Spotifyが「著作権手続きの不備」を理由に名だたるミュージシャンの権利を管理する事務所から1800億円の支払いを求める訴えを受ける


世界最大の音楽ストリーミングサービスを提供しているSpotifyに対し、法律で定められている手続きが取られていないためにアーティストの著作権が侵害されたとして、アメリカでミュージシャンの著作権管理及び出版を行っている「Wixen Music Publishing」(以下Wixen)が16億ドル(約1800億円)の賠償を求める訴えを起こしました。Wixenはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやトム・ペティ、ニール・ヤング、ミッシー・エリオット、ウィーザーなどそうそうたるミュージシャンを担当している大手事務所です。

Spotify Hit With $1.6 Billion Copyright Lawsuit Over Tom Petty, Weezer, Neil Young Songs | Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/thr-esq/spotify-hit-16-billion-copyright-lawsuit-tom-petty-weezer-neil-young-songs-1070960

2017年12月29日にカリフォルニア連邦裁判所に提出された訴状によると、WixenはSpotifyがトム・ペティの「Free Fallin'」やザ・ドアーズの「Light My Fire」(邦題「ハートに火を付けて」)など数万曲について法律で定められた手続きを取らずにSpotifyのサービス上で配信し、適切な使用料を支払っていないとして訴えを起こしています。また、WixenはSpotifyに対して、支払われるべき著作権料および差し止めによる救済として16億ドル(約1800億円)の支払いを求めています。

Spotifyに対してはこれまでも何件かの著作権に関する訴えが起こされていますが、Wixenによる訴えは過去最大級の規模となっているとのこと。2017年5月には、SpotifyはDavid Lowery氏とMelissa Ferrick氏を中心とする作曲家グループから訴えられていた件で4300万ドル(約48億円)での和解を結んでいたほか、同年7月にも米国著作権法115条「非演劇的音楽著作物に対する排他的権利の範囲:レコードの製作および頒布にかかる強制使用許諾」で定められている規定に沿っていないとして訴えを受けています。この条項では、音楽などの著作物を他者が使用する場合には「強制使用許諾」を受けることが必要で、それに伴って使用料が発生することが定められていますが、Spotifyはこの措置を行っていないとして著作権者からの訴えを受けているというわけです。

By opensource.com

SpotifyはWixenの訴えに対し、「著作権者からの委託を受けた訴えかどうか」という点を争点にするものと見られるとのこと。これは、著作権者に訴えを起こす意志がないにもかかわらず管理団体が勝手に訴訟を起こすことができないという規定を突くもので、場合によっては訴えそのものが無効になる可能性もあります。

Wixenは「Spotifyは厚かましくも米国著作権法を無視し、意図的に著作権の侵害を侵している」とSpotifyを非難し、「Spotifyが提供している3000万曲のうち21%は同様にライセンス許諾を受けていない」としています。これに対してSpotifyは前述の「委託を受けているか」という点と、「ストリーミングは複製物の公共頒布ではない」とする論点で反論を行うとみられています。

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