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「AIが書いた盗作」の投稿が爆増しSF雑誌が新作募集を打ち切り


SF小説雑誌「Clarkesworld Magazine」が「AIによる盗作の投稿が増えた」として新作投稿受付を停止しました。盗作の投稿は2022年末から急増しており、盗作のほとんどはChatGPTなどの高性能チャットAIを用いた作品だとされています。

A Concerning Trend – Neil Clarke
http://neil-clarke.com/a-concerning-trend/

Clarkesworld Magazineの編集者であるニール・クラーク氏によると、Clarkesworld MagazineにはチャットAIの発達以前にも毎月数件の盗作が投稿されていたとのこと。しかし、チャットAIが発達し始めてから盗作の投稿件数が爆発的に増加してしまいました。

以下のグラフは、Clarkesworld Magazineに投稿される盗作の数を月ごとにまとめたものです。盗作投稿件数は2022年10月頃から顕著に増え始め、2023年2月には350件近くの盗作が投稿されています。加えて、2023年2月の盗作件数は2023年2月15日時点での件数とのこと。つまり、このままのペースだと2023年2月には700件近くもの盗作が投稿される可能性があるわけです。


2023年2月21日に公開された新たなグラフが以下。1週間もたたないうちに、盗作件数は500件を超えてしまいました。また、2023年2月に投稿された作品のうち、38%もの作品が盗作だったことも明かされています。

Updated version of the graph. pic.twitter.com/dDeWDhHZiM

— clarkesworld (@clarkesworld)


クラーク氏によると、AIを用いた盗作には「クセ」が存在しており、人間が書いた作品と見分けられるとのこと。チャットAIの発達に伴ってAIによる盗作が急増したことから、Clarkesworld Magazineは新規投稿受付の停止を発表しました。

Submissions are currently closed. It shouldn't be hard to guess why.

— clarkesworld (@clarkesworld)


Clarkesworld Magazineに対する盗作投稿は、SF作品の愛好家ではなく、「ChatGPTを使えば簡単にお金を稼げると主張する人々」によって行われているとのこと。Clarkesworld Magazineは公式Twitterアカウントで「投稿ガイドラインには『AIを用いた作品を認めない』と明記していますが、彼らはそれを無視します」と述べ、AIを利用した盗作に対する怒りをあらわにしています。

5. The people causing the problem are from outside the SF/F community. Largely driven in by "side hustle" experts making claims of easy money with ChatGPT. They are driving this and deserve some of the disdain shown to the AI developers.

— clarkesworld (@clarkesworld)


Clarkesworld Magazineの新規投稿受付は将来的に再開予定ですが、記事作成時点では再開時期は未定とされています。

1. We aren't closing the magazine. Closing submissions means that we aren't considering stories from authors at this time. We will reopen, but have not set a date.

— clarkesworld (@clarkesworld)

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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