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「ChatGPTで執筆した書籍」がAmazonで大量に売られている


OpenAIが開発したチャットAI「ChatGPT」は非常に高い性能を備えていることから大きな注目を集めていますが、ChatGPTを利用したと思われる盗作小説が急増するなど、社会的な問題も発生しています。そんな中、「ChatGPTを用いて短時間で執筆した書籍」がAmazonに大量出品されている現状について、海外メディアが報じています。

ChatGPT launches boom in AI-written e-books on Amazon | Reuters
https://www.reuters.com/technology/chatgpt-launches-boom-ai-written-e-books-amazon-2023-02-21/

ChatGPT is overtly and covertly writing novels and short stories and the industry is freaking out | TechSpot
https://www.techspot.com/news/97684-chatgpt-overtly-covertly-writing-novels-short-stories-industry.html

ChatGPTが登場して以降、「ChatGPTを活用して簡単にお金を稼ごう」と考える人も多く現れており、Amazon.co.jpで「ChatGPT」と検索すると「ChatGPTを用いて簡単に副業」「ChatGPTを用いて小説を書く」「ChatGPTでブログ記事を無限生成」といった内容の書籍が大量にヒットします。


上記ような状況は日本以外の国々でも同様に発生しており、Amazon.com(アメリカ版Amazon)でも「ChatGPTを用いて小説やブログ記事を執筆する方法について記した書籍」が大量に販売されています。


ロイターによると、Amazon.comでは「ChatGPTの使い方について記した書籍」の他に「ChatGPTで執筆した書籍」も数多く販売されているとのこと。一例として、以下の画像に示した資産形成に関する書籍「The Wise Little Squirrel:: A Tale of Saving and Investing」は、執筆経験の無いブレット・シックラー氏がChatGPTに「父親が息子に金融リテラシーについて教える話を書いて」といった指示を与えて執筆したものです。この書籍は電子書籍版が2.99ドル(約400円)、紙書籍版が9.99ドル(約1350円)で販売されていたとのことで、シックラー氏は約100ドル(約1万3500円)の収益を得ました。


シックラー氏はChatGPTを用いた書籍の執筆について、「自分が作家になるなんて夢にも思っていませんでした。(ChatGPTが発表されたことで、)『書籍を執筆するアイデアがついに、実現するぞ。これならできる』と感じました」と述べています。

しかし、ChatGPTを用いた書籍執筆には、「インターネット上に公開されている他人の作品を、無意識に盗作してしまう」という問題が存在しています。実際に、大手メディア「CNET」のAI製記事が盗作を指摘されたり、AIによる盗作の急増を理由にSF小説雑誌「Clarkesworld Magazine」が新規投稿受付の停止を余儀なくされたりと、AIによる盗作問題の影響が現実になりつつあります。

「AIが書いた盗作」の投稿が爆増しSF雑誌が新作募集を打ち切り - GIGAZINE


また、AIを用いた書籍の執筆は人力執筆と比べて非常に高速であることから、人間が記した書籍が市場で埋もれてしまう可能性も指摘されています。例えば、以下の児童向け書籍「Bedtime Stories: Short and Sweet, For a Good Night's Sleep」は、ChatGPTを用いてわずか4時間で執筆されたとのことです。


一方で、AIが執筆した書籍は非常に退屈なものが多いという指摘も存在。作家のマーク・ドーソン氏は、「ChatGPTが執筆した書籍は、退屈です」「書籍が流行するかは、書籍の面白さによって決まります。退屈な書籍は低評価を受け、すぐに見向きもされなくなります」と述べ、人間が執筆した書籍の優位性を強調しています。

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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