Uberによるフードデリバリーサービス「foodpanda」買収を台湾の公正取引委員会が阻止、両社の市場シェアを合わせると90%以上になり競争が減少するため
日本の公正取引委員会に相当する機関である台湾の公平交易委員会が、共に台湾でオンラインフードデリバリーサービスを展開するUberEatsとfoodpandaの合併を禁止すると発表しました。
兩大外送平臺結合,公平會喊卡!
https://www.ftc.gov.tw/internet/main/doc/docDetail.aspx?uid=126&docid=17952
FTC blocks Uber’s Foodpanda plan - Taipei Times
https://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2024/12/26/2003829127
Taiwan FTC blocks Uber Eats-Foodpanda merger | Taiwan News | Dec. 25, 2024 14:31
https://www.taiwannews.com.tw/news/6001286
Taiwan blocks Uber’s $1.3 billion Foodpanda deal over competition concerns | The Straits Times
https://www.straitstimes.com/business/companies-markets/taiwan-blocks-ubers-1-2b-foodpanda-deal-over-competition-concerns
Uberが運営するUberEatsとデリバリーヒーローが運営するfoodpandaはどちらも消費者・店舗・配達員を結びつける食品配達プラットフォームで、台湾のフードデリバリー市場で合わせて90%のシェアを持ち、2大プラットフォームとして競争を繰り広げています。
Uberは2024年5月14日にfoodpanda事業を9億5000万ドル(約1500億円)で買収する計画を発表。2024年11月8日に公平交易委員会の審査に必要な情報を提出し、公平交易委員会が影響を調査していました。
公平交易委員会は公聴会や市場アンケート、経済分析などの結果を総合的に検討した結果、「UberEatsの主要な競争相手はfoodpandaであり、買収によって競争圧力が消滅すること」「他の食品配達プラットフォームの競争力が弱く、また新規参入も困難であり、買収後にUberEatsの価格決定力が高まること」「消費者や中小飲食店がUberEatsの市場支配力に対抗できないこと」を理由にUberによるfoodpanda事業の買収を禁止すると発表しました。
Uberは買収の申請において、配送ネットワークの密度が向上することで配送効率が向上し、利用者の利便性が向上すると述べましたが、公平交易委員会は「Uberの主張は検証が困難」と述べ、買収によって市場から競争がなくなる事の悪影響の方が大きいと結論付けています。
さらにUberは「買収後に是正措置を行う」と提案したものの、公平交易委員会は「Uberの提案は短期的かつ一時的な是正措置であり、買収前の競争状態を再構築・維持することは困難」と判断したとのこと。
Uberは「この取引の成立は配達パートナー、販売パートナー、消費者、そして台湾経済に最大の利益をもたらすと固く信じていた」と述べ、委員会の決定に失望していることを表明しました。
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