やる気の低下や行き詰まりを感じるのはなぜなのか、モチベーションを保つための心理学的なテクニックとは?

やりたいと思うことややらなきゃいけないタスクを抱えているのに、どうしても行き詰まりを感じてモチベーションが湧いてこない経験をしている人は多いはず。モチベーションが阻害される心理学的な理由とその解消方法について、教育系YouTubeチャンネルのTED-Edがムービーで解説しています。
Why you feel stuck — and how to get motivated - Shannon Odell - YouTube

何らかのプロジェクトが進行している途中で、次のステップで何をすればいいのかわからなくなったり、失敗や挫折に直面してこの活動には何の意味があるのかと疑問を持ってしまったりといった「行き詰まり」は、学校のレポートのような単純なものから難しい社会問題への取り組みまであらゆる問題で発生する可能性があります。多くの場合、プロジェクトの始めごろはモチベーションが高い状態にありますが、途中で急に停滞します。心理学ではそのような状態を「Stuck in the Middle(中間で立ち止まる)」と呼びます。

Stuck in the Middleは、目標に近づくにつれて視点が変化することによって発生すると考えられています。何かに向かって取り組み始めるとき、私たちは自分を最初の時点と比較する傾向があるため、わずかな進歩も成功体験として感じることができます。しかし、取り組む時間が長くなればなるほど、最初の時点からの成長ではなく最終目標へと焦点が移る可能性が高くなります。結果として、「これだけ進んだ」という満足感よりも、「まだこれだけ進む必要がある」という焦燥感を感じやすくなります。

視点が変化することによるモチベーションの変化を防ぐ方法のひとつとして、TED-Edは「タスクをより小さく達成可能なサブ目標に分割する」ことを挙げています。小さな目標に分割して取り組むことで、それぞれの地点でスタートからどれくらい進んだかという進歩を感じやすく、また途中で成功を味わう機会も増えるため、モチベーションを維持しやすくなります。

タスクを分割することは、学生症候群や先延ばしクセにも効果的だと言われています。ダラム大学の心理学教授であるフーシャ・シロワ氏によると、目の前のタスクに圧倒されそうになったら一歩引いて「そのタスクがどんな感情を引き起こしたのか」「なぜそのタスクを避けたいのか」を自分で評価したり、その課題の不明な点を明確にしたり、小さな課題に分割したりすることが重要とのこと。
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目標の分割は、特に大きな目標に向けて取り組む時に重要です。大規模かつ複雑な問題に取り組む場合、初めは目的意識ややりがいからモチベーションが高まりやすいもの。一方で、単一の行動やアイデアで解決できる問題はわずかであるため、最終目標に焦点を当てると無力感を抱いてモチベーションが低下してしまいやすくなります。結果として、多くの人が進歩は不可能だと考えるため、重大な社会問題などへの関心が薄まってしまいます。

TED-Edによると、大きな問題に対しても実際に行動を起こすことができる人は、「自分たちの個人的な関与が変化をもたらす可能性がある」という自信を共通して抱いているとのこと。また、社会問題の場合は、道徳的な「怒り」が役立つことも多くなっています。

そのほか、同様のプロジェクトに取り組むコミュ二ティを見つけることで、他の人の活動を見て自身の行動が触発されたり、ポジティブなフィードバックを与えあって心理的な落ち込みや行き詰まりを改善するインスピレーションを得られたりといった多くのメリットがあるそうです。

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in 動画, Posted by log1e_dh
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