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UberがフードデリバリーサービスUber Eatsの競合でアメリカ最大手のDoorDashを訴える


アメリカのフードデリバリー市場で最大のシェアを持つDoorDashは、日本でもサービスを展開していましたが、2022年にWoltブランドに統合されました。そんなDoorDashを、競合サービスのUber Eatsを提供するUberが提訴しています。Uberによると、DoorDashはレストラン経営者を脅迫して独占契約を交わすという反競争的戦術をとっているそうです。

Uber sues DoorDash, alleging anti-competitive tactics | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/02/14/uber-sues-doordash-alleging-anti-competitive-tactics/


Uberがカリフォルニア州高等裁判所でDoorDashを訴えました。訴状の中で、Uberは「DoorDashがレストランに対して『DooDashとだけ取引するように』と強要している」と主張しています。Uberによると、DoorDashはレストランに対して「DoorDashをファーストパーティーの配達サービスとする独占的あるいはほぼ独占的な契約を結ぶように」と圧力をかけているそうです。この契約を結んだレストランの自社ウェブサイトを通じて行われた注文は、DoorDashが配達することとなります。なお、UberによるとDoorDashはこの契約を結ばない場合、「数億円の罰金を課す」「DoorDashアプリ上でのランクを削除あるいは降格させる」と脅迫しているそうです。

DoorDashとUber Eatsは、レストラン・消費者・労働者を結びつけるアプリとしてよく知られています。消費者がアプリを使用してレストランの食べ物を注文すると、労働者がレストランから食べ物を受け取り、消費者の元に配達してくれます。両社は2020年にUber DirectDoorDash Drive on-Demandと呼ばれる独自のホワイトラベル配達サービスをスタートしていますが、これらのサービスは販売業者が配達サービスを独自のウェブサイトやアプリ、その他の販売チャネルに追加するためのソリューションです。レストランにとってはより安価に配達サービスを構築可能で、消費者はレストラン独自のアプリやウェブサイトから直接注文でき、UberとDoorDashは配達員を管理することができるという利点があります。

Uberによると、DoorDashはアメリカの大手レストランの90%以上のファーストパーティー配達を請け負っているとのことです。Uberは「DoorDashが市場を獲得するために反競争的な慣行を使用している」と主張しています。これに対して、DoorDashの広報担当者は「Uberの訴えには根拠がありません。彼らの主張には根拠がなく、小売業者、消費者、配達員に質の高い代替手段を提供できないことに基づいています」とテクノロジーメディアのTechCrunchに声明を出しています。


一方で、Uberのアメリカ大陸配達部門責任者を務めるサルファラズ・マレディア氏は、「100万以上の小売業者がUber Eatsと提携しているのは、Uberがより多くの顧客にリーチし、配達で事業を成長させる方法を決める自由を与えているからです」「DoorDashの戦術がその自由を制限し、より良い選択肢を求めることで罰せられるというレストランからの苦情が増えています。今回の申し立てによって不公平な慣行がなくなり、レストランが罰則や報復を恐れることなく自分たちにとって最善のサービスを選択できるようになることを願っています」と語りました。

訴状の中で、Uberは匿名の「大手レストラン」が長年計画してきた「Uber Directの展開計画」を突如中止した事例を挙げています。Uberによると、この「大手レストラン」がUber Directの展開計画を中止した理由は、DoorDashがサードパーティー配達サービスの利用料を値上げすると脅迫してきたためだそうです。Uberによると、このような出来事が至る所で起きており、複数の顧客から「まるで『頭に銃を突きつけられている』ような気分」「DoorDashは『独占企業』」「DoorDashに脅迫されている」といった苦情が寄せられている模様。

なお、Uberは陪審制を要求しており、訴状では損害額も明かされていません。しかし、UberはDoorDashの反競争的戦略により「収益が数百万ドル(数億円)」減少し、Uber Directの成長も阻害されたと主張しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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