能を持つデバイスが、1992年にアメリカで制定されている「Audio Home Recording Act(オーディオ家庭録音法)」の法律に違反していると主張しており、差止および損害賠償金をフォードとGMに対して請求しています。

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オーディオ家庭録音法には個人利用に限ってカーステレオへCDの音楽を取り込むことを許可する旨が書かれています。1999年にダイアモンド・マルチメディア・システムズのMP3プレーヤー「Rio」が著作権を侵害しているとして、アメリカレコード産業協会(RIAA)から販売差し止めを要求されていますが、裁判所は個人利用の音楽コピーを認めており、上記のオーディオ家庭録音法の一文を認める形をとっています。

AARCは訴訟において、フォードの車内に搭載されている「Jukebox」と、GMの車内に搭載されている「Hard Drive Device」が、デジタルオーディオの録音のみを目的に作られていることから、多くの補足事項に抵触していると主張。特に連続コピー防止機能やコピー防止機能を搭載していないため、オーディオ家庭録音法で定められた適切な著作権使用料を支払う必要がある、と述べています。法律では「繰り返し音楽をコピーするデバイス」は規制されており、両自動車メーカーのデバイスはその他の機能を備えていない「音楽専用のデバイス」となっていることが裁判の争点となる見込みです。

By Michael Sheehan

もしこの訴えが認められれば、フォードとGMはAARCに対して実質的損害の50％、さらにデバイスの販売数に基づいて1台あたり2500ドル(約25万5000円)の損害賠償金などを支払うことになります。Techdirtは、「もしこの訴訟請求が『魔法のように』認められれば、フォードとGMは損害賠償を支払わなければいけませんが、その後CDリッピングデバイスを取り除いて、PandoraやSpotifyのようなストリーミングを経由するデバイスを搭載するだけだろう」と予想しています。