中国のネット小説サイトがAI小説対策を強化、読者からは「AI小説を読むのは時間の無駄」との声も

中国のウェブ小説プラットフォームで、AIを使って作られた小説への投稿制限や審査強化が始まっているとRest of Worldが報じています。AIで大量生成された作品が増えたことで読者から品質低下への不満が出ており、テンセント、ByteDance、百度などが関わる主要サービスは投稿制限や審査強化に動いているとのことです。
Chinese tech giants clamp down on AI web novels after reader backlash - Rest of World
https://restofworld.org/2026/china-ai-web-novels/

中国のウェブ小説はスマートフォンで短いエピソードを読み進める連載コンテンツとして広がってきました。通勤中や寝る前などに数話だけ読むといった形で日常的に消費される娯楽になっています。作者は高い更新頻度を求められるため、設定作りや文章作成を助けるAIツールは便利な存在です。
実際に中国在住の32歳の土木技師ゴードン・シェン氏は、DeepSeekで離婚を題材にした物語の筋書きを作り、AI執筆ツールで5分ほどで短編小説を生成してTomato Novelに投稿したとのこと。作品は10日で5500回以上読まれたとされています。
大手プラットフォームも当初はAIによる執筆支援に積極的でした。テンセント傘下のChina Literatureは2023年に、登場人物の名前を作ったり筋書きをふくらませたりするAIツールを発表しました。ByteDance傘下のTomato Novelも2024年に背景調査や執筆の行き詰まりを助ける作者向けAIアシスタントを導入しています。

しかしAIツールの性能が上がるにつれて、執筆支援は大量生産にもつながるようになりました。中国のSNS「小紅書」では、AIへの指示文が本文中に残ったまま投稿された小説の画面が共有されています。また、不自然な比喩や似た表現の多用を見てAI利用を疑う読者もいるとのこと。読者の中には「あまりに速く作られたものを読むのは時間の無駄だ」と語る人もいます。
こうした状況を受け、プラットフォーム側はAI利用を完全に禁止するのではなく、過剰な利用を抑える方向で対策を進めています。女性読者が多いウェブ小説サイト「Jinjiang」では、創業者の黄艶明氏がAIの利用を資料調査や校正に限るよう作者に求め、AIで書かれた疑いのある作品を読者が通報できるよう呼びかけました。
Tomato Novelは各アカウントが1日に投稿できる文字数に上限を設けています。同プラットフォームは2026年6月だけで、AIによるものを含む10万4000件以上の低品質な投稿を却下したと発表しました。
シドニー大学で中国のデジタル出版産業を研究する向仁氏は、ウェブ小説プラットフォームがAIによる生産性向上と、作品の本物らしさを損なうリスクの間でバランスを取ろうとしていると指摘しています。AIが小説を書くハードルを下げるなかで、ウェブ小説プラットフォームは生産性の向上と作品の信頼性をどう両立するかのバランスを迫られていると向氏は指摘しています。
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