MacBook Air(2025年モデル)は搭載するM4チップによって性能が異なるのか?ベンチマーク結果を比較してみた

Appleが2025年3月12日(水)に発売したMacBook AirはM4チップを搭載したモデルとなっています。しかし、搭載されるM4チップには「10コアCPU+8コアGPU」と「10コアCPU+10コアGPU」の2モデルがあり、それぞれで構成がやや異なります。そんなわけで、M4搭載MacBook Airの「10コアCPU+8コアGPU」モデルと「10コアCPU+10コアGPU」モデルの両方をゲットしたので、ベンチマークでどんな差があるのかチェックしてみました。
13インチMacBook Airと15インチMacBook Air - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/macbook-air/
AppleのMacBook Air(13インチ)の購入画面が以下。3つ並んでいるうち、左が「10コアCPU+8コアGPU」モデルで、中央と右が「10コアCPU+10コアGPU」モデルです。両モデルではなぜか付属の電源アダプタの出力が異なり、「10コアCPU+8コアGPU」モデルは30W、「10コアCPU+10コアGPU」モデルは35Wとなっています。

実は「10コアCPU+8コアGPU」モデルはSSDの容量が256GBのみとなっており、512GB以上に設定する場合は「10コアCPU+10コアGPU」モデルに構成を変更する必要があります。そのため、「電源アダプタの出力が異なるということは、M4チップのコア構成だけではなく、SSD自体の性能も違うのでは?」と考えました。
そんなわけで、今回は「10コアCPU+8コアGPU」と「10コアCPU+10コアGPU」の両方を購入しました。以下は「10コアCPU+10コアGPU」モデルで、構成はユニファイドメモリ32GB・SSD512GBです。本体カラーはスカイブルー。

左が「10コアCPU+8コアGPU」モデルで、右が「10コアCPU+10コアGPU」モデル。外見はまったく同じです。

なお、「10コアCPU+8コアGPU」モデルの見た目やキーピッチなどは以下の記事でより詳細にチェックしています。
M4搭載で税込17万円以下のMacBook Air速攻フォトレビュー - GIGAZINE

左が「10コアCPU+10コアGPU」モデルに付属していた35W USB-C電源アダプタで、右が「10コアCPU+8コアGPU」モデルに付属していた30W USB-C電源アダプタ。比べてみると、35W USB-C電源アダプタの方が一回り小さいことがわかります。

そして、35W USB-C電源アダプタにはUSB-Cポートが2つ。

出力は20V×1.75A、15.0V×2.33A、9.0V×3.0A、5.0V×3.0A。

◆SSDの読み書き速度をチェック
まずは動画編集ソフト「DaVinci Resolve」開発元のBlackmagic Designが提供しているディスクストレージ速度測定ツール「Blackmagic Disk Speed Test」で、SSDへの読み書き速度を調べてみました。まずは「10コアCPU+8コアGPU」モデルで5回チェックを行った結果が以下。書き込み速度は1917.4MB/sで、読み込み速度は2883.5MB/sでした。また、12K DCI 60(fps)・ProRes 422 HQの動画書き込みは5回の読み書きを経ても失敗となっていました。

「10コアCPU+10コアGPU」モデルだと、書き込み速度は3437.5MB/s、読み込み速度は3031.2MB/sで、「10コアCPU+8コアGPU」モデルよりも書き込み速度が速くなっています。また、12K DCI 60(fps)・ProRes 422 HQの動画書き込みも成功していました。

今度は「AmorphousDiskMark」で、データサイズ・1GiBの5回テストで測定してみました。「10コアCPU+8コアGPU」モデルだと以下のような感じ。数値は上2行がシーケンシャルアクセステスト、下2行がランダムアクセステストの結果で、左列が読み込み速度、右列が書き込み速度です。

そして、「10コアCPU+10コアGPU」モデルで測定した数値が以下で、ディスクへのアクセス速度は「10コアCPU+10コアGPU」モデルの方が上なのがはっきりと示された結果に。MacBook Airに搭載されるM4チップが上位になると、GPUコアが増えるだけではなく、SSDへの読み書き速度も向上することがわかりました。

◆メモリの性能を測定
メモリモジュールの性能を調べる「AmorphousMemoryMark」で測定してみました。「10コアCPU+8コアGPU」モデルは以下。

そして、「10コアCPU+10コアGPU」モデルの結果がこんな感じ。メモリへのアクセス速度は両モデルでほとんど違いはありません。

◆Geekbench 6でCPUとGPUの性能をチェック
Geekbench 6でCPUとGPUの性能をチェックしてみました。CPUのコア数は同じで、GPUのコア数が異なるので、CPUのテスト結果はシングル・マルチもほぼ同等、GPUは 「10コアCPU+10コアGPU」モデルがやや上回ると予想できます。
実際に「10コアCPU+8コアGPU」モデルのCPUベンチマーク結果は、シングルコアパフォーマンスが3767、マルチコアパフォーマンスが14812でした。

「10コアCPU+10コアGPU」モデルだと、シングルコアパフォーマンスが3739、マルチコアパフォーマンスが14777でほぼ同じ。参考値として、同じArmベースアーキテクチャのSnapdragon X X1-26-100を搭載してかつ同価格帯のWindows PC「ASUS Zenbook SORA (UX3407)」でGeekBench 6のCPUベンチマークを回したところ、シングルコアパフォーマンスは2120、マルチコアパフォーマンスは10434でした。

GPUベンチマーク結果は、OpenCLとMetalの2種類を行いました。「10コアCPU+8コアGPU」モデルのOpenCLベンチマークのスコアは30990。

Metalベンチマークのスコアは48313でした。

「10コアCPU+10コアGPU」モデルだと、OpenCLベンチマークスコアは35995。

Metalベンチマークスコアは54665でした。「10コアCPU+10コアGPU」の方が、「10コアCPU+8コアGPU」よりも15%前後高いパフォーマンススコアを算出していることになります。なお、ASUS Zenbook SORA (UX3407)のOpenCLベンチマーク結果は9686だったので、MacBook Airの方がより高いGPU性能を有しているとみることができます。

GeekBench 6の結果をまとめるとこんな感じ。参考値としてGeekBenchが公開しているスコアから、前世代モデルであるM2搭載MacBook AirとM4 Pro搭載MacBook Proのスコアを併記しています。
MacBook Air(2025) | MacBook Air(M2搭載) | MacBook Pro(M4 Pro搭載) | |||
コア構成 | 10コアCPU+8コアGPU | 10コアCPU+10コアGPU | 8コアCPU+10コアGPU | 12コアCPU+16コアGPU | |
CPU シングルコア | 3767 | 3739 | 2596 | 3846 | |
CPU マルチコア | 14812 | 14777 | 9728 | 20163 | |
GPU | OpenCL | 30990 | 35995 | 28451 | 60544 |
Metal | 48313 | 54665 | 46089 | 99026 |
結論として、MacBook Airを購入する場合、「SSDへの読み書き速度はより速い方がよい」、あるいは「より高いGPU性能が欲しい」と考えるのであれば、「10コアCPU+10コアGPU」モデルがおすすめ。しかし、そうでなければ、SSDとGPU以外の性能は同じなのでより安価な「10コアCPU+8コアGPU」モデルでも問題はなさげです。ただし、「10コアCPU+10コアGPU」モデルはSSDの容量が256GBしかないので注意が必要です。
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