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Googleが独禁法違反でChrome事業の売却を求められている件で自ら是正策を提案


アメリカ司法省(DOJ)はGoogleの検索事業が独占禁止法違反に当たるとして、同社のウェブブラウザであるChromeを売却するよう求めています。Googleはこの判決に対して控訴する予定で、まずは独自の是正策を提案しました。

Google’s remedies proposal in DOJ’s search distribution case
https://blog.google/outreach-initiatives/public-policy/google-remedies-proposal-dec-2024/


Google Offers To Loosen Search Engine Deals In Antitrust Response
https://www.searchenginejournal.com/google-offers-to-loosen-search-engine-deals-in-antitrust-response/536126/

Google proposes Android contract changes to address Search antitrust
https://9to5google.com/2024/12/20/google-proposes-android-browser-changes/

Googleの検索事業が独占禁止法違反に当たるか否かについて、Googleは独占禁止法違反に当たるという判決を認めておらず、控訴を予定しています。2025年4月には「Googleに対する是正策の審問」が予定されており、この審問ではGoogleおよび司法省が裁判所の決定に最もうまく対応できる是正策の概要を示す必要があります。

DOJ側はすでに是正策を提案していますが、これは「介入主義的である」とGoogleは批判しています。DOJが提案した是正策には、Chromeや、場合によってはAndroidの売却を強制する内容が含まれているため、Googleは「MozillaのFirefoxなど、Googleに検索掲載料を請求することで事業を成り立たせている革新的なサービスに悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘。実際、MozillaはDOJの是正策が施行されると「Mozillaの将来が危うくなる」と訴えています。

GoogleによるDOJの提案した是正策に対する反論は、以下の記事にまとめてあります。

アメリカ司法省がGoogleにChromeの売却を要求、Googleは「裁判所の判断をはるかに越えるもの」と反論 - GIGAZINE


GoogleはDOJの是正策案における問題は、ユーザーのプライベートな検索クエリを国内外の競合他社と共有することを求めたり、アメリカの革新技術を制限したりすることで、アメリカの消費者に損害を与え、アメリカの世界的なテクノロジーリーダーシップを損なうことにつながる可能性がある点だと指摘。

そこで、Googleは独自の是正策案を公開しました。

◆ブラウザ規約
・AppleやMozillaのようなブラウザ企業は、異なるプラットフォーム間で複数のデフォルト検索エンジン契約を交渉できるようになります。裁判所は、ブラウザ企業が「Googleの検索品質を競合他社と比較して評価し、Googleの方が優れていると判断することがある」ことを認めました。そして、Mozillaのような企業にとって、こうした契約は重要な収益を生み出します。

・Googleの提案では、ブラウザは引き続きユーザーにGoogle検索を提供し、そのパートナーシップから収益を得ることができます。しかし、この提案はさらなる柔軟性も提供します。異なるプラットフォーム(iPhoneとiPadで異なるデフォルトの検索エンジンなど)とブラウジングモード間で複数のデフォルト契約が可能になり、少なくとも12か月ごとにデフォルトの検索エンジンプロバイダーを変更できるようになります。(裁判所の判決では、独占禁止法の下で12か月の契約は「合理的と推定される」と明確に言及されているため)

◆Android規約
・デバイスメーカーは複数の検索エンジンとGoogleアプリを個別にプリロードする自由度が高まります。繰り返しになりますが、これによりパートナーにはさらなる柔軟性が与えられ、Microsoftなどのライバルは競争機会を得られることとなります。

◆監視とコンプライアンス
・ユーザーのオンライン体験の設計に関して政府に広範な権限を与えることなく、裁判所の命令に従うことを確実にする強力なコンプライアンス監視システムが導入されます。

上記の提案についてGoogleは「こうした変更は軽々しく提案したわけではありません。これらの変更は、顧客にとって最適な検索エンジンを選択する方法を規制し、パートナーに負担をかけることになります。また、デバイスの価格を下げ、競合ブラウザの革新をサポートしてきた契約に、煩わしい制限と監視を課すことにもなります」「しかし、我々はこれらの措置が最高裁の判断に十分対応しており、アメリカ国民のプライバシーと安全を危険にさらしたり、アメリカの世界的な技術リーダーシップに悪影響を与えたりすることなく対応していると信じています」と説明しました。


なお、Googleは独自の是正策を提案していますが、是正策の審問が行われる2025年4月にも控訴予定です。

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