サイエンス

結婚は男性の肥満リスクを3倍にすることが明らかに、女性には影響なし


これまでの研究で「結婚は女性の身体的な健康に好影響を与え、心理的苦悩を軽減させることにもつながる」ことが明らかになっていますが、その一方で結婚は男性の肥満のリスクを3倍にすることがポーランドの国立心臓病研究所による調査で判明しました。

Married men really do let themselves go - the science that proves it
https://inews.co.uk/news/married-men-really-do-let-themselves-go-science-proves-3579519


Marriage triples risk of obesity in men – but not women, study reveals | Health | The Guardian
https://www.theguardian.com/society/2025/mar/12/marriage-triples-obesity-men-women-study

国立心臓病研究所の研究チームは、2405人に上る成人の体重や年齢、婚姻状況など、医学的および一般的な健康データを調査しました。調査対象となった人々の平均年齢は50歳で、そのうち35.3%が正常な体重、38.3%が太り気味、26.4%が肥満と判断されています。

調査の結果、既婚男性は未婚男性よりも肥満になる可能性が3.2倍高いことが明らかになりました。また、結婚を機に太り気味になった男性は62%増、女性は39%増でした。過去の研究では、既婚男性は未婚男性よりも平均1.4kg重いことも分かっています。


加えて今回の研究では、年を経るごとに男性が3%、女性が4%ずつ太り気味になるリスクは上昇し、年齢を重ねるごとに肥満のリスクは男性が4%、女性が6%増加することが明らかになりました。

一方で今回の研究では、男性の場合と異なり、女性が結婚によって肥満になるリスクは上昇しませんでした。研究チームのアリシア・チチャ・ミコライチク氏は「肥満を抱えて生きる男性に対する社会の態度は異なります。彼らは同じく肥満を抱える女性に比べて好意的に扱われます」「一方で女性は、太り気味であることは受け入れるようですが、肥満を抱えての生活は許容できないようです。また、男性よりも体重を減らすために、身体活動の増加など、さまざまな行動をとる可能性が高くなります」と説明しています。


さらにミコライチク氏は「既婚男性は、パートナーに受け入れられれば、正常な体重を維持するために躍起になる必要はありません。そして、女性のパートナーは肥満を抱えた男性だとしても、感情的および実存的なニーズを満たすならそれを許容します。そのため、既婚男性は自分の健康や体重にあまり注意を払わなくなるようです」と指摘しています。

また、ヘルスリテラシーが不十分な女性では肥満のリスクが43%増加することや、うつ病を発症した女性は肥満のリスクが2倍になることが判明しています。Obesity Health Allianceのディレクターであるキャサリン・ジェンナー氏は「この研究は、肥満が社会的・心理的といったさまざまな環境要因の複雑な組み合わせによって引き起こされていることを改めて実感させます。年を追うごとに、特に女性の場合、太り気味や肥満を抱えて生活するリスクが高まっています。太り気味や肥満の人々に対し、個人を責めるのではなく、より良い食環境や教育、人生のあらゆる段階でのサポートを通じて、健康的な選択を容易にする政策が求められています」と指摘しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
成人は1年あたり平均0.5~1kgずつ体重が増えてしまう傾向がある、「じわじわ太り」を防ぐ7つのステップとは? - GIGAZINE

結婚は女性の長期的な健康と幸福に有効 - GIGAZINE

脂肪細胞が持つ「肥満だった頃の記憶」がリバウンドの原因になっている可能性 - GIGAZINE

食事の時間を制限する「時間制限食」は肥満に2つのメリットをもたらすという研究結果 - GIGAZINE

高カロリーな食事をたった5日間続けただけで「肥満になりやすい脳」になってしまうという研究結果 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1r_ut

You can read the machine translated English article Marriage triples men's risk of obesi….