サイエンス

エビとハゼの友情は騒音にも屈しないことが判明

by Rickard Zerpe

オーストラリアのグレートバリアリーフに生息するハゼの一種であるカスリハゼ(Amblyeleotris steinitzi)とテッポウエビの一種(Alpheus spp.)は共生関係を築いており、エビが巣穴を掘って維持管理を担当し、ハゼが外敵を見張る番人として機能することが知られています。モナシュ大学などの研究チームが発表した研究によると、海上を走るボートの騒音が、ハゼやエビの共生行動に変化を与えていることが明らかになりました。

Boat noise alters individual behaviors but not communication between partners in a fish-shrimp mutualism | Behavioral Ecology | Oxford Academic
https://academic.oup.com/beheco/article/36/5/araf110/8266905

When shrimp hear the engines roar: How boat noise rattles marine besties, but not their friendship
https://phys.org/news/2025-11-shrimp-roar-boat-noise-rattles.html

研究チームは、123組のハゼとエビのペアを対象に、水中ビデオカメラを用いてボートのエンジン音が彼らに与える影響を調査しました。実験では、浅瀬のサンゴ礁で一般的に使用される4ストロークエンジンと2ストロークエンジンの2種類が用意されました。

その結果、興味深いことにハゼとエビでは騒音に対する反応が異なることが分かりました。見張り役のハゼは、より複雑な音響特性を持つ4ストロークエンジンの音が聞こえると、巣穴の外に出ている時間を22%減少させました。一方で穴掘り担当のエビは、より音の強度が強い2ストロークエンジンの音に対して敏感に反応し、外で活動する時間を34%も減少させました。

by Anker A, Grave S

この反応の差は、それぞれの生物が音を感知する仕組みの違いに由来すると考えられています。ハゼは主に100〜300Hzの周波数に対して高い感度を持っていますが、エビは80〜100Hz程度のより低い周波数の音を感知します。そのため、2ストロークエンジンは低い周波数で強い音を出すためエビに影響を与えやすく、一方で4ストロークエンジンの複雑な音響特性がハゼの警戒心をより強く刺激した可能性があります。

by Klaus Stiefel

さらに研究チームは、個々の行動に変化が見られたにもかかわらず、ハゼとエビの間のコミュニケーションが維持されていたと主張しています。ハゼはヒレを細かく動かすなど、触覚信号を通じてコミュニケーションを取り、騒音の中でも連携を崩さなかったとのこと。ハゼは巣穴の入り口で警戒を続け、エビはハゼの体に触れて安全を確認しながら作業を継続していたことがわかりました。

by prilfish

研究チームを率いたジャック・マネラ氏は、ボートの騒音が生物にストレスを与えている事実に変わりはないものの、彼らの絆は非常に回復力に富んでいると述べています。今回の発見は、海洋環境を保護するためには単に騒音の大きさだけでなく、エンジンの種類による音の質の違いも考慮する必要があることを示唆していると研究チームは論じました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1i_yk

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