Microsoftに対しアメリカの規制当局が独占禁止法に基づく調査を開始
アメリカ連邦取引委員会(FTC)が2024年11月に、Microsoftに対し反トラスト法違反に基づく調査を開始したことが報じられました。
US Antitrust Watchdog Launches Broad Microsoft Investigation - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-27/us-antitrust-watchdog-launches-broad-microsoft-investigation
Microsoft faces wide-ranging US antitrust probe | Reuters
https://www.reuters.com/technology/microsoft-faces-wide-ranging-us-antitrust-probe-2024-11-27/
FTCはMicrosoftに対し、クラウドコンピューティングおよびソフトウェアライセンス事業からサイバーセキュリティ製品、人工知能製品まであらゆる製品の調査を行っているとのこと。また、関係者によると、FTCはMicrosoftへの調査開始前に競合他社やビジネスパートナーに対する非公式の調査を行いを行い、これを基にMicrosoftに情報を引き渡すよう強制するための詳細な要求を作成したそうです。数百ページにもおよぶこの要求は、FTCのリナ・カーン委員長が署名した後、Microsoftに送られたことが報じられています。
FTCは、MicrosoftがWordやExcelを含む生産性ソフトウェアの市場支配力を乱用している可能性があるという申し立ての実情や、顧客がAzureクラウドサービスから他の競合プラットフォームにデータを移動できないようにするための懲罰的なライセンス条件を課していること、サイバーセキュリティ製品と人工知能製品関連など、あらゆる対象を調査しています。また、匿名の情報筋によると、今回の調査の主な焦点は、MicrosoftがサブスクリプションサービスのMicrosoft 365でWordやExcelといったOffice製品やMicrosoft Defenderのようなセキュリティ製品の抱き合わせ販売を行っている件についてとのこと。
これまでにもMicrosoftはOfficeとTeamsの抱き合わせ販売をめぐって、欧州委員会による調査が行われたほか、AmazonやGoogleなどのオンライン企業を代表するロビー団体であるNetChoiceは、Microsoftのライセンスポリシーと、AIツールをOfficeやOutlookに統合していることを批判しました。
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関係者によると、Microsoftのビジネス慣行についてより多くの情報を収集するために、FTCの独占禁止法専門の弁護士が2024年12月にもMicrosoftの競合他社との会談を行う予定であるとのこと。
なお、カーン委員長の任期は2025年1月までで、ドナルド・トランプ次期大統領が指名することになるFTCの次期委員長がMicrosoftへの調査を継続するかどうかは不透明とされています。
今回の報道に対し、FTCとMicrosoftはコメントを残していません。
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