ゲームボーイカラーでリアルタイム3Dシェーダーを動作させる試み

ゲームボーイカラーで3Dっぽい物体に光を当てたときの陰影をリアルタイムに計算して動かすリアルタイム3Dシェーダーを、エンジニアのダニー・スペンサー氏が公開しました。画面の中では、物体が回転したり、光が周囲を回ったりするのに合わせて、明るい部分と暗い部分がその場で描き替わります。
I put a real-time 3D shader on the Game Boy Color | Danny's Blog
https://blog.otterstack.com/posts/202512-gbshader/
Real-time Shader for the Game Boy Color - YouTube

スペンサー氏の狙いはポリゴンを本格的に描くというより、3Dの見え方を成立させるための最小構成をゲームボーイカラーの性能に収めることです。そこで最初に、PC側の3Dソフトで陰影の雰囲気を確認し、ゲーム機の表示に合うように素材を作りました。

具体的には、物体の表面がどの向きを向いているかという情報を画像として書き出し、それを連番画像として用意します。こうして作った画像群を、ゲームボーイカラー側では高速に参照しながら表示します。
陰影の考え方はシンプルで、表面の向きと光の向きの関係から、どれくらい明るく見えるかを決めます。一般的な3Dでも使うランバート反射のような基本的な陰影モデルを出発点にしつつ、ゲームボーイカラーの計算能力でも回せる形に作り替えているのがポイントです。

難所は計算コストです。ゲームボーイカラーのCPUは能力が限られ、乗算や浮動小数点のような重い計算をそのまま多用できません。そこでスペンサー氏は、あらかじめ作っておいた表を参照する方式に寄せました。つまり、毎回きっちり計算する代わりに、必要な値をテーブルから引いてきて足し算や引き算で済ませ、見た目として破綻しない範囲で近似します。そこの結果、1ピクセルあたりの処理を少ない手数に圧縮できたとのこと。

描画の進め方もゲーム機の画面表示の癖に合わせ、1フレームで全画面を一気に作り直すのは難しいため、限られた時間で更新できる範囲を計算しながら、タイル単位で画面を書き換えていきます。残像やちらつきが出やすい条件も逆手に取り、動いているように見える効果として利用する発想も含まれています。

さらにスペンサー氏は実行中に命令の一部を書き換えて、遅い処理を速い形に置き換えるような工夫も使っています。こうした低レベルの最適化で、重い部分の処理時間を削り、リアルタイムに見える更新を成立させたとのこと。

なお、生成AIは補助スクリプトの作成などには役立った一方、ゲームボーイカラーのアセンブリで正確な最適化コードを出すのは難しかったそうで、最後は手で直したとのこと。スペンサー氏は、「AIが作った変換処理の小さな取り違えが原因で色の並びが崩れ、長く気づけなかった」と語り、便利さと同時に検証の重要性を強調しています。
スペンサー氏は今回開発したゲームボーイカラー用のリアルタイム3DシェーダーをGitHubで公開しています。
nukep/gbshader: A real-time shader demo for the Game Boy Color!
https://github.com/nukep/gbshader
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