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世界の戦争は増えているのか?どうして戦争は起こるのか?


記事作成時点ではロシアによるウクライナ侵攻が続いているほか、イスラエルによるガザ地区への攻撃も続いているなど、世界中で武力衝突が発生しています。この世界中で発生している武力衝突の現状や10年前との違いについて、教育系YouTubeチャンネルのKurzgesagtがまとめています。

Syria, Israel, Ukraine - A New Decade of War - YouTube


以下の図は2014年時点の武力衝突発生地域を死者数別に塗り分けたもので、オレンジ色が死者数100人以上、赤色が1000人以上、茶色が1万人以上を示しています。


2023年時点の武力衝突発生地域はこんな感じ。2014年から10年間にはアフガニスタン紛争の沈静化やイスラム国(IS)の弱体化が起きたほか、2024年12月にはシリアのアサド政権が崩壊するなど、複数の武力衝突が事態の収束に向かいました。その一方で、新しく顕在化した紛争も数多くあります。


武力衝突の内訳をまとめた表が以下。赤色が内戦で、青色が国家間紛争を示しています。世界で発生している武力衝突のうち内戦の割合が圧倒的に多いことが分かります。


2014年時点の内戦発生地域を示した図が以下。


そして、2023年時点の内戦発生地域はこんな感じ。


Kurzgesagtは10年間で発生した内戦の中で被害の大きかったものとして、エチオピア政府と反政府勢力によるエチオピア内戦を挙げています。この内戦では50万人以上が犠牲になったと推定されています。


ほかにも、スーダンやイエメン、ミャンマーの内戦でも多くの犠牲者が出ました。


さらに、マリ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ソマリア、モザンビークといった国がイスラム過激派の脅威にさらされています。


2023年時点で国家間の衝突が発生している地域を示した図が以下。


イスラエルはガザ地区への攻撃を続けています。


そして、最も影響力の大きな武力衝突は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。この軍事侵攻はイラク戦争以来20年ぶりの大規模な国家間戦争と位置付けられており、大国が領土を得るために他国へ侵攻する例としては第二次世界大戦以来の出来事です。


武力衝突による世界の死者数の推移を示したグラフが以下。2022年には31万が死亡しました。


直近数十年で見ると近年は死者数が非常に多いように見えますが、第一次世界大戦や第二次世界大戦が発生した時期と比べると少ないと言えます。ただし、死者数が今後減少していくのか、上昇していくのかは未知数です。


Kurzgesagtは、「武力衝突のほとんどは旧ソ連の構成国やヨーロッパの国々の植民地だった過去を持つ国で発生している」と指摘。旧ソ連の構成国やヨーロッパの植民地では「国境による民族の分断」「資源の不平等な分配」「権力の空白」などによって武力衝突が発生しやすくなっています。


現代の武力衝突の当事者は、外部勢力によって支援されていることがほとんどです。例えば、イランはフーシ派やヒズボラ、ハマスを支援しています。


また、ウクライナはアメリカやイギリス、ドイツ、カナダ、フランスといった西側諸国の支援を受けており、ロシアは中国やイラン、北朝鮮に支援されています。


さらに、中国の存在感が高まっているのも特筆すべき事実です。2024年時点で中国の工業生産規模はアメリカとEUの合計に匹敵する規模へ成長しています。


また、世界の総軍事予算のうち、中国は12%を占めています。


「中国が世界の軍事予算の12%を占める」という情報は中国が公式発表している数字をもとにしたもので、公開されていない予算も含めると4640億ドル(約70兆円)もの軍事予算を計上していると推測されています。これは世界で最も大きな軍事力を持つアメリカの脅威ともなっています。

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in 動画, Posted by log1o_hf

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