アメリカのコンピューター科学者が謎の失踪、FBIによる捜査の情報はあるものの学生ですら連絡を取れず消息不明

インディアナ大学でコンピューターサイエンスや暗号学について研究していたワン・シャオフェン(XiaoFeng Wang)氏が謎の失踪を遂げたことが明らかになりました。2025年3月28日(金)にはFBIや国土安全保障省(DHS)が家宅捜査を実施したことが報じられており、大学のホームページからはシャオフェン氏のプロフィールが削除されています。
FBI department homeland security agents search house in Bloomington
https://www.heraldtimesonline.com/story/news/local/2025/03/28/fbi-department-of-homeland-security-agents-search-house-in-bloomington-indiana/82710451007/
Sketchy First Reports - TPM – Talking Points Memo
https://talkingpointsmemo.com/edblog/sketchy-first-reports
More Details on Situation at Indiana University - TPM – Talking Points Memo
https://talkingpointsmemo.com/edblog/more-details-on-situation-at-indiana-university
FBI raids home of prominent computer scientist who has gone incommunicado - Ars Technica
https://arstechnica.com/security/2025/03/computer-scientist-goes-silent-after-fbi-raid-and-purging-from-university-website/
シャオフェン氏はインディアナ大学で20年以上にわたってコンピューターサイエンスや暗号学について研究を続けていた人物です。論文検索サービス「Google Scholar」のプロフィールページを確認すると、数多くのセキュリティ関連の論文の執筆に参加していることが分かります。

しかし、記事作成時点ではインディアナ大学のシャオフェン氏のプロフィールページにアクセスしても「ページが見つからない」と表示されてしまいます。

Wayback Machineには2024年9月30日時点のアーカイブが残されています。

記事作成時点ではインディアナ大学の以下のページにはシャオフェン氏の紹介文が残っており、「シャオフェン氏は最も著名なシステムセキュリティとプライバシーの研究者の1人」「シャオフェン氏は2004年にインディアナ大学の一員となって以来、総額2300万ドル(約35億円)の研究プロジェクトで研究主任を務めてきた」と記されています。
Xiaofeng Wang: IU Alliance: Indiana University
https://alliance.iu.edu/members/member/8580.html

インディアナ州の日刊紙「Herald-Times」によると、2025年3月28日(金)にFBIやDHSがシャオフェン氏の自宅を捜査していたとのこと。この際、FBIやDHSの車両12台がシャオフェン氏の自宅周辺を取り囲んでいたそうです。Herald-TimesはFBIとDHSに捜査の詳細について問い合わせましたが、DHSは「情報はFBIから得よ」と回答し、FBIは「裁判所の許可を得て法執行活動を実施した」とだけ回答しました。
また、独立系ニュースサイトの「Talking Points Memo(TPM)」は「シャオフェン氏の同僚は、2025年3月14日(金)に同氏が休職処分を受けたことを知らされた」と報じています。シャオフェン氏のプロフィールが大学のホームページから消えたのはFBIやDHSが自宅を捜査した日よりも前のことで、同時にシャオフェン氏の大学用メールアドレスも使用停止されていました。しかし、シャオフェン氏の同僚らは大学側から対応の理由を知らされておらず、シャオフェン氏がどのような容疑で捜査を受けているのかも不明な状態です。なお、TPMは「シャオフェン氏が逮捕されたのか、逃亡しているのかは不明」「シャオフェン氏がアメリカ市民なのか、中国国籍を保持しているのかも不明」と記しています。
ジョンズ・ホプキンズ大学で暗号学を研究しているマシュー・グリーン教授は「シャオフェン氏は2週間にわたって行方不明な状態が続いており、学生も連絡を取れていないと聞いた」とコメントしています。
また、ジョージタウン大学の暗号学者であるマット・ブレイズ教授は「大学がプロフィールページを削除して、シャオフェン氏が大学で働いたことすらないように見せている理由が想像しがたい」と述べています。
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