ハードウェア

リバースエンジニアリングしたPS2をカスタムマザーボードに詰め込んだ「PlayStation 2 Portable」が登場、オープンソースプロジェクトで開発


ゲーム機の改造や解析を行うtschicki氏が、リバースエンジニアリングで設計したPlayStation 2(PS2)のカスタムマザーボードを搭載した携帯型ゲーム機「PlayStation 2 Portable」を開発しました。このプロジェクトはGitHubで公開されているオープンソースプロジェクトで、PS2実機由来のチップを使い、エミュレーションではなくPS2タイトルをネイティブに動作させる点が特徴です。

GitHub - tschicki/PS2-Portable: A custom designed PS2 Portable · GitHub
https://github.com/tschicki/PS2-Portable/tree/main

Enthusiast crams reversed-engineered PS2 into a handheld, designs custom motherboard — bespoke "PlayStation 2 Portable" pairs modern features with original silicon | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/video-games/handheld-gaming/enthusiast-crams-reversed-engineered-ps2-into-a-handheld-designs-custom-motherboard-bespoke-playstation-2-portable-pairs-modern-features-with-original-silicon

PlayStation 2 PortableはPS2の基板から取り外した6個のICを再利用し、それらを新規設計のカスタムマザーボードに実装した携帯型PS2です。tschicki氏は「おそらく世界初の、ソニー製ではないカスタムのリバースエンジニアリング済みPS2メインボードを搭載したポータブル機」だと説明しています。


PlayStation 2 Portableの開発は2022年から行われ、一般公開できる段階に仕上がったのが2025年だとのこと。2025年6月時点でtschicki氏はPlayStation 2 PortableでPS2のタイトルをプレイする様子をYouTubeで公開しています。

DKWDRV on Custom PS2 Portable - YouTube


本体はROG Allyのような現代的な携帯ゲームPCに着想を得た形状で、3Dプリント製のシェル、大きめのグリップ、USB-PD充電、専用の冷却機構を備えています。


操作系は左右非対称のレイアウトで、PS Vita 2000のフェイスボタンやNintendo Switch用の3.3Vホールエフェクトアナログスティックを採用し、振動用にはコイン型ランブルモーターを搭載。外装は2重構造で、組み立てや分解、シェル交換をしやすくするほか、ネジにはねじ込みインサートを使い、バッテリーもはんだ付けせず交換可能にすることが重視されています。


背面下部に通気孔があります。本体外装はFDM方式の3Dプリントを前提としてゼロから設計され、シンプルでミニマルな外観と、できるだけ高いエルゴノミクスの両立を目指したとのこと。


天面はこんな感じ。外部端子としては、カードスロット2基、USB A端子、ヘッドホン端子、充電や更新に使うUSB-C端子を備えています。


本体のグリップ部には2本の5000mAhバッテリーが収められており、GitHubのREADMEでは2S構成の5000mAh 21700バッテリーにより合計37Wh、1回の充電で約4.5時間動作するとのこと。USB-C PD充電は5V、9V、15Vに対応し、充電しながらプレイする「チャージ&プレイ」にも対応。冷却には本体内部を覆う専用のアルミ製ヒートシンクと、Nintendo Switch Lite用のファンが使われています。


このPayStation 2 Portable開発プロジェクトはPS2の回路全体をリバースエンジニアリングし、既存のPS2マザーボード解析コミュニティの成果を踏まえて、新しい配線や映像経路、電源管理を備えたマザーボードを手作業で設計することが主要な目的となっています。処理の大部分はEmotion EngineGraphics SynthesizerなどのPS2由来のICが担い、温度管理、操作、サウンドなどの補助的な処理にはRaspberry PiのRP2040が使われているとのこと。

マザーボードの表面


マザーボードの裏面


映像周りでは、Trion T20 FPGAを使った独自開発のデジタルビデオプロセッサがVHDLでゼロから書かれています。PS2の映像信号をできるだけ劣化させずに5インチ液晶へ表示する仕組みで、画面の拡大やちらつきの低減、明るさ調整などにも対応しています。

音声面ではヘッドホンとスピーカー用のアンプを備え、スピーカーにはNintendo Switch OLED用の部品が使われています。また、電源管理や充電、バッテリー残量、冷却ファン、操作入力などは小型の制御チップが担当しており、携帯ゲーム機として使いやすいように全体を管理しています。

本体には独自の設定メニューも用意されており、バッテリー残量、LED表示、温度、ファンの強さ、音量、画面の明るさ、スティックの調整などを本体上で確認・変更できます。内部ソフトウェアはUSB-C経由で更新できる仕組み。


起動部分も改造されており、通常のPS2の画面ではなく自作ソフトを直接起動できるようになっています。これによって追加の改造手順を踏まなくても、ゲーム読み込み用のソフトを起動できるとのこと。ゲームやセーブデータの保存には2つの小型カードスロットを使います。片方はPS2のメモリーカードのように動作し、もう片方はSDカードをゲーム保存用ストレージとして使うためのものとなっているそうです。

プロジェクトはオープンソースで、3Dプリント用データ、基板データ、部品表、制御用ソフトウェア、映像処理用データなどがGitHubで公開されています。つまり、理論上は同じものを自作できますが、製作には高度なはんだ付け技術、電子工作の知識、トラブル対応力、場合によってはプログラミングの知識も必要になるため、作者は安易に製作することを推奨していません。なお、記事作成時点で本体内蔵時計が1日あたり約7秒ずれることや、一部ゲームで画面に残像が出る可能性があるなどの問題も挙げられています。

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in 動画,   ハードウェア,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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