生き物

シャチが頭の上に死んだシャケを乗せて泳ぐ姿が発見される、40年前にシャチの間でブームだった歴史あり

by Bryce Bradford

ワシントン州ピュージェット湾沖に住むシャチで、頭の上に「死んだシャケ」を載せる様子が観測されたと報告されています。この頭の上に死んだシャケを載せる様子は約40年前にも観測されており、研究者もこの謎の行動に首をかしげています。

ORCA | A 1980s fashion revival or a back-pocket-snack – Salmon hats…
https://orca.org.uk/news-blog/a-1980s-fashion-revival-or-a-back-pocket-snack-salmon-hats-return

Orcas have begun wearing salmon hats again – and we may soon know why | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2457910-orcas-have-begun-wearing-salmon-hats-again-and-we-may-soon-know-why/

Orcas Are Wearing Dead Salmon as Hats, And Scientists Are Stumped : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/orcas-are-wearing-dead-salmon-as-hats-and-scientists-are-stumped

1987年、アメリカ北西部の沖合でシャチの群れが数週間にわたり、頭に死んだシャケを載せている様子が観察されました。もともとは1頭のメスが載せていたそうですが、数週間で同じ群れのシャチも真似をするようになったとのこと。ただし、この「死んだシャケを頭に載せるブーム」は1988年には過ぎ去ってしまったようで、頭にシャケを載せたシャチはすぐに見られなくなったそうです。

2024年秋、「J27 Blackberry」というコードネームで呼ばれる32歳のオスのシャチが、ワシントン州の沖合で頭に死んだシャケを載せているところが撮影されました。


シャチがなぜ頭の上に死んだシャケを載せるのかは不明ですが、野生のシャチを研究するデボラ・ジャイルズ氏は「シャケを頭に載せる行動は、特定の場所における食料の入手可能性に関連する可能性が高いかもしれません」と述べています。


ジャイルズ氏によると、J27 Blackberryが観測された湾ではシャケの群れが活発に遡上(そじょう)しており、海に住むシャチは食料の確保に苦労しているとのこと。シャチは賢い動物として知られ、食事に関して創意工夫をすることでも有名で、頭の上に載せているシャケは「ハイカーが持ち歩くスナックのようなもの」だと推測されています。

また、2024年は地域一帯のシャケの数が例年より多いことから、シャチが遊びで行っている可能性も指摘されています。例えば、ザトウクジラやコククジラなどの小型クジラは、海藻を頭の上に載せる「ケルピング」を行う様子がしばしば観測されます。ザトウクジラがケルピングを行う理由は生存戦略ではなく、「単に海藻の感触がザトウクジラにとって気持ちがいいから」だろうと推測されています。つまり、シャチにとって死んだシャケを頭に載せる行為が「文化的な現象」である可能性もあるというわけです。

by Scott Kinmartin

しかし、ジャイルズ氏は「正直なところ、なぜこの行動が再び始まったのか、まったく分かりません」とコメント。このシャチの行動を解明するため、ドローンを使用した観察を計画しているとのことです。

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in 生き物, Posted by log1i_yk

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