ハードウェア

OpenAIがBroadcomおよびTSMCと共同で初のチップを開発・製造予定、独自製造の野望を縮小


OpenAIが新たなチップの設計および製造にBroadcomとTSMCの協力を仰ぐことが明らかになりました。

Exclusive: OpenAI builds first chip with Broadcom and TSMC, scales back foundry ambition | Reuters
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/openai-builds-first-chip-with-broadcom-tsmc-scales-back-foundry-ambition-2024-10-29/


OpenAIは急成長するAIの需要に対応するため、2023年10月時点で独自のチップを開発する意欲を見せていました。

ChatGPTを開発するOpenAIが独自のチップ開発へ動いていると報じられる - GIGAZINE


また、OpenAIのサム・アルトマンCEOは「世界の半導体生産能力を拡大するため」として数百兆円規模の資金調達を計画し、チップ不足を解決するために複数の半導体工場からなる「AIチップ製造工場ネットワーク」の構築を目指していました。

OpenAIのサム・アルトマンCEOが数百兆円という桁外れの資金調達を計画し「半導体業界の再構築」を目指している、すでに孫正義やUAEの有力者と会談しているとの報道も - GIGAZINE


独自のチップについてもOpenAIは自社工場で製造すると見られていたものの、「AIチップ製造工場ネットワークの構築に必要なコストと時間を考慮して一時的にチップ製造工場計画を停止し、代わりに社内でのチップの設計に注力する予定だ」と関係者が匿名でロイターに語った事が明らかになりました。

OpenAIは独自のチップを設計するにあたり、Googleでテンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)を開発した経験を持つトップエンジニアのトーマス・ノリー氏やリチャード・ホー氏などを引き抜き、約20人で構成されるチームを結成。


OpenAIの独自チップはBroadcomの協力のもと、「推論」に重点を置いて設計が進められているとのこと。これまでのチップはトレーニング時の性能に重点を置いて開発されていましたが、AIアプリケーションの普及が進むにつれて推論用チップの需要が大きくなるとOpenAIが考えていることがうかがえます。

チップの設計のために追加で必要な要素を開発するか買収するかについての検討が続いており、さらに追加のパートナーと提携する可能性もあるとのこと。

また、チップの製造についてはBroadcomを通じてTSMCの製造能力を確保したと報じられました。製造開始は2026年の予定となっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
OpenAI幹部がChatGPTの収益を語る、週間アクティブユーザーは2億5000万人で収益の75%は一般有料ユーザー - GIGAZINE

OpenAIがコードネーム「Orion」という次の主力AIモデルを12月に発売する予定という報道をOpenAIが否定 - GIGAZINE

OpenAIの文字起こしAI「Whisper」が幻覚を起こし文章を捏造すると研究者が指摘 - GIGAZINE

生成AIに使われる拡散処理を超爆速わずか2ステップで完了できるアプローチ「sCM」をOpenAIが発表 - GIGAZINE

OpenAIが評価額約23兆円で約9700億円の資金調達を完了、Microsoft&NVIDIA&ソフトバンクがラウンドに参加か - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1d_ts

You can read the machine translated English article here.