AIで年間200冊のロマンス小説を執筆する作家がAI執筆について語る、約3分の1の作家が執筆に生成AIを利用しているが大半は読者に隠しているとの調査結果も

AIを活用して爆速で小説を執筆し、1年で200冊以上の恋愛小説を生成して販売している作家についてThe New York Timesが報じました。AIを使った執筆には強い反発が起きることもありますが、プロ作家の約3分の1が読者に公表せず執筆にAIを利用していたり、AI利用を読者に隠している作家も多かったりといった調査結果も報告されています。
Can AI Chatbots Write Emotionally Rich Romance Books? - The New York Times
https://www.nytimes.com/2026/02/08/business/ai-claude-romance-books.html

How Authors Are Thinking About AI (Survey of 1,200+ Authors)
https://insights.bookbub.com/how-authors-are-thinking-about-ai-survey/
Human writers face an impossible race against chatbots that finish a book before lunch
https://the-decoder.com/human-writers-face-an-impossible-race-against-chatbots-that-finish-a-book-before-lunch/
The New York Timesの取材を受けた作家のコーラル・ハート氏は、2025年2月頃からAIを使ってロマンス小説を大量生産する実験を始めたと語りました。8カ月間かけて21のペンネームを使い分け数十冊の小説を出版する中で、ハート氏はポリシーに違反するため露骨な性描写などが規制される点や、ロマンス小説に重要な感情的なニュアンスが文章から抜け落ちた点など、AIで小説を完成させることに限界を感じたと述べています。
一方で、AnthropicのClaudeが最も汎用(はんよう)性が高く、キレイな文章を書くと感じられたそうです。そこでハート氏は、Claudeが苦手としていたセクシーなニュアンスを含むジョークや、ロマンス小説に求められる「2人は結ばれるのか、結ばれないのか」といったじっくりとした関係の変化をうまく描写できない点について改善する方法を編み出したことで、AIを用いた小説の出版が可能になったと話しました。また、AIが生成する文章に特有の同じ単語を繰り返す傾向を改善するなどのテクニックも明かしています。結果としてもともと年間10冊程度を出版していた筆が速いタイプのハート氏は、2025年だけで200冊以上のロマンス小説を自費出版しています。The New York Timesによると、Zoomでハート氏にインタビューしている約45分の間に1冊の本が完成したとのこと。
ロマンス小説は「2人が結ばれてハッピーエンド」「末永く幸せに暮らす」など、よくある物語の定型に依存しているため、AIが入り込みやすい可能性があるとThe New York Timesは指摘しました。一方で、ロマンス小説愛好家の中ではAIによって書かれた作品を強く嫌う層もあり、Fast Companyが2025年5月に報道した内容では、出版作品にAIのプロンプトが残っていたと発覚した作家がAIの使用を公言した結果、一部の読者からかなり強い批判を受けたことが判明しました。
書籍検索サービスのBookBubがさまざまなジャンルの1200人以上の作家を対象に実施した調査によると、回答者の約半数となる45%が「現在業務支援に生成型AIを活用している」と回答しました。48%は「AIを使用していないしするつもりもない」と回答し、7%は「現在はAIを利用していないものの、将来活用する可能性がある」と述べました。

現在生成AIを使用していない作家のうち、84%は「倫理的に問題がある」ことを理由として挙げました。その他の主な理由は「自分で作業するのが楽しいため」という理由や、「AIは自分が任せたいタスクをうまくこなせないと考えているため」というものでした。
生成AIを使用している著者のうち、81%が調査・検索に使用していると回答しました。その他、マーケティング資料の作成やアウトライン・プロットの作成などに使用する人は70%以上いました。生成AIを使用している著者のうち約半数、「まれに使う(Rarely)」も含めると約6割が「執筆に使用している」と回答しており、調査対象となった作家全体の約3分の1は生成AIを小説の執筆に役立てていることが判明しました。AIを使用する多くの作家は「創造性と効率性の向上にAIが役立つと感じている」と語っています。

さらに、AIを使用している作家の8割近くがAIの使用を公言していないと明かしました。

AI生成小説を制作する出版社Future Fiction Pressの共同創設者である作家のエリザベス・アン・ウェスト氏は、SNS上で殺害予告を含む過激な批判を受けつつも、「AIが生み出すフィクションがいずれ広く普及し、人気が出ると信じています。読者は結局、いつか気にしなくなるでしょう」とAI小説の有用性を述べています。
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