サイエンス

背の高さや足の短さが糖尿病リスクと関係していることが研究で示される

by choreograph

過去の研究により「カロリー摂取を減らして減量することで2型糖尿病が大きく改善されること」が判明しており、生活習慣がもたらす肥満と糖尿病の間には強い関連があるとされています。しかし、新しい研究では、肥満だけでなく背の高さや足の長さも糖尿病と関係が深い可能性があることが判明しました。

Associations of short stature and components of height with incidence of type 2 diabetes: mediating effects of cardiometabolic risk factors | SpringerLink
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00125-019-04978-8

Study shows shorter people are at higher risk of type 2 diabetes
https://medicalxpress.com/news/2019-09-shorter-people-higher-diabetes.html

Shorter people are at a greater risk of Type 2 diabetes, study says - CNN
https://edition.cnn.com/2019/09/09/health/shorter-people-diabetes-trnd/index.html

Your HEIGHT can predict whether you’ll get deadly type 2 diabetes, experts warn – The Sun
https://www.thesun.co.uk/news/9894266/height-predict-deadly-type-2-diabetes/

背の高さと糖尿病のリスクの関係について明らかにしたのは、ドイツ栄養研究所に勤めるクレメンス・ヴィッテンベッヒャー氏らの研究グループです。研究グループはまず、以前の研究で身体データなどを提供していたドイツ人の男女2万6437人の中から、対象者として2500人を無作為に選出し、体重・身長・座高・ウエスト・血圧などを調べました。その後、対象者らの医療データを追跡し、糖尿病の診断率と身体データを比較して分析しました。

by Satura_

その結果、「身長の高さ」と「将来的に2型糖尿病になるリスク」は逆相関の関係にあることが分かったとのこと。具体的には、身長が10cm高くなるごとに糖尿病のリスクが男性で41%、女性で33%低下していました。

一方で、体重も強く影響していることが突き止められています。分析を標準体重の人に限定した場合、身長が10cm高くなることによる糖尿病のリスクの低下は男性で86%、女性で67%でした。一方で、肥満の傾向がある人の場合、身長が10cm高くなることによる糖尿病のリスクの低下率は男性で36%、女性で30%にまで低下していました。このことから、ヴィッテンベッヒャー氏は「肥満は身長が高いことのメリットを打ち消してしまいます」と指摘しています。

また、「足の長さ」も糖尿病のリスクを低減させていましたが、その効果には性差が見られました。女性の場合、背の高さと座高の高さの両方が糖尿病のリスクを低下させていた一方で、男性の場合では背が高くても座高が高い場合、つまり足が短い場合は糖尿病のリスクが増大する傾向にありました。一般に、胴体の骨は成長期の末期に伸びることが多いとされていることから、研究チームは「男性の場合は成長期中に背が伸びるよりも、成長期の前にある程度に背が伸びている方が望ましい」と分析しています。なお、女性の場合は、成長期の前後のどちらで背が伸びても糖尿病のリスクは下がるとのことです。

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一方で、背の高さが直接の要因ではない可能性も見つかっています。研究チームは、身長の高さと糖尿病のリスクの逆相関関係が、内臓の代謝に起因しているのではないかと考え、脂肪肝の傾向がある場合における、身長と糖尿病のリスクの関係を算出しました。その結果、脂肪肝の傾向があると、身長が10cm高いことによる糖尿病のリスク低下率は、男性で34%、女性ではたったの13%にまで減少していました。

この結果から、ヴィッテンベッヒャー氏は「背が低い人は内臓の代謝に関する指標の数値が高いきらいがあるため、結果として背が高い人と比べて糖尿病のリスクが高いことが示唆されています」と述べて、身長よりも内臓系の代謝の方がより直接的な要因になっている可能性があるとの見方を示しました。

また、アメリカのローリー・マイヤーズ看護学校の研究担当副学長であるゲイル・メルクス氏は「直接対象者らを調べたわけではない、二次的な分析による研究であるため、結論を出すには慎重を期する必要があります」と指摘。あわせて「糖尿病にはさまざまな要因が関係しているので、背が低いとからといって糖尿病になると決まっているわけでも、背が高いからといって糖尿病にならないわけでもありません」と述べて、身長の高低にかかわらず健康的な生活を心掛ける必要があると強調しました。

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in サイエンス, Posted by log1l_ks

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