セガ・任天堂・ナムコが手を組んだ「トライフォース」とは?

任天堂、セガ、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)の3社が共同開発した、ニンテンドーゲームキューブのアーキテクチャをベースにしたアーケード用システム基板が「トライフォース」です。このプロジェクトは、家庭用ゲーム機とアーケード機の間でハードウェアを共通化することにより、開発コストの削減と相互の移植性の向上を目指して2002年に発表されました。ゲームキューブやWiiのエミュレーター「Dolphin」の開発コミュニティが、トライフォースについてまとめています。
Dolphin Emulator - Rise of the Triforce
https://ja.dolphin-emu.org/blog/2026/02/16/rise-of-the-triforce/
2002年に発表されたトライフォースは、日本のゲーム業界を牽引する3社が協力して作り上げたアーケードプラットフォームです。この名称は任天堂の「ゼルダの伝説」シリーズに登場する秘宝「トライフォース」にちなんでおり、3社の協力関係を象徴して付けられました。
2002年2月18日付けで任天堂が発表したトライフォースのリリースが以下。
ナムコ、セガ、任天堂 次世代業務用汎用三次元コンピュータグラフィックスボード 「トライフォース」の共同開発に関する業務提携
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2002/020218.html
ナムコ、セガ、任天堂の3社にて共同開発されるトライフォース ボードは、家庭用ゲーム機「ニンテンドーゲームキューブ」のアーキテクチャが応用されており、既に同ゲーム機にて証明されているCG(コンピュータグラフィックス)描画能力を余すことなく発揮し、ソフトウェア開発者に対し、コストパフォーマンスの高い開発環境を提供します。また、その汎用性において、ユーザーはもちろん、アミューズメント施設オペレーターメリットに基づいており、ソフトウェアタイトルの充実と投資効率の向上実現が期待されます。
セガ、任天堂、ナムコの3社は、アーケード市場の活性化と開発の効率化を目的としてこの提携を結びました。当時、アーケードゲームの開発コストは増大していましたが、任天堂の家庭用機であるニンテンドーゲームキューブの技術を共有することで、より高品質なゲームを迅速に提供することが可能になりました。この提携は、かつて競合関係にあった企業同士が協力する画期的な事例として注目を集めました。
トライフォースのシステム基板を覆うアルミニウム製のシェル。

各ユニットにはシリアル番号、ゲーム ID などのステッカーが貼られています。

ユニットの背面にはJVS規格のI/O、オーディオ出力、VGA出力ポート。

LANポートやシリアルポートと共に、ナムコの拡張ボードも。

トライフォースはニンテンドーゲームキューブの標準マザーボードに加えて、AM-BaseboardおよびAM-Mediaboardと呼ばれる2枚のカスタムボードが搭載されています。以下はトライフォースに搭載されている、ゲームキューブのマザーボード。

M-Baseboardはアーケードゲーム特有の機能を管理する役割を担っており、JVS規格に基づいた入出力制御やカードリーダーの接続、コインカウンターの処理などを担当しています。このボードにより、家庭用機では想定されていなかったアーケード筐体との高度なネットワーク接続や周辺機器の制御が可能となっています。

AM-Mediaboardはストレージインターフェースや通信機能を拡張するためのボード。このボードには10/100イーサネットポートが搭載されており、セガのGD-ROMドライブやネットワークDIMMボードとの通信を制御します。また、ナムコが開発したタイトルの多くでは、GD-ROMの代わりにNANDをゲームデータの保存に使用しており、AM-Mediaboardによってこれらのメディアタイプへの対応が可能になっていました。

トライフォースのハードウェアは、ニンテンドーゲームキューブと多くの共通点を持っており、主要なコンポーネントとしてCPUにIBMのPowerPC 750CXeを、そして後にAMDに買収されたATIの「Flipper」というGPUを搭載しています。ただし、ニンテンドーゲームキューブよりもアーケード環境特有の要求に応えるため、メモリがゲームキューブの2倍となる48MBに増設されていたほか、ネットワーク機能の強化、そしてセキュリティチップが搭載されているのが特徴。これにより、家庭用ゲーム機を凌駕するパフォーマンスを発揮しつつ、ゲームキューブへの移植が容易になっています。
この基板を利用して、いくつかの人気タイトルが開発されました。ナムコによる「マリオカートアーケードGP」シリーズは、任天堂のキャラクターが他社のアーケード筐体で公式に登場する歴史的な作品となりました。
Mario Kart Arcade GP 2 (Japan) - YouTube

さらに、セガの「バーチャストライカー4」などもこの基板でリリースされています。
Virtua Striker 4 Ver. 2006 Arcade - YouTube

「もしも、実際のプロ野球に、水島新司の野球漫画の選手が登場したら」というコンセプトのもとで開発された野球ゲーム「激闘プロ野球 水島新司オールスターズVSプロ野球」はPlayStation 2とニンテンドーゲームキューブでリリースされましたが、アーケードでも登場。システムに細かい違いはあるものの、家庭用とアーケード版でほとんど差はないそうです。
Gekitou Pro Yakyuu: Mizushima Shinji Allstars vs Pro Yakyuu Arcade - YouTube

セガが開発した「F-ZERO AX」は、家庭用である「F-ZERO GX」とデータを連動させることが可能でした。
F-Zero AX Arcade - YouTube

なお、「F-ZERO AX」にはよりアトラクション性の高い「F-Zero AX モンスターライド」も存在します。通常版「F-ZERO AX」よりも機能や使えるパイロットなどが制限されているものの、宙づりにされた鳥かごのような筐体(きょうたい)で、揺れによる臨場感はすさまじいとのこと。日本国外ではリリースされず、日本国内でもかなり珍しいマシンです。
F-Zero AX Monster Ride - YouTube

・関連記事
ストリートファイターIIをベースに当時のアーケード基板「CPS-1」の何が優れていたのかをエンジニアが解説 - GIGAZINE
タイトーの卓上ミニ筐体「EGRETⅡ mini」の収録タイトルをプレイしながら昭和と平成を駆け抜けたタイトーの歴史を追いかけてみた - GIGAZINE
ゲームオタクがネットでも見つけられなかった「アクションRPGの始祖」とは? - GIGAZINE
コナミの人気音ゲー「popn’ music」筐体のミニチュアや本当にポップンをプレイできるミニコントローラーなどポップン愛に溢れた展示をワンフェス 2026[冬]会場で発見 - GIGAZINE
100万円以上する超レアなアーケードゲーム機がゴミ捨て場から救出される - GIGAZINE
自動車をマリオカート64用のコントローラーにして実際にプレイするムービー - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in 動画, ハードウェア, ゲーム, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article What is 'Triforce' created by Sega, Nint….







