ソフトウェア

DivXやXvidで知られる動画圧縮規格「MPEG-4 Visual」でViaが管理する最後の特許が失効


DivXXvidで使われる動画圧縮規格「MPEG-4 Visual(MPEG-4 Part 2)」について、特許の管理とライセンス提供を行うVia Licensing Allianceの特許リストに残っていた最後の1件が、2026年7月19日にブラジルで失効しました。

The Last MPEG-4 Visual Patent Has Expired, Freeing DivX and Xvid Worldwide
https://linuxiac.com/the-last-mpeg-4-visual-patent-has-expired/


MPEG-4 Visualは映像データの容量を小さくして保存・送信する方法を定めた国際規格で、DivXとオープンソースのXvidに採用されたことで2000年代に広く普及しました。MPEG-4 Visualを製品へ組み込み、関連特許が有効な国や地域でその製品を提供するには、規格の実装に必要な特許について権利者から利用許可を得る必要があります。Via Licensing Allianceは実装に必要だと判断した複数企業の特許を「MPEG-4 Visual Patent Portfolio」という一つの特許群にまとめ、利用者が個々の特許権者と交渉せずに一括して利用許可を得られるようにしていました。このような仕組みを「パテントプール」と呼びます。

特許は国・地域ごとに効力を持つため、同じ技術に関する特許でも失効時期は一律ではありません。Via Licensing Allianceの2026年1月1日付の特許リスト(PDFファイル)には、ブラジルで有効な特許が2件だけ残っていました。このうちDolby Laboratories Licensing Corporationが持つ特許は2026年1月26日に失効し、2026年7月1日付の最終リスト(PDFファイル)に残ったのはSiemens AGの「BR PI0109962-0」だけでした。そして、この特許が2026年7月19日に失効したことで、Via Licensing Allianceのパテントプールに含まれる有効な特許はなくなりました。

特許の失効について、「一般ユーザーにとって目に見える変化はほとんどない」とLinux・オープンソース専門メディアのLinuxiacは指摘しています。動画再生ソフトの「VLC media player」や、動画の変換・処理に使われる「FFmpeg」は以前からMPEG-4 Visualに対応しており、特許の失効そのものが古い動画の画質や再生品質を向上させるわけではないためです。


一方、MPEG-4 Visualのエンコード・デコード機能を製品へ組み込む際にVia Licensing Allianceのパテントプールに基づくライセンス料を考慮する必要がなくなるため、ソフトウェアの開発者や配布者は影響を受けます。Linuxiacによると、特許技術の扱いに厳格なLinuxディストリビューションでは、MPEG-4 Visual関連のコンポーネントを制限したり、別のリポジトリに分けたりする理由が減る可能性があります。

さらに、2000年代のDivXやXvidなどで圧縮された動画を保存するデジタルアーカイブでも、Via Licensing Allianceが管理していた特許についてライセンスの要否を検討せずに古い動画形式への対応を続けられるようになるとのことです。


なお、名前は似ていますがMPEG-4 Visualと動画ファイル形式の「MP4」は別物です。MPEG-4 Visualが映像の圧縮方法を定めているのに対し、MP4はさまざまな圧縮方式の映像を格納できるコンテナ形式。Linuxiacは、現在作成されるMP4ファイルの多くでは「H.264/AVC」が使われており、今回の失効はH.264/AVCの特許やライセンスには影響しないと説明しています。

ただし、「MPEG-4 Visualの実装に必要な特許がすべてこのパテントプールに含まれていた」とVia Licensing Allianceが保証していない点には注意が必要です。

・関連記事
ついにMPEG2の特許が消滅 - GIGAZINE

MP3の特許は切れているので自由に使える - GIGAZINE

ストリーミング動画の流れによって曲がり角を迎えるMPEGについて「MPEGの父」は何を思うのか? - GIGAZINE

なぜH.265(HEVC)サポートを終了するPCメーカーが登場したのか、H.265のライセンスが複雑な理由とは? - GIGAZINE

in ソフトウェア, Posted by log1b_ok

You can read the machine translated English article The last patent held by Via for the vide….