ネットサービス

Googleが対Epic Gamesの裁判でGoogle Playストアの解放を一時回避

by Yuri Samoilov

人気ゲーム「フォートナイト」の開発元で、ゲーム配信プラットフォーム「Epic Games Store」を運営するEpic Gamesが、Google PlayストアがAndroidのアプリストア市場を独占していると訴えた件で、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は3年間にわたるアプリストアの解放命令を下しました。この判決に対し、Googleは命令の停止を求めて控訴しており、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のジェームズ・ドナート判事が命令の一時停止を認めました。

Motion Hearing AND ~Util - Terminate Motions – #711 in Epic Games, Inc. v. Google LLC (N.D. Cal., 3:20-cv-05671) – CourtListener.com
https://www.courtlistener.com/docket/17443962/711/epic-games-inc-v-google-llc/

Epic judge lets Google keep its Android app store closed to competitors — for now - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/18/24271996/google-epic-lawsuit-play-third-party-app-store-changes-delayed-administrative-stay-granted

Epic GamesとGoogleの裁判は2020年8月13日から続いているもので、2023年12月に「Googleがアプリストアを通じて反競争的な市場を形成した」として、Epic Gamesの主張を全面的に認める判決が下されました。

Epic Games対Googleの独占禁止法に関する訴訟でカリフォルニア州の裁判所がEpic Games側の訴えを認める判決を下す - GIGAZINE


そして2024年10月7日に、Googleが行うべき内容をまとめた命令が確定し、Googleは2024年11月1日から2027年11月1日までの3年間、Google Playストア内でGoogle Playと競合するサードパーティー製アプリストアの配布を認めるほか、サードパーティー製アプリストアに対しGoogle Playストアに登録されている全アプリのカタログを提供することを命じられました。

Google対Epic Gamesの裁判の結果「サードパーティーのアプリストア」をGoogle Playで配布可能に、Googleは命令の停止を要求 - GIGAZINE


しかし、Googleは「この命令はAndroidエコシステムに深刻な安全性、セキュリティ、プライバシーのリスクを生じさせる可能性がある」と主張し、命令の完全停止を要請。また、AppleのApp Storeとの競争があり、決してアプリストア市場を独占していないと述べ、命令停止を要求しました。

これに対し、ドナート判事は「Nken v. Holderの判決に基づく裁判所命令の一時停止を認める基準にしたがって、特に本案勝訴の見込みと公益の観点から、完全な命令停止は正当化されないと判断した」として差止め命令の停止要請を却下しましたが、「控訴裁判所が命令の妥当性とGoogleによる要求を検討し、Googleの主張を認めるかどうかを判断するまで」命令を一時停止することを認めました。これにより、命令の効力発揮が2024年11月1日から延期されることになります。

ただし、ドナート判事が認めた一時停止は部分的なものであり、第8項だけは一時停止を認めていません。命令の第8項は「2024年11月1日から2027年11月1日までの3年間、Googleがスマートフォンのデバイス製造業者や通信事業者に対し、Google Playストア以外のAndroidアプリストアをデバイスにプリインストールしないことを条件として、金銭的支払い・収益の分配・Googleの製品やサービスへのアクセスを提供することを禁止する」という内容で、GoogleがGoogle Playストアの独占的な地位を維持するために排他的な契約を結ぶことを禁じるものです。


GoogleはIT系ニュースサイトのThe Vergeに対し、「私たちは、Epic Gamesが要求した危険な救済措置の実施を一時停止するという裁判所の決定を喜ばしく思っています。これらの救済措置は、安全でセキュアな体験を提供するGoogle Playを脅かすものです。私たちは、アメリカの1億人のAndroidユーザー、50万人以上の開発者、そして私たちのプラットフォームから利益を得ている何千ものパートナーを保護するために、引き続き私たちの主張を訴えていく所存です」とコメントしています。

一方で、Epic Gamesは「Googleは、Android端末の支配権を守り、法外な料金を搾取し続けるために恐怖をあおり、『セキュリティ上の脅威』という言葉を根拠なく使い続けています。今回の命令の一時停止は、控訴裁判所がGoogleの要求を判断する時間を与えるための手続き上の措置に過ぎません」と語り、単なる時間稼ぎだという見方を示しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Epic GamesがGoogleとSamsungを「アプリ配信における競争を阻止するために違法に共謀した」として提訴 - GIGAZINE

「Googleの分割」をアメリカ司法省が検討中 - GIGAZINE

Googleに対して「Google Play内にEpic Gamesのアプリストアを開設するのにかかるコストを計算するように」という命令を裁判官が下す - GIGAZINE

GoogleはGoogle Playの手数料見直しを収益への影響が大きいため無理だと判断していた - GIGAZINE

Googleが1000億円超をGoogle Playの独占禁止法違反訴訟で支払うと発表 - GIGAZINE

in モバイル,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.