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XがEUからデジタルサービス法違反で罰金を科せられた腹いせに欧州委員会の広報アカウントを凍結


EUからデジタルサービス法違反で罰金を科されたXが、EUの政策執行機関である欧州委員会がX上で運用している広報アカウントを凍結しました。Xの製品責任者であるニキータ・ビア氏は、アカウント凍結の理由を「欧州委員会がX上で不正行為を行ったため」と説明しています。

X shuts down the European Commission’s ad account the day after major fine
https://www.engadget.com/social-media/x-shuts-down-the-european-commissions-ad-account-the-day-after-major-fine-173553267.html

X cuts off the European Commission’s ad account after being fined €120 million | The Verge
https://www.theverge.com/news/839742/x-cuts-off-the-european-commissions-ad-account

X deactivates European Commission’s ad account after the company was fined €120M | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/12/07/x-deactivates-european-commissions-ad-account-after-the-company-was-fined-e120m/

現地時間の2025年12月5日(金)、欧州委員会はXがデジタルサービス法に基づく透明性義務に違反したとして、約1億2000万ユーロ(約220億円)の罰金を科しました。欧州委員会はXの「チェックマークにおける欺瞞的なデザイン」「広告リポジトリにおける透明性の欠如」「研究者への公開データへのアクセス提供の不備」などが、デジタルサービス法に違反していると説明しています。

イーロン・マスクのXがEUのデジタルサービス法に基づき罰金を科される - GIGAZINE


欧州委員会はXの広報アカウントでもXに罰金を科したことを発表しています。

これに対して、Xの製品責任者であるビア氏は「欧州委員会は休眠状態の広報アカウントにログインし、我々のAd Composer(X上で広告を作成・管理するためのツール)の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用し、ユーザーを欺き、通常の動画と誤解させるコンテンツを投稿し、人為的にリーチを増大させました。ご存じの通り、Xは誰もが平等な発言権を持つべきだと信じています。しかし、欧州委員会は自分にはルールが適用されないと思っているようです。よって、欧州委員会の広報アカウントは凍結されます」と述べ、当該アカウントを凍結させると発表しました。


ビア氏は「Ad Composerがこのように乱用されたことは一度もありません。今はパッチが適用されています」とも投稿しています。


この事態を報じたTechCrunchが欧州委員会にコメントを求めたところ、「常にすべてのソーシャルメディアプラットフォームを誠意をもって利用している」「欧州委員会はプラットフォームが我々のアカウント向けに提供しているツールを単に利用しただけです。Xの『Post Composer』ツールがまさにその例です」「これらのツールはプラットフォーム独自の利用規約とEUの法制度に完全に準拠していることを期待しています」という回答を受け取っています。また、欧州委員会の広報担当者は欧州委員会が2023年10月にXでの有料広告配信を停止したと説明しました。


なお、欧州委員会の技術主権・防衛・宇宙・研究担当報道官であるトーマス・レニエ氏は、Xに対する罰金は「デジタルサービス法に基づく初の罰金」であると説明しています。欧州の立法機関は、Xが認証済みアカウントに関して欺瞞的なシステムを採用しており、広告リポジトリの透明性が欠如しており、研究者に有効なデータを提供していないと主張しています。

Xは今回の決定に対して控訴することができますが、期限内に対処計画を提示しなければ、罰金を科される可能性があります。

一方、Xの所有者であるイーロン・マスク氏は欧州委員会に対して、「でたらめ」「EUがなくなるまでどれくらいかかる?EUを廃止しろ」と非難しました。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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