「フォートナイトのダークパターンにだまされて望まない購入をしたユーザーに合計7200万ドルを返金している」とFTCが発表
アメリカ連邦取引委員会(FTC)は2024年12月9日に、人気ゲーム「フォートナイト」の開発・運営元のEpic Gamesが用いたダークパターンにより意図しない購入を行ったユーザーに対し、合計7200万ドル(約100億円)の払い戻しを実施していることを発表しました。
Fortnite Refunds | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/enforcement/refunds/fortnite-refunds
FTC distributes $72M to Fortnite customers tricked into making unwanted purchases | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/12/09/ftc-distributes-72m-to-fortnite-customers-tricked-into-making-unwanted-purchases/
FTCはEpic Gamesに対し、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反し、保護者への通知や保護者による検証可能な同意がないまま、13歳未満のユーザーの個人情報を収集していた件で訴えを起こしており、最終的に裁判所はEpic Gamesに対して2億7500万ドル(約416億円)の支払いを命じています。また、Epic Gamesがダークパターンを用いてユーザーをだまし、ゲーム内で意図しない購入をさせた件でもFTCは訴えを起こしています。これについて、Epic Gamesには2億4500万ドル(約371億円)もの制裁金を支払うよう行政命令が下されました。
「フォートナイト」開発元のEpic Gamesが制裁金700億円超支払いへ - GIGAZINE
2023年3月にダークパターンを用いてユーザーをだまし不要な購入を行わせた件の制裁金が確定した際に、FTCは「フォートナイトの『直観に反し』『一貫性がなく』『紛らわしいボタン構成』により、プレイヤーはひとつのボタンを押すだけで不要な料金を請求されるようデザインされていました」「Epic Gamesはまた、親の同意を必要とせずに子どもたちがフォートナイトをプレイしながら簡単にゲーム内アイテムを購入できるように設計していました」と批判しています。また、FTCはEpic Gamesのダークパターンにより望まない購入をしたユーザーに対し払い戻しを行う方針であることを明らかにし、該当のユーザーに払い戻しプロセスに参加するよう求めていました。
フォートナイトが約330億円の罰金支払いを「ダークパターンを利用して子どもに意図しないアイテム購入をさせた」との理由で命じられる - GIGAZINE
そして2024年12月9日にFTCは、2024年10月8日までに払い戻しプロセスに参加したユーザーに対し、これまで62万9344回に上る払い戻しを実施したことを報告しています。また、これまでの総返金額は合計7200万ドル以上とのこと。さらに、2024年10月8日以降に払い戻し請求を提出したユーザーには「その日以降に提出された請求は現在処理中で、近日中に詳細を提供します。2025年中にすべての請求を審査して検証した後、順次返金を行います」と報告しました。
なお、払い戻しの対象となるのは以下の事例に該当するアメリカ国内在住のユーザーです。
・2017年1月から2018年11月までの間にEpic Games Storeで未承認のクレジットカードで購入を行った子どもを持つ親
・2017年1月から2022年9月の間に不要なゲーム内アイテム(スキンやバトルパスなど)に対してゲーム内通貨(V-Bucks)を請求されたフォートナイトプレイヤー
・2017年1月から2022年9月までの間、クレジットカード会社との間で不正請求について争った後、アカウントがロックされたフォートナイトプレイヤー
払い戻し請求の提出期限は2025年1月10日までで、以下のフォームから申請することが可能です。
File a Claim
https://www.fortniterefund.com/file-a-claim
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