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EVスタートアップ「Fisker」が破産申請、伝説的カーデザイナー2度目の挫折

by Werner Bayer

2016年にカリフォルニア州で設立されたEVメーカーのFiskerが2024年6月18日に、日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11章の適用を裁判所に申請しました。同社は2024年初頭に「運転資金が今後12カ月持たない」と発表していましたが、それから半年足らずで経営が行き詰まりを迎えることになりました。

FISKER GROUP INC. FILES FOR CHAPTER 11
(PDFファイル)https://assets.ctfassets.net/cghen8gr8e1n/6W19OiEBJDVIFVEmo4feHA/df902c5cb2b067251a300efb0b35f611/Fisker-Filing-FINAL.pdf

EV startup Fisker files for bankruptcy, aims to sell assets | Reuters
https://www.reuters.com/business/autos-transportation/ev-startup-fisker-files-bankruptcy-2024-06-18/

Fisker Recalls All Oceans before Company Files for Bankruptcy
https://www.caranddriver.com/news/a61155206/fisker-ocean-recall-bankruptcy/

Fiskerは、BMWやアストン・マーティンでの経歴で有名なカーデザイナーであるヘンリック・フィスカー氏が設立したEVメーカーで、2022年に最初の量産車であるOceanの生産を開始しました。

しかし、Oceanはオーナーやレビューアーから不評で、ガジェットの評論で有名なYouTuberのマルケス・ブラウンリー氏からは「私がレビューした中で最悪の車です」と酷評されています。また2024年3月には、このレビューへの対応中に、誤ってOceanの問題が当面改善されない見通しであることを明かしてしまう問題にも見舞われました。

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さらに追い打ちをかけるように、2024年6月上旬にモーター制御ユニット(MCU)の不具合が発覚し、2023年に販売したOceanのほぼすべてにあたる6864台がリコールとなりました。

主力にして唯一の車種であるOceanの不振に苦しんだFiskerは、経営維持のために大手自動車メーカーに投資を打診していましたが、交渉は決裂しました。ロイターの報道によると、救済の話を持ちかけられていた大手自動車メーカーは日産だとのこと。


資金調達のめどがたたなくなったことを受けて、Fiskerは6月18日にデラウェア州で連邦破産法第11章に基づく破産を申請しました。

Fiskerは声明に「EV業界の他企業と同様に、当社はさまざまな市場やマクロ経済の逆風に直面し、それが効率的な事業運営能力に影響を及ぼしてきました。当社の事業に関するあらゆる選択肢を評価した結果、連邦破産法第11章の下で資産の売却を進めることが、当社にとって最も実行性のある道であると判断しました」と記しています。

by Lucas T Photography

Fiskerの破産は、設立者であるフィスカー氏にとって2度目の経験です。フィスカー氏は2007年にEVメーカーであるFisker Automotiveを立ち上げましたが、処女作である高級プラグインハイブリッド車・Fisker Karmaが発火する不具合でリコールとなるなどの問題で経営難に陥り、2014年に中国企業に買収される形で会社が消滅しました。

その後、ブランドを引き継いで新会社のFisker Inc.を立ち上げたフィスカー氏は上場当初、AppleがiPhoneの生産をFoxconnなどに委託しているのをモデルに、自動車の生産をアウトソーシングする手法で「自動車業界のAppleになりたい」と語っていました。

Fisker倒産を知ったブラウンリー氏は「安らかに眠れ。私がこの会社を殺したとみんなが言っているのは知っていますが、実際のところ、会社は私がレビュー動画を公開するずっと前から絶望的でした。EV業界には常により多くの競争が必要なので、これは悲しいニュースです。この会社は峠を越えることができませんでした」とコメントしました。

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in 乗り物, Posted by log1l_ks

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