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タイトーの名作STG「ダライアス」のアーケード筐体はどれだけ画期的だったのか?

by 空練

タイトーが1986年にアーケード向けに発表した「ダライアス」は横STG御三家に挙げられることもある、横スクロール型シューティングゲーム(STG)を代表するタイトルです。初代「ダライアス」では、連結した3画面モニターを搭載し、ボディソニックを内蔵したベンチシートを備えた大型アーケード筐体(きょうたい)が採用されて大きな話題を呼びました。この初代「ダライアス」の大型筐体がどれだけ画期的なものだったのか、当時発売されたゲーム誌「Beep」の特集記事が海外ブログでまとめられています。

The Making of Darius | originally featured in the 4/87 edition of BEEP! magazine
http://shmuplations.com/darius/


「ダライアス」の大きな特徴は、3つのモニターが並んだ巨大ディスプレイを利用したワイドな画面構成です。実際に「ダライアス」の筐体をプレイする様子は以下のムービーで見ることができます。

Darius 1986 Arcade Machine Gameplay en la Recreativa Original en Akihabara! - YouTube


1986年当時、カラー表示が可能な液晶モニターはまだコスト面から普及しておらず、「ダライアス」の筐体ではブラウン管モニターが使用されていました。しかし、ブラウン管モニターの周囲には必ず縁があるため、そのまま並べるとどうしても3画面の継ぎ目に隙間が生まれてしまい、ゲームプレイに大きな影響を与えます。

そこで、3画面の継ぎ目をなくすために、「ダライアス」の筐体ではハーフミラーを用いて画面を反射させる仕組みが採用されています。3つのモニターのうち左右2つを筐体下部に置き、中央モニターを鏡の奥に配置します。鏡に反射している左右の画面と、鏡から透けて見える中央の画面が組み合わさると、プレイヤーには継ぎ目のない3画面に見えるという仕組みです。


また、「ダライアス」の筐体はディスプレイの他に音でも工夫がされています。例えば、「ダライアス」の筐体の左右にはヘッドホンジャックが搭載されています。現代ではアーケード筐体にヘッドホンジャックがついていることはそれほど珍しくありませんが、1980年代当時ではヘッドホンジャックを標準装備した筐体はとても珍しいものでした。そして「ダライアス」の音楽は、タイトーのサウンド開発部門「ZUNTATA」のOGRこと小倉久佳氏が担当していて、BGMは現代でも高い人気を誇ります。


さらに、ヘッドホンやスピーカーからだけではなく、プレイの際に腰掛けるシートに内蔵されている「ボディソニック」でも音楽を楽しむことができました。BGMに合わせてボディソニック専用信号が出力されると、シートがそれに合わせて振動し、臨場感をあおるという仕組みです。

タイトーの開発スタッフによると、「ダライアス」というゲームを遊んでもらうためにこのような大型筐体を開発したのではなく、もともとは「3画面を継ぎ目なく表示できるディスプレイが開発できたらどんなゲームを作るべきか」という議論から生まれたとのこと。タイトーは、当時画期的だったシームレス3画面ディスプレイ筐体の能力を見せつけるために、「ダライアス」という横スクロールSTGを開発したというわけです。

ヘッドホンジャックの搭載やボディソニックシステムについては、「ダライアス」を発表する以前からタイトー社内でもアイデアがあったとのこと。開発スタッフは「これだけ贅沢な筐体を作るのであれば、今あるアイデアをできるだけたくさん詰め込もうと考えました」と、Beepの取材に対して答えています。


1980年代は、任天堂からファミリーコンピュータが、日本電気ホームエレクトロニクスからPCエンジンが発売されるなど、ゲームセンターで遊んだゲームが家庭でも気軽に遊べるようになった時代。Beepの編集者は「アーケードゲームが家庭用ゲームと差別化を図って生き残るためにも、開発者は新しいハードウェアを開発し続けなければならず、それがゲームの可能性を広げていくことにつながるだろう」と鋭い分析を行っています。また、「最先端のハードウェアが成功するかどうかは基礎となるゲームデザインの質に左右されるのであり、ハードウェアが大衆に受け入れられるためには、優れたハードウェアの性能に依存するのではなく優れたアイデアが必要だ」というコメントを残しています。

なお、取材が行われた1987年当時には「ダライアス」に続く3画面ディスプレイ筐体対応タイトル第2弾が開発されていました。そして、1988年には横スクロールのアクションゲーム「ニンジャウォーリアーズ」が発売されています。

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in 動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk