乗り物

ハンドルを握ると怒りっぽくなる「ロードレイジ」を抑える方法


普段は穏やかでもひとたびハンドルを握ると人が変わったかのように怒りっぽくなる人は少なからず存在します。運転中の怒りの行動「ロードレイジ」を抑える方法について、交通安全の専門家が解説しました。

Even calm people can fly into a rage behind the wheel. Here’s how to curb your road rage – before it’s too late
https://theconversation.com/even-calm-people-can-fly-into-a-rage-behind-the-wheel-heres-how-to-curb-your-road-rage-before-its-too-late-244402

運転中に怒りっぽくなるのは、他人と物理的に離れているためです。例えば歩いているときに人とぶつかった場合、他人との距離が近いので謝る人が多いですが、車の中にいると他人との距離が遠くなるため、寛容な心が消えて怒りの感情が増します。


環境工学・都市リスクの分析を専門とするミラド・ハガニ氏によると、認知行動療法から導き出されたテクニックが運転中の怒りを抑えるのに役立つかもしれないとのこと。具体的にハガニ氏は以下のテクニックを挙げています。

・他のドライバーも自転車も歩行者も、道ですれ違うような他人であることを理解する
・ストレスを軽減するために移動時間に余裕を持つ
・怒りの反芻(はんすう)を避け、渋滞で割り込まれたときなどイライラする出来事を心の中で何度も思い出さないようにする
・深呼吸をしたり、気を紛らわせたりするなど、他のことに集中する
・他のドライバーが怒っているときは冷静さを保つようにする


いくつかの研究によると、一般的に運転中に怒りっぽくなる人ほど攻撃的な行動を取りやすくなり、感情にまかせてリスクのある行動を取った結果、事故に巻き込まれる可能性が高くなることがわかっています。

また、女性ドライバーは男性ドライバーと同じくらい怒りを感じているものの、それを否定的な形で行動に移すことは少ないという調査結果もあります。一方で不快なジェスチャーや割り込みを受けたときなど、特定の状況下では男性よりも女性の方が強い怒りを感じる傾向にあることもわかっています。


ドライバーによる攻撃的な行動は多種多様で、オーストラリアの保険会社が1464人の会員を対象に調査したところ、多くの人が以下のような行動を目撃していることが判明したそうです。

・あおり運転(71%)
・クラクションを鳴らす(67%)
・ドライバーが他のドライバーに対して怒っている身ぶりをする(60%)
・故意の割り込み(58%)
・ドライバーが他のドライバーと言い争うために車から降りる(14%)
・ストーカー行為(10%)
・暴行(4%)

別の保険会社の調査によると、ロードレイジを引き起こすきっかけには、あおり運転をされたこと、道を譲ったことに対して感謝の気持ちを示さないなど無礼な態度を取られたこと、危険な運転を目撃することなどがあったといいます。


ハガニ氏は「日常生活では平静を装っている人が、突然あおり運転をしたり、クラクションを鳴らしたり、見知らぬ人に怒鳴ったりします。職場や家庭でのストレスが他人に対する義憤という形で突然爆発することもありますが、このようなロードレイジは事故のリスクを高めるので危険です。普段の生活では他人のちょっとした不注意を許せるということを思い出し、同じ忍耐力を運転中にも持ち込みましょう」と述べました。

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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