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アメリカが国内労働者保護のため就労ビザに1500万円の追加料金、Amazon・Google・Microsoftが従業員に「アメリカへ素早く帰還せよ」と呼びかける


アメリカでは就労ビザの申請に高額な手数料が追加される新たな規則が2025年9月21日から施行されました。それに伴い、GoogleやAmazon、Microsoftは海外勤務の従業員に「速やかにアメリカへ入国せよ」と指示するメッセージを送っていたことが明らかになりました。

Amazon, Google, and Microsoft tell H-1B employees to rush back to the US | The Verge
https://www.theverge.com/news/782258/amazon-google-microsoft-warn-h-1b-employees-return-to-the-us


Startup leaders warn new $100K H-1B visa fee will hurt U.S. entrepreneurship and innovation – GeekWire
https://www.geekwire.com/2025/startup-leaders-warn-new-100k-h-1b-visa-fee-will-hurt-u-s-entrepreneurship-and-innovation/

特定の専門職に従事する外国人労働者を雇用する際、アメリカでは就労ビザ「H-1B」が必要です。H-1Bビザには基本の申請料や不正防止の調査費用など複数の手数料がかかり、雇用主である企業が手数料を負担するのが原則となっています。手数料は申請料金の内容によってさまざまで、料金が高くなる大企業の場合で6000ドル(約88万円)~9000ドル(約130万円)程度。しかし、トランプ大統領が「新しい申請ごとに10万ドル(約1500万円)の手数料が上乗せされる」という大統領令に署名したため、今後、企業の負担は飛躍的に上がることになります。


ホワイトハウスの発表によると、H-1Bビザはもともと高技能業務を担う臨時労働者をアメリカに呼び込むために創設されたにもかかわらず、低技能で低賃金の労働者に置き換えるために悪用されてきたとのこと。H-1Bビザは抽選で発行されるため、Bloombergが2024年に公開した調査データによると、多くの企業が当選確率を上げるために同じ労働者に対して複数の登録を実施しているとのこと。そのため、アメリカ人労働者の仕事や賃金が圧迫されるのを防ぐため、H-1Bビザの申請料を高額にすることで必要な人材のみにビザを与えることを目的としています。

ホワイトハウス報道官のキャロライン・レビット氏はXでの投稿で、「申請時に1回のみ発生する手数料で、毎年払う必要があるものではない」「既にH-1Bビザを保有しており、現在国外にいる人は再入国に追加の手数料を請求されることはない」「新規ビザのみに適用され、既存のビザ保有者や更新の際には適用されない」と補足しました。



H-1Bビザへの依存度が特に高いのがテクノロジー業界です。以下は連邦政府が公開しているH-1Bビザ取得数のランキングで、1位のAmazonは2位以下に大差をつける1万件以上あるほか、Microsoft、Meta、Apple、Googleといったテクノロジー企業がそれぞれ4000人以上のH-1Bビザ労働者を抱えています。


リービット氏は「既存のH-1Bビザには関係ない」と説明していますが、GoogleやAmazon、Microsoftは外国で働く従業員にアメリカへ帰還するよう勧告していることが報じられています。以下は、SNSで拡散されている社内メモで、メモからはどの企業のものか読み取れませんが、「新しいH-1Bビザに関する大統領令では、追加の10万ドルを支払わない限り、H-1Bビザでのアメリカへの入国はできなくなります。当面の間、旅行や出張は避けてアメリカ内に滞在してください。現在国外にいる場合は、期日前までにできる限りアメリカに帰国してください」と記載されています。


海外メディアのThe Vergeが報道されている社内メッセージについて各企業に問い合わせたところ、Microsoftはコメント拒否し、GoogleとAmazonも記事作成時点では回答していないとのことです。

H-1Bビザの高額な手数料は、特定の企業に大きな影響を与える可能性が懸念されています。インドのアウトソーシング企業やアメリカに設置されたテクノロジーセクター、金融会社やコンサルティング会社などは、H-1Bビザを活用して労働者を集めています。インドの数百兆円規模のIT企業であるテック・マヒンドラの元CEOであるチャンダー・プラカシュ・グルナニ氏は、トランプ大統領の決定について「H-1Bビザに関する新しい規則は、地政学的な縄張り争いです。新しい規則は、外国人留学生は歓迎しない、外国人労働者は歓迎しない、アメリカ政府が望むルールを何でも押し付け、それに一貫性を持たせない、というメッセージが含まれています」と批判しています。

また、H-1Bビザへの依存度が高いのはAmazonやMicrosoftといったビッグテックですが、高額な申請料の影響を受けやすいのはスタートアップであるという懸念も広がっています。スタートアップ企業に対し投資するYコンビネータのCEOであるギャリー・タン氏は「10万ドルは、大きなコストを理論上吸収できる大企業には負担にならないかもしれませんが、スタートアップが被害を被ることになります。スタートアップ企業に負荷をかけることなく、H-1Bビザを悪用する企業を締め出す方法は他にあるはずです」と述べています。また、シアトルでスタートアップ企業を設立したマニー・メディナ氏は「H-1Bビザが法外な値段になることで、トロント、バンクーバー、ロンドンなどアメリカ以外の都市が人材を獲得するでしょう」とビジネスリーダーとしてのアメリカの地位が脅かされる懸念を指摘しました。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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