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「OneDriveのAIによる顔認識を拒否できるのは年に3回だけ」との報告でネットユーザーが激怒


Microsoftが提供するクラウドストレージサービスであるOneDriveに、AIを使って写真に写っている顔を認識・分類する機能が追加される予定であり、それを拒否できるチャンスは年に3回しかないことが、オンライン掲示板のSlashdotで報告されました。

Microsoft's OneDrive Begins Testing Face-Recognizing AI for Photos (for Some Preview Users) - Slashdot
https://hardware.slashdot.org/story/25/10/11/0238213/microsofts-onedrive-begins-testing-face-recognizing-ai-for-photos-for-some-preview-users


あるSlashdotユーザーは2025年10月11日、「スマートフォンに保存してある写真をMicrosoftのファイルホスティングアプリ『OneDrive』にアップロードしたのですが、『プライバシーと権限』の下に驚くべきメッセージが表示されました。『OneDriveはAIを使って写真に写っている顔を認識します……』というものです」「そしてこの設定をオフにできるのは1年に3回だけです」と報告しました。

以下はユーザー投稿したスクリーンショット。「Feature(機能)」の欄に「People section」という項目があり、「OneDriveは友人や家族の写真を見つけるのを助けるため、AIを使ってあなたの写真の中の顔を認識します」と記してあります。また、「あなたは年に3回だけこの機能をオフにできます」という注意書きもあります。


ユーザーが設定項目のスライドバーを左(拒否)の方向に動かすと、スライドバーは右に戻ってしまい、「この設定の更新中に問題が発生しました」というメッセージが表示されたとのこと。ユーザーは、「どうやら、『年に3回』のタイミングではなかったようです」と述べています。

画面下部に表示されている「MICROSOFT PRIVACY STATEMENT(Microsoftのプライバシーに関する声明)」をクリックしたところ、「Group photos by people(人物別の集合写真)」というページが表示されました。この機能はAIを活用して写真の顔を識別し、人物ごとにグループ化して、それぞれの人物の写真をまとめて表示できるようにするというもの。

Group photos by people - Microsoft Support
https://support.microsoft.com/en-us/office/group-photos-by-people-21065f48-c746-48ad-a98a-cbe4631631bc

なお、「人物別の集合写真」のページには、「この機能は近日中にリリース予定ですが、まだリリースされていません。今後のアップデートにご期待ください」と記されています。ウェブサイトの保存サービスであるWayback Machineを見ると、少なくとも2023年11月の時点から近日リリース予定という表記が存在していたことがわかります。


Slashdotの運営チームがこの件についてMicrosoftの広報担当者に問い合わせましたが、広報担当者は「OneDriveがこの設定は年に3回しかオフにできないとユーザーに通知するのはなぜですか?その3回とはいつでもオフにできる3回なのでしょうか?それともクリスマスや元日など、特定の日付の3回なのでしょう?」という質問には答えませんでした。

一方、スライドバーを左に動かしたのに右に戻ってしまったという問題については、「トグルに関する問題については把握していませんが、Microsoftの担当者が原因を調査します」と回答。また、この機能はすでに一部のユーザーを対象にしたプレビュー版として提供されているものの、現時点でそれ以上の情報は提供できないと答えました。


また、Slashdot運営チームの「プライバシー保護の推進派の中にはオプトイン機能を好む人もいますが、OneDriveは限定的なオプトアウト機能を計画しているようです。オプトインではなくオプトアウトを採用する理由は何でしょうか?」という質問に対し、広報担当者は「OneDriveは該当する場合、Microsoft 365およびSharePointからプライバシー機能と設定を継承します」とだけ返答しています。

デジタル社会における言論の自由を擁護する電子フロンティア財団に所属する活動家のソリン・クロソフスキー氏は、「プライバシーに関連する機能はすべてオプトイン方式であるべきであり、企業はユーザーが自ら選択する際のリスクとメリットを理解できるよう、明確なドキュメントを提供するべきです」とコメント。また、ユーザーが可能な限りいつでも拒否できるようにするべきで、年3回という制約を設けるべきではないとも主張しました。

この件はソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも大きな話題となっており、OneDriveのAIによる顔認識をオフにできるのは年3回だけという点が強い反発を招いています。あるユーザーは、「驚きです。Microsoftは明らかに、ユーザーにはこの面倒で馬鹿げた要件を受け入れるしか選択肢がないと考えているようです」「私は自分の写真に写っている人が誰なのか知っています。なぜMicrosoftはこんな情報まで知りたがるのでしょうか?」とコメントしています。

Microsoft only lets you opt out of AI photo scanning 3x a year | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=45551504


また、「ここで返信しているMicrosoftの広報担当者は、心の奥底で自分たちの対応の非人間性を感じていないのでしょうか?」とMicrosoftの対応を批判するコメントや、「写真のAIスキャン機能を頻繁にオン/オフにする場合、そのたびに潜在的なコストがかかるため、Microsoftの制約は頻繁なオン/オフを避けるためではないか」と推測するコメント、「かつてMetaはユーザー設定を1カ月ごとにリセットにする機能を導入していたが、オランダの裁判所はこれがユーザーの自由を侵害すると認定した」というコメントなどが寄せられていました。

・つづき
OneDriveをアンインストールして二度と復活させない方法 - GIGAZINE

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