AI

俳優ヴァル・キルマーが遺族らの協力を得て生成AIで新作映画に出演へ


『トップガン』のアイスマン役や『バットマン フォーエヴァー』のバットマン役などで知られ2025年に咽頭がんのため亡くなった俳優のヴァル・キルマーが、遺産管理団体や遺族らの協力を得た上で、映画『As Deep as the Grave』に生成AIの姿で出演することがわかりました。

Val Kilmer in 'As Deep As the Grave, His Performance was AI Generated
https://variety.com/2026/film/news/val-kilmer-ai-film-as-deep-as-the-grave-1236691042/

An AI-generated version of the late Val Kilmer is starring in a new movie
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/val-kilmer-ai-generated-new-movie-rcna264195

An AI-rendered Val Kilmer will co-star in a new film | AP News
https://apnews.com/article/val-kilmer-ai-movie-5e32b8e3ee65a01b75902bf4d0bf0b98

『As Deep as the Grave』は2020年10月、コエルテ・ボーヒーズ氏が監督・脚本を務める新作の歴史アクションアドベンチャー映画として報じられた『Canyon Del Muerto』が改題された作品で、キルマー氏はカトリックの司祭・フィンタン神父を演じることになっていました。


キルマー氏は咽頭がんを患っており、一度は声を失いましたが、2021年に音声クローン作成会社・Sonanticの協力を得て再び自分の声で話せるようになり、2022年に公開された映画『トップガン マーヴェリック』には、1986年の前作と同じアイスマン役で出演しています。

Amazon.co.jp: トップガン マーヴェリック [Blu-ray] : トム・クルーズ, エド・ハリス, マイルズ・テラー, ジェニファー・コネリー, ジョセフ・コシンスキー: DVD


『As Deep as the Grave』の撮影は2023年1月にスタート。キルマー氏は体調が優れず、撮影に合流できないまま2025年4月に亡くなりました。

ボーヒーズ監督は「フィンタン神父はキルマー氏に演じてほしい役でした。脚本はキルマー氏を中心に構成されており、彼のネイティブアメリカンとしてのルーツや南西部への愛着、絆も反映させたものでした。しかし、健康問題で本当に厳しい状況にあり、出演することができませんでした」と振り返っています。

それでも、なんとかしてキルマー氏を出演させたかったというボーヒーズ監督は、キルマー氏の遺産管理団体や娘・メルセデス氏、息子・ジャック氏らの協力を得て、最先端の生成AIを活用して、キルマー氏を作品に出演させることにしたとのこと。

キルマー氏はこの映画に出演したがっており、遺族らの理解があったからこそキルマー氏の望みを実現できたとボーヒーズ監督は語っています。

なお、映画の中に亡くなった俳優を出演させている事例はいくつかあり、たとえばリドリー・スコット監督の映画『グラディエイター』では、撮影終了前にプロキシモ役のオリバー・リード氏が急死したため、未撮影だったシーンは姿の似た役者を使い顔が見えないように撮影を行ったとのこと。

グラディエーター Blu-ray ユニバーサル100周年


ジェームズ・ワン監督の映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』では、ダブル主人公のブライアン・オコナーを演じたポール・ウォーカー氏がクランクアップ前に交通事故死したため、弟のケイレブ氏とコディ氏が代役となって残ったシーンの撮影が行われました。

Amazon.co.jp: ワイルド・スピード SKY MISSION [Blu-ray] : ヴィン・ディーゼル, ポール・ウォーカー, ジェイソン・ステイサム, ミシェル・ロドリゲス, ジョーダナ・ブリュースター, タイリース・ギブソン, クリス・“リュダクリス”・ブリッジス, ジェームズ・ワン, クリス・モーガン, クリス・モーガン, ヴィン・ディーゼル: DVD


『スター・ウォーズ』シリーズでは、レイア姫を演じたキャリー・フィッシャー氏がエピソード8『最後のジェダイ』撮影完了後に亡くなったため、エピソード9『スカイウォーカーの夜明け』で過去作の未使用カットを用いたアーカイブ出演を行い、若いレイアの登場する回想シーンは娘のビリー・ラード氏が代役を担当しています。

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け MovieNEX Blu-ray+DVD


ウォーカー氏とフィッシャー氏の事例では「代役の顔に故人の顔を合成する」という手法が用いられています。今回はAIを用いたという点が従来の事例とは異なり、「AIで故人を映画に出演させた初の事例」になるとみられます。

労働組合のSAG-AFTRAはデジタルレプリカの使用に出演者の同意を求めるよう定めており、AI俳優にも苦言を呈していますが、今回の事例はキルマー氏の遺族が協力していることもあって特にコメントを出していません。ボーヒーズ監督は、SAG-AFTRAのガイドラインは守っていると述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
世界初のAI女優ティリー・ノーウッドが爆誕するもハリウッド俳優から怒りの声が殺到、俳優労働組合も苦言を呈する - GIGAZINE

Amazonプライムビデオに「AI吹き替え」が登場するも強い批判を受け削除される - GIGAZINE

アメリカのテレビ賞である「エミー賞」の規則が変更され生成AIの使用について明文化、エントリーは可能だが審査員が生成AIの使用について問い合わせる権利を持つ - GIGAZINE

OpenAIがSAG-AFTRAからの要請を受けてSora2のディープフェイク取り締まりを約束 - GIGAZINE

公共ラジオの司会者が「声を無断でNotebookLMに使われた」としてGoogleを提訴 - GIGAZINE

in AI,   映画, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article Actor Val Kilmer to appear in new film u….